2005年11月30日

泣いて馬謖を斬るべし

本業がようやく峠を越しました。
さて、たまりにたまった集会テキストにさっそく取り掛かろう!と意気込んでPC開いたら、あららのら。
西村眞悟事件はまだまだ沸騰しておりますね。
この一件に関してはすでに自分なりの見解を書き上げましたし、それで良しとするつもりだったのですが、ちょっと気になる傾向もみられますので、もう少し補足の意見を述べさせていただこうと思います。

「西村眞悟逮捕もやむなし」の一報を聞いたとき、真っ先に私の脳裏をかすめた心配事があります。
西村氏は拉致問題に関る人たちの間で絶大な人気があり、信用があり、また実績もあります。
それゆえにこの逮捕劇を受けて、西村びいきの情に流されて冷静な判断力を失う人が少なからず出るだろう、と言うことを実は大変危惧していたのです。
残念ながら、その予想はキッチリ当たったようですね。
日本人は良くも悪くも優しいのでしょう。
そして時に甘くもある。
しかしその身内への甘さゆえに問題の本質を見失うとトンデモな事態になること、無きにしも非ず。
情が深いのは結構なことなのです。
が、情に流されるあまり物事にけじめが付かなくなるのは、やはり自重するべきではないか?と私は思うのですけれども・・・

西村氏逮捕は陰謀だとか、色々言ってる人もいるようですね。
非弁活動なんて誰でもやってる事なのにどうして西村氏だけが逮捕なのか?とか。
金は政治活動に使ったのであって、自分の贅沢に使ったわけではない・・・そういう意見も散見しました。
ちょっと待ってください。
意見はそれぞれあっても良いとは思うけど、西村びいきが度を越して「是々非々の判断力」を失ってはお話になりません。

逮捕後の西村氏は容疑を素直に認めているとも言います。
であるならば、事の仔細が仮に陰謀であれなんであれ、まずは本人が容疑を認めているという事実を、私たちは正面から受けとめねばなりません。
陰謀であろうとも脇が甘かろうとも、そもそも容疑事実に関る失態さえ犯さなければ、今度の事件は騒ぎになりようが無かったのです。
その事実をまずは冷静に受け止めるべきだと私は思います。
周囲の者が余りにもじたばたじたばたと醜態を晒せば、世間の覚えもよろしくありません。
それでは隙あらば救出運動を潰したいと思ってる連中の思う壷になる恐れもあるかと思います。
罪は罪として西村氏には潔く償ってもらう・・・そしてその後は再び拉致問題に取り組んでもらう。
それで良いではありませんか。

西村氏が家族を始め多くの支援者の期待を裏切る結果となった今回の事件を、私は非常に非常に残念に思っています。
西村氏は国会議員として弁護士として、そして何よりも拉致問題の一支援者として、相応しくない行為をしました。
拉致議連の顔とも言うべき西村氏の今度の行為が、どれほど救出運動に悪しき色をつけたか?
真剣に救出運動に取り組む者であるならば、まずはその事を一番に思いを致さねば、支援者失格なのではありませんか?
逮捕を受けて、世論でもマスコミでも西村氏に厳しい論調が繰り広げられております。
ここで下手に西村氏をかばい立てすれば、救出運動そのものまで色眼鏡で見られる恐れもあるのです。

運動の屋台骨を守るためには、こちらの側も非情にならねばならないことも有ります。
我ら支援者がまずは一番に西村氏に対し、この問題の厳しく責任を問う姿勢を示さねば、いったい誰がけじめを付けるのか?
私たちの救出運動は、被害者を救い出すための運動。
西村氏を擁護する為の運動ではありません。
そこのところ、履き違えをしてもらっては困ります。
例え相手が拉致問題に功績のある西村氏であっても、救出運動の屋台骨を守るためには「泣いて馬謖を斬る」覚悟を持つ事も必要なのではないでしょうか?

一部には西村氏の今後を様々な形で応援したいという動きもあるようです。
その動きに私は反対するつもりはないし、それぞれのお考えでぜひ支援をされたら良いと思う。
しかしここでも忘れてもらっては困るのは、西村氏の応援と救出運動の支援はあくまでも別物である、と言うこと。
ここを一緒くたにしてごちゃごちゃにすると、今回の西村氏の失態を救出活動の側がまるで擁護しているかのように世間から誤解されかねない。
ここはやはりどんなに辛くとも、一線引いてけじめは付けるべき、と私は考えております。
支援者=西村びいきで支援者の枠をくくってしまえば、支援の輪は広がりようがありません。
今、西村氏に対して厳しい論調を張っている世論さえをも、支援の輪の中に取り込まねばならないと私は考えています。
そうでなければこの運動は、決して国民運動には成り得ないのだと言う現実も、どうかお忘れにならないで頂きたいのです。

