2005年10月03日

「北朝鮮を見つめるまなざし」に参加してきました

拉致問題に関るようになって漠然と考えていた事に、在日の人たちは拉致問題を含む北朝鮮の人権問題などをどのように受け止めているのだろうか?と言う疑問がありました。
活字媒体や、ネット、マスコミ報道などで彼らの考え、主義主張はそれなりに掴んではおりましたが、チャンスがあれば一度は在日の方の率直な生の声を聞きたいと思っていたところ、エントリータイトルにご紹介の「北朝鮮を見つめるまなざし」と言う集会のお誘いを頂き、昨日都内・神楽坂の会場まで足を運んで参りました。

この集会の主催者のお一人は呉崙柄(オ・ユンビョン)氏。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、2003年7月20日に「拉致被害者家族の声を受けとめる在日コリアンと日本人の集い」と言う集会を企画された方です。
(※本そういち著「めぐみ(後編)」第12回 在日の人々にとっての拉致問題 参照」

今回の集会の講師はRENKの高英起(コ・ヨンギ)氏。
1966年生まれ、小中高と日本の学校に通うも高校を途中中退、朝鮮高校に入学・卒業後、関西大学へ進学、在学中に朝鮮留学同盟に参加していたと言う経歴を持つ人です。
そしてその後RENKの設立に参加、現在はTVディレクター・映像ジャーナリストとして活躍していらっしゃいます。
「朝鮮総連・朝鮮学校と私」と言うタイトルに相応しく講演の内容は率直に言って非常に中身の濃い、充実した物でした。
この手の集会初心者の私には中身が濃すぎて、消化不良を起すんではないか?と思うくらいに。
休憩を挟んで4時間にも及んだ講演でしたが、あっという間に過ぎてしまったと言うのが正直な感想です。
色々感じた事をご紹介したいと思うのですが、多分一回のエントリーではまとめ切れ無いと思います。
今日からしばらくの間は、この集会に参加して感じた事をご紹介していきたいと思います。
宜しければお付き合いください。

まず集会の冒頭、呉氏からの挨拶があったのですが、この集会を企画するに当たって一番苦労するのは講師を確保する事なのだと言います。
総連に関係のある人、朝鮮学校の卒業生など多くの人に声をかけ、集会で話をして欲しいと頼んでも、拉致問題が明らかになり北朝鮮への雰囲気が悪い中、気持ちはあっても皆の前で話をするには勇気が無い。
拉致問題や北朝鮮の政治体制について、あるいは金日成・金正日親子について煮えくり返るような思いは持っている。
しかし言えないのだ、と。
7月20日に横田夫妻と有本明弘氏を招いて集会を開いた時、在日の中からよくやってくれたと言う声がたくさん寄せられたそうです。
在日の方のこの率直な気持ちも、日本人の側は心に留め置くべきだと思いました。

講師の高氏で特に印象に残ったのは、総連と言う組織は総連に直接関りのない人が総連批判をしてもそんなに気にはしないのだそうです。
ところが高氏の様に、一度でも朝鮮学校もしくは総連に関った事のある人間、つまり内部事情を知る人間が、RENKのような反総連の活動をしようとすると、かなりの圧力がかかると言います。
高氏は一応穏やかな口調でその事をお話になりましたが、実際の所は一般の日本人が思う村八分、という感覚をはるかに越えた物と考えた方が良さそうです。
例えば高氏はご自分が結婚する時に、総連から圧力がかかったんだそうですね。
それも総連議長の許宗萬(ホ・ジョンマン)からじきじきに、高某のような人間の結婚式に一切参加することを見送れと通達が出たのだそうです。
そこまでするんだそうです。
その通達を受けて出席予定者の間では尻込みをする人も出たりして、大変な騒ぎになってしまったとか。
まぁ実際は、さすがにそこまではどうかな?・・・と幸い在日同胞の中から逆に気を使ってくれる協力者もいて、結婚式は事無く済んだんだそうですけれども。

しかし、高氏は北朝鮮についての思いは譲れない。
これからも一切彼らとは相容れないし、いつかお酒でも飲める日があったら良いんだけども、自分達は一切あの集団からは離れようと、ご夫婦で再確認をしたそうです。
その後高氏は友達から連絡が無いとか、朝鮮学校の同窓生名簿から外されて同窓会のお呼びが来ないとか、本当に八分されたような状況にあるといいます。
そこまでの覚悟が無いと、そしてそこまでのリスクを背負わないと、在日社会の中で反総連・反北朝鮮の声を上げるのは難しい事を、日本人の側ももっともっと理解があっても良いのではと感じました。

拉致問題を考える時、一部の日本人の間からは在日コリアンからの目立った動きが無い事への強い苛立ちの声を聞くことがあります。
中には在日などまとめて半島へ送り返してしまえ、などと過激な論を言う人もいる。
でも、私はそれは違うと思うのです。
彼らの中にも拉致問題に直面して苛立ち腹立たしい気持ちはあること、しかしそれを表立って言葉にするにはまだまだ躊躇があり様々な圧力もあるのだと言う事を、こちらの側も理解する度量は必要だと思います。
そして、今回の講師・高英起氏のように勇気を持って発言し行動をする在日と手を取り合い、拉致を含めた北朝鮮の体制と人権問題について策を講じる事が出来れば良いなと、心から思います。

それから、この集会もいつものように一応録音は撮ったのですが、主催者の側でもテキスト化をしてネットで公表の予定があるのだそうです。
部外者の私が独断でテキスト化をするよりも、主催者発表のテキストを読んでいただいた方が間違いがないと思いますので、この集会の全文テキスト化はちょっと保留させていただきます。
悪しからず、ご了承ください。


posted by ぴろん at 19:47| Comment(1) | TrackBack(1) | 拉致問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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