2005年08月11日

目的が手段を正当化するの愚

何とかと何とかは紙一重と俗に申します。
狂人には良くも悪くも人を引き付けて離さない魅力を持つ人が多いと言いますね。
実際、独裁者とかカルトの教祖と呼ばれる人の中に、このタイプは結構多い。
歴史を振り返ってもそうですよね。
ヒットラーとか、最近ではオウム真理教の教祖・麻原とか。
なんであんなまやかしに騙されてしまうの?と後で冷静になって考えれば分かるのですが。
その渦中にいて熱に浮かされている時は、周りが何を言っても聞き入れないし、自分でもカルトの罠にハマっている事に全く気が付かない。

カルトの特徴的な思考回路は「目的は手段を正当化する」と言う点にあります。
それと物事をなるべく単純化し、複雑な思考をさせないというのがあるそうですね。
誰だって普通の常識を持ち合わせていれば、人殺しはいけない事、と言う倫理観を持ってますよね?
ところが勧誘相手を世間から隔離し、睡眠を奪い、食事を奪い、自由を奪い、時間を奪い、体力も精神力もギリギリのところに追い込んで、難しい事を考える余力がなくなったところでカルトの思想を吹き込む。
そういう状況に追い込まれると、人間というのはあっさりカルトの手中に陥落するらしいですね。
世界平和のためとか、人類の繁栄のためとかもっともらしい理屈を持ち出して、目的の達成を阻む者は殺しても構わない、というふうに逆転の思想を吹き込むんですね。
そうなると人はマインドコントロールの罠に一直線、というわけです。


ちょっと前置きが長くなりました・・・
今回の衆議院解散劇。
例えば小泉クンをヒットラーに、郵政民営化をユダヤ人殲滅に置き換えてみたらどうでしょう?
それでもあなたはヒットラーに対し賛同の拍手を送りますか?
ヒットラーの暴走を止める手段が無い事にあなたは恐怖心を抱かないのでしょうか?
力こそ正義、という小泉クンのやり方は本当に正しい手法なのでしょうか?
小泉総理には狂人にありがちな悪しき魅力が溢れていると、常々私は感じています。
その魅力に取り込まれ、視野狭窄の罠にハマっていることに気が付かない人がたくさんいるとも感じます。

あのですね。
目的が手段を正当化する、と言う行為は非常に恐ろしいものなんです。
今回はたまたま目的が郵政民営化で、常識の枠を外れるようなトンデモな代物じゃないから分かりにくいだけのこと。
目的が正しければ、そこへいたる手段はどんな手を使っても良いというのは、一歩間違えれば独裁やカルトに通じる危険な思考なのです。

しかしネットを一回りすると、この思考の罠に何の疑問も感じないまま、あっさりとハマっている人が実に多い。
郵政民営化に賛成で、この法案をどうしても成立させたいと言う思いが強すぎる余りですね。
そこにいたる手段に過ちがあることに気が付かない愚かさ。
実に情けない話ですね。

そもそも今度の郵政民営化は本当に正しい法案なのでしょうか?
誤解があっては困りますが、私は基本的に郵政民営化は賛成です。
しかし今回議論の対象になっている郵政民営化法案には種々の問題があると思っています。
それについては「変人の本領発揮!?」にうさぎさんが的確なコメントを寄せてくれていますので、そちらをご参照ください。
私も彼女の意見に同意ですね。

参議院で反対を投じた人の中には、民営化には賛成でもこの法案では賛成しかねるという人もいたはず。
なのに小泉クンは法案に賛成しない者は公認しないとか、否決されたら解散だとか、とにかく力でごり押しするばかり。
しかも郵政反対=利権議員と単純に切って捨てる小泉の欺瞞に全く気づかず、今度の解散劇を拍手喝采で喜ぶ小泉支持者の多い事多い事!

反対議員の中には、より良い法案作りの為にももう少し議論の時間を、と言う人もいたでしょう。
しかしこれ以上の議論は問題の先送りであると決め付け、反対議員は改革の足を引っ張るだけの不逞の輩、と決め付けるような意見もネット上では散見しました。
何と言う視野の狭さでしょう?
単純思考の罠に陥って反対論者の真意を読もうとしない愚かさを、そういう意見に私は感じるのですが?

小泉クンの手法はそもそも民主主義の基本を逸脱している事になぜに気づかない?
これ以上の議論は時間の無駄であると切り捨てる前に少し考えてみたらどうなのか?
そもそも小泉クンは郵政民営化の意義を分かりやすく国民に説明し、反対議員に言葉を尽くして説得した事はあるのか?
否、彼のやった事は総理の座という立場を利用して、力によるごり押しをしただけである。
むろん今回の反対者の中には、明らかに利権議員と呼ぶしかないような人がいるのも事実でしょう。
だが、ただ単純に反対した者全てを利権政治家と決め付ける、狭い思考はいかがなものかと私は思う。

小泉さんは確かに今までの政治家と比べて、国民の望む改革を推し進めようとしてくれました。
しかし小泉さんが手がけた改革はどれもこれも結局中途半端。
とてもとても国民が望むようなレベルの改革にまで届いたとはいえないのが現実。
まして一番の重要課題、拉致問題はすでに全く無関心の有様。
いくら彼がこれまでの政治家より少しばかりマシだとは言え、この程度の小泉クンを諸手を上げて賛美する気に私はなれない。

今回の解散劇を受けてお祭り騒ぎで喜んだ小泉支持者の方々。
皆さんはこの程度の政治で満足なんでしょうか?
私は全然満足なんか出来ません。
この程度の事で喜んでいたら、日本の政治はいつまで経っても体たらくなままです。

ましてや「目的が手段を正当化するの愚」に気が付かない、単純直線思考。
これが行過ぎれば自民党を壊すだけでは済まない様な気がします。
今度の強引な解散騒動の問題点を指摘する事も出来ず、ただただ小泉を賛美することに舞い上がってる視野の狭さ。
これで日本の未来は本当に大丈夫か?と心細くなるのが、今回の解散劇を受けての私の正直な印象です。


posted by ぴろん at 00:21| Comment(27) | TrackBack(0) | 国内問題&国際問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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