西村氏は民主党を除籍処分になりました。
私はこれは妥当な処分であろうと受け止めています。
氏に対しては議員辞職勧告も出るようですが、これを受けるのかどうか?
そこはご本人の判断次第でしょうが、私はこの際キッパリと潔く身を処していただきたいと思っております。
下手に醜態を晒せば、復活の芽は遠くなるばかり。
世間の目も厳しくなるばかりですから。

それと民主党を除籍となれば、西村氏は無所属という事になります。
西村氏の知名度がいくら高いとは言え、小選挙区制の現在の選挙では、無所属での再選は限りなく難しくなるでしょう。
政治家としての西村氏の今後に期待する意見も拝読しましたが、現実問題それはどうなる事なのか?
西村氏が政治家として立ち続ける事もあるいは難しくなるのではないか?と私は受けとめています。
ですが、西村氏が政治家の立場であろうと一民間人になろうとですね。
今度の一件に潔く決着をつけた後は、一人の人間として、真摯に拉致問題に取り組んでくれる事を私は強く希望しています。
西村氏の存在が救出運動の表舞台から消える事は正直痛いです。
しかし西村氏一人消えたくらいで萎むような救出運動でも困るではありませんか。
こんな事件でいちいちヘタレている場合ではないと思いますので、尚一層、それぞれが出来る事を精一杯支援するより他にあるまいと思っております。

それと良い機会ですので、苦言ついでにもう一つ思うところを述べさせていただきたいと思います。
過去を振り返れば、救う会にも数々のスキャンダルがありました。
金銭問題も有りました。
西村氏の今回の失態は、決して対岸の火事ではないと思う。
この救出運動は多くの国民の支持と理解があって初めて成り立つ物なのです。
活動資金一つとっても、これすべて国民からの貴重なカンパ、なのですから。
私たちの思い上がった行動、あるいはうっかり発言が、万が一国民の反発を買うようになったらばこの救出運動は終わりなのです。
北朝鮮と言う悪と闘うはずの私たちの手が、万が一悪に汚れていたのでは、敵をねじ伏せる為の説得力がありません。
そこはこの際この教訓に学んでですね。
足元をすくわれないように、こちらもきちんと身ぎれい過ぎるくらい身ぎれいにしておくべきではないでしょうか?

西村氏は自ら墓穴を掘って、支援活動に支障をきたす有様となりました。
同じように救う会が墓穴を掘って、救出活動に支障をきたす事態に陥ってはならないのです。
支援者の私たちが、墓穴を掘って活動に支障をきたす事になってはならないのです。
公の場での言動から身の回りのあれこれ、特にお金の出入りに関しては慎重な上にも慎重であるべき、と心得ます。
posted by ぴろん at 04:24| Comment(8) | TrackBack(2) | 国内問題&国際問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月27日

西村眞悟議員についての見解を・・・

ここにおいでの皆様には、すでにご承知のことと思いますが、民主党の西村眞悟議員が元事務所職員による非弁活動で逮捕も止むなしの状況に追い込まれています。
西村議員は拉致問題に熱心に取り組んでくれた数少ない国会議員の一人。
拉致問題を支援する当Blogとしては彼の功績を大いに評価しておりましたし、彼の存在に大いに期待もしておりましたし、信頼もしておりました。
それゆえに先の総選挙後の「小泉は狙撃されても良い」発言の際には、拉致問題に熱心な議員の顔である氏の言葉としては問題があると感じて抗議のメールを送った事も有りました。

今回の件は余りにも事が大きすぎて、狙撃発言どころの騒ぎではない。
少し状況を見なければうかつな事はいえないと模様眺めをしておりました。
けれども、いよいよ西村氏本人の逮捕も止むなしの状況となり、当Blogとしても今回の件について、私なりの見解を出すタイミングであろうと判断し、このエントリーを書いております。

まず一言で言って、非常に残念であると思っています。
彼の脇の甘さは以前より各方面から指摘のあるところですが、今回の件はそれが完全に裏目に出た格好です。
北朝鮮と言うテロ国家と闘う以上、己の身辺は身ぎれいにしておくべきだったし、公の場での発言一つとっても足元すくわれない様に慎重に言葉を選んでおくべきだった・・・
まず己の足元を固めてこそ、しっかりと敵と闘えるのだから、そこはキッチリしておいて欲しかったのですが。

