2005年09月15日

反対意見を守ると言う事

私はあなたの意見に反対だ。
しかしあなたにはそれを言う権利がある。
私はその権利を命をかけて守る。

色々調べてみたのですが、どうもこれが正しい原文のようですね。
私はこの考え方が民主主義の基本をなす大事な考え方だと認識しております。
そして人と議論を交わす際、一番留意しなければならない事項だとも思っております。
総選挙雑感でもご紹介しましたが、元統一協会信者だったスティーブ・ハッサン氏の主張とも重なる部分があるかと思います。
もう一度彼の言葉を引用します。

原則として私は、カルトといえども、学生組織として守るべき行動のルールを明白に侵さないかぎり、大学のキャンパスでそのカルトを禁じるのには反対である。これらのグループにも存在する権利はあると信じる。

※「マインドコントロールの恐怖(恒友出版)」より一部抜粋

反対意見や自分の主義主張と相容れない思想信条などを、命懸けで守るということは容易いことではありません。
偉そうに御託並べている私でさえ、最初ハッサン氏のこの言葉には素直に同調できなかった・・・(笑)
カルトのような怪しげな言論など力ずくで排除すれば良いのに、と思いましたから。
でも例えカルトのような危険な思想であってもですね。
ハッサン氏の言うように「守るべき行動のルールを明白に侵さないかぎり」その発言の機会は守られるべきだ、と今は私も考えています。

そもそも反対意見を排除する、その基準は誰が決めるのか?
そこに個人の主観や思い込み・偏見などが絶対に入り込まないと言う保障はどこにあるのか?
造反派と呼ばれた人たちは、いつ守るべき行動のルールを侵したのでしょうか?
今度の小泉さんの手法に何の疑問も持たなかった人は、小泉さんの判断基準に正義があると判断したのですよね?
そこに奢りや思い込み、偏見などはなかったと言えるんでしょうか?
私が小泉さんの手法を独裁者的ではないのか?と疑問を呈したのにはそういう理由がある。
その意味で、私は今回の造反派の発言の機会をその理由の如何も問わずに一方的に暴力的に奪った小泉さんの手法を良しとしたくはないのです。
造反派の追放に始まった今回の政局の行方が、今後より一層「小泉さんがルール」状態になる事の弊害を私は憂う。

いくら彼が赤カーテンの前で、どれほど郵政にかける意志の強さを示そうと、改革の為何かしてくれそうな気配を漂わせようと、反対意見の発言の機会を奪ったという一点で私は小泉さんを信用できない。
それが今回の選挙に臨むにあたっての私の基本事項。
それゆえに小泉さんのワンフレーズに引き寄せられていく世論の動向がどうにも危なっかしく思えてなりませんでした。
「おいおい、そもそも言論の自由を守るための大原則を小泉さんが侵している、という原点を見ずして、そんなに簡単によろめいちゃって良いの?」と言う危機感は私の中で相当に強かった。

小泉さんが独裁者なのか強力なリーダーなのか?
私にはまだ何とも判断のつけようがありません。
それは今後の政治に対する国民の関り方にも関係があると思うからです。
今後の改革のあり方や政局の進め方について、有権者は郵政同様の強権的手法を望むのか?
あるいはこれまでのような穏健な方法での進め方を望むのか?
大衆の側が何を望むかによっても小泉自民の動向は動かされるのでしょう。
小泉さんが仮に独裁者になろうと思っても、それを支持する大衆の存在がなければ独裁者にはなり得ようがないのですから。
国民はまだ小泉劇場の煽りに酔っているのか、それとも冷静さを取り戻しているのか?
そこのところはいま少し様子を見なければ何ともいえない。

今度の選挙結果、危険度の高い方から並べてみると
「民主政権奪取→自民圧勝→現状維持or自民微増」
のような順番になるのではないか?と私は認識しています。
ですから民主が政権を取らずにすんだことは良かったと思いますが、さりとて自民圧勝も決して素直に喜べる結果ではないと思うのですね。
新聞の世論調査では小泉自民が余りにも勝ちすぎたため、首相の今後の手法が強引になるのではないか?と不安を感じている人が6割いるとも報じられております。
そういう意見が出ることは健全だと思う。
まぁ欲を言えば、選挙前に一度立ち止まって小泉自民圧勝の弊害を思ってくれたら良かったのに(笑)・・・とは思いますがね。
けれども人間と言うもの、現実の問題に直面しないと中々実感としての危機感を感じ難いということもありますしね。
結果は出てしまったのだから、不安があろうと何であろうと甘んじてこれを受け止めねばならない。
この選挙結果が高い授業料になるかどうかは分からないけれど、ともかくこの経験から何かを学び、次の選挙に生かせればそれで良いのではと思う。
選挙後の政局の動向を見て、私たち国民がどんなリアクションをするか?
それこそ今度の選挙以上にハッキリと日本の民度の程が出るのではないか?と私は思うのですけれど。
どうでしょうか?

選挙は勝って何ぼの世界なのだから、ある程度のハッタリも芝居も必要なのでしょう。
ワンフレーズを上手く使えば確かに分かりやすいし、分かりやすければ国民に広くアピールできるし、アピールできれば国民の支持も取り付けやすい。
選挙の戦術としてそういう手法があることは私も理解します。
そういう意味では今回の小泉さんの策はお見事としか良いようがないですね。
ハッタリ・芝居の程度が良いか悪いかは別として・・・(笑)
けれど同時に安易なワンフレーズに引きずられていく事の怖さも、覚えておいた方が良いと思うのですよ。
分かりやすい事は良いことには違いないが、分かりやすい事が常に正しい事とは限らないのですから。

それと自民圧勝を懸念する人=民主勝利を望む人では決してないと思うのです。
民主の勝利を恐れる余りのことだとは思うのですが、自民が圧勝した事に喜び勇むあまり、自民圧勝の結果に懸念を持つ人に対してちょっと見下したような物言いをするBlogも散見します。
が、それはちょっと違うんじゃないのなぁと思っております。
自民圧勝と言う結果にも、民主勝利に負けず劣らずの毒薬成分が含まれていると思う。
その事を冷静に受け止める姿勢も大事だと思うのですが。

今後小泉さんは様々な諸問題を取り扱うに当たって、反対意見を大切に扱ってくれるのでしょうか?
そこのところがどうもイマイチ気がかりです。
彼は、残り1年の任期でどのような政治力を発揮するんでしょうかね?
今後の政局でも、相変わらず「反対意見を邪険に扱い力ずくで排除」の論理を使うようであればですね。
それがいくら改革の為とはいえ、申し訳ないが私はその行為を許容できない。
これが今後の小泉さんを見守っていくための私なりのキーワードだと思っております。


posted by ぴろん at 12:45| Comment(3) | TrackBack(2) | 国内問題&国際問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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