西村議員にかけられた嫌疑が真実であるなら、弁明の余地は有りません。
展開によっては離党、最悪の場合は議員辞職も覚悟せねばならないかもしれません。
拉致問題がいよいよ切羽詰っている時にこれは正直痛い。
こういうときだからこそ、西村議員には国会の場でますます力量を発揮していただきたい所なのに、逮捕も止むなしの状況では逆に救出運動の足を引っ張りかねない危惧もありますから。
今西村議員を失う事の損失は測りかねないものが有ると思います。
逮捕まで至れば救出運動に悪しき色がつく恐れも無きにしも非ずです。
その他もろもろの影響を考えれば、今度の件、申し訳ないの一言で済むような簡単な話ではありません。

世間の誰もまだ拉致問題に何の関心も示さなかった時代から、西村議員は熱心にこの問題解決のため努力されてきました。
今彼がこのような状況に追い込まれたとしても、その事実・功績はいささかも消し去る事は出来ません。
しかしそれはそれ、これはこれ。
拉致問題でいくら熱心な活動をしてくれたからといって、今度の一件をチャラにするわけには行きませんから。
ですので当Blogとしては、情によって西村議員を擁護する立場は取りません。
この一件に関しては是々非々である、というのが私の現在の考えです。

今度の問題については、西村議員は法に従い正々堂々と、粛々と対処される事を望みます。
西村議員の拉致問題に寄せる情熱は本物であると今も確信しております。
ですからまずは全ての問題に正々堂々と決着をつけていただきたい。
そしてその後は、再び拉致問題について大いに活躍して欲しいと願っております。


★参考過去エントリー
「西村眞悟氏よりメールを頂戴しました」
http://piron326.seesaa.net/article/7482194.html

★参考リンク
荒木和博BLOG 「西村眞悟議員について」
http://araki.way-nifty.com/araki/2005/11/post_c2cf.html
posted by ぴろん at 10:46| Comment(4) | TrackBack(5) | 国内問題&国際問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月26日

めぐみさん写真展で感じたこと

一番仕事のきつい所を何とか通り越しました。
ちょっと暇が出来たので、寝言を一つ二つ書きたいと思います。

先日のめぐみさん写真展。
横田夫妻のところには各地から写真展を開催したいとの申し込みも殺到しているとの事。
実現に当たっては裏方作業がいろいろ大変ではありましょうが、ぜひ全国展開を実現していただき、一人でも多くの方の目にめぐみさんの写真に触れて、拉致問題を考えるきっかけにして欲しいと思います。

それにしても6日間の会期中におよそ2万人の入場者と言うのは、ちょっとした驚きでした。
平均して一日3300人の集客ということは、ちょっとした規模の集会を連続して開いているのに等しい数字。
テレビでもこの写真展について何度も取り上げていましたし、世論へのアピール度と言うものを考えても、かなりの貢献度があったと言えるのではないでしょうか?

拉致問題関係の集会を追いかけておりますと、集まる面々と言うのはだいたい毎度お馴染みの常連さんである事が案外と多いのです。
集会と言うのはやはり時間も拘束しますし、いきなりの素人さんが参加するには敷居が高いのかなぁ?とか、それとも拉致問題その物に関する関心は薄れつつあるんだろうか?などと、気をもむ事の多いこの頃でした。
それだけに行列を作って、熱心に涙ながらに写真を見つめる多くの人々の姿に、私は深い感動と驚きを覚えたのです。

拉致問題への関心は決して薄れてはいない。
支援の輪の隅っこでごまめの歯軋りをしている者としては、その事実を目の当たりにし、大変嬉しく心強く思ったのです。
なんとかしてこれらの人たちに、支援の輪に加わってもらいたい。
世論の支え手になって頂きたい。
そのためにはどうすればよいのだろう・・・写真展に参加後の私はそんな事ばかりをつらつらと考えております。

交通費をかけて時間をかけて、わざわざ会場まで足を運ぶというのは、それだけの動機付けがあるということ。
その動機は人それぞれでしょう。
拉致問題への関心度一つとっても、「めぐみさんが可哀想」レベルの人から、「制裁発動!闘う覚悟を!」と腹を据えた人まで、濃淡はさまざまであろうと思います。
私はそれらの人全てが支援の仲間であると思いたい。

写真展で耳にした入場者の言葉をここでご紹介します。

「拉致問題は本来超党派でやるべき問題なんだよ、共産も社民も皆が取り組まなくてどうするんだ?」
「めぐみさんは優秀だから、選ばれて連れて行かれちゃったのね」

どちらの言葉も見事に拉致問題の核心をついていると私は思います。
これらの市井の人たちの心を上手く取り込んでこそ、救出運動は国民運動へと高まるのではないでしょうか?

しかし、最近の運動の有り様を見るとき、支援者の中には苛立ちのあまり、先鋭化・過激化の道を一直線に進んでいるとしか思えない人の存在を目にします。
制裁発動に賛同しない者は支援者にあらず、とばかりに支援者の選別をしたがる人。
小泉退陣を強く訴えることが、真の支援者であるかのように豪語する者。
どうなんでしょうね?
制裁発動も小泉退陣も意見の一つとして大いに尊重しますし、大いに主張されたら宜しいと思いますが、それを持って支援の輪に線引きをするのは愚かな行為に過ぎないか?と私は思うのですが。

写真展に足を運んだ人の中には、もちろん単なる興味本位、物見遊山気分で来た人がいたかもしれません。
でも私は思うのです。
例え冷やかし半分・面白半分であっても、そもそも拉致問題に関心がなければですね。
めぐみさんの写真展に足を運んで行列に並んでまで、所詮は素人の家族写真をわざわざ見てみようとは思わないだろう、と。
彼らのような存在を排除の論理で選別するより、何とかして支援の仲間に取り込む方向で努力する方が、懸命だと私は思う。

運動を盛り上げるには、熱い気持ちで突っ走るアクセル的存在が必要。
しかし運動があらぬ方向へ転ばぬようにするには冷静にブレーキを掛ける存在も必要。
そしてそれらの中心メンバーを周りで支える、多くの世論が必要なのだと思う。
けれど、私が見るところ、どうもこのアクセル役を受け持つ人の中には、ブレーキ役の存在を疎ましく思ったり、支え手であるはずの世論を軽んじたりする傾向が無きにしも非ず、のようにも感じるのです。
そんな事でこの救出運動は国民運動になるのでしょうか?
救出運動の中心に関る人ほど、このことを肝に銘じて、広く世論の声をすくい上げる努力をしていただきたいと思います。

多くの国民の支持が無ければ、国を動かす事はできません。
政治家を動かす事もできません。
国際世論も、マスコミも動きません。
国が動かねば拉致問題は動かず、被害者も取り返せないのです。
苛立ちのあまり、動かぬ国やゆるい世論に対してうっぷん晴らしばかりをするのは、愚の骨頂と心得るべきではないでしょうか?

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最後にお詫びを一つ
昨日25日から今日にかけて、TBを送っていただいたのですが、私の操作ミスでうっかり削除をしてしまったようなのです。
せっかくTBしていただいたのに申し訳ありません。
とりあえず送っていただいたTB記事を下記にリンクさせていただきます。
他にもあったような気もするのですが記憶にあるのは下記の2本のみ。
お手間でなければもう一度再TBをして頂けるとありがたい・・・(^^ゞ
そそっかしくて面目ないです・・・<(_ _)>

★酔夢ing voice
拉致事件の危険な動き
http://nishimura-voice.seesaa.net/article/9737806.html

★乳頭おじさんのニュース解説
各国の拉致被害状況(拝啓 偉大なる将軍様)
http://blog.livedoor.jp/newskaisetsu/archives/50221568.html
posted by ぴろん at 13:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 拉致問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月23日

「めぐみさん写真展」と「救出のために日韓米連帯を!東京集会」

今日は「めぐみさん写真展」と「救出のために日韓米連帯を!東京集会」のふたつを掛け持ちで回ってきました。
集会の模様はいつものようにテキストでご紹介の予定ですが、それぞれ感想などを一言。

まずめぐみさんの写真展ですが、最終日の祝日ということで会場に着く(11時半頃)とすでに長い列が出来ておりました。
20分ほど並んで入場しましたが狭い会場は熱気で汗が噴出すほど。
幼いめぐみさんの成長の過程を追った写真の数々。
何処の家にでもあるような平凡で穏やかな家族の風景が、13歳のめぐみさんを最後に途切れているのがなんとも切なく、胸が痛み、涙無しではやはり写真を正視する事はできませんでした。
家族会を立ち上げた当時の横田夫妻の写真も有ったのですが、その写真の中のご夫妻のお若いお姿に、これまた胸が痛みました。
北朝鮮による拉致が発覚し、平成9年に家族会を結成してからすでに8年もの月日が流れています。
横田夫妻の身の上に否が応でも老いが迫っている現実を痛感し、改めて家族には時間が無いと言うことを痛感させられました。

入場の待ち時間の間ボランティアの方にお聞きしたところ、来場者は今日はおそらく4〜5千人くらいは行くだろうとの事。
後に集会で横田滋さんから昨日までの開催期間中にトータル16000人、本日分も合わせるとおよそ2万人の入場者が有ったとのお話がありました。
会期中には議員の先生方もたくさんお見えになったし、著名な俳優さんなども来てくださったとの事でした。
また安倍晋三官房長官は昨日の昼頃にいらして、写真展を見学してくださったと言うお話も伺いました。
拉致問題に対する関心は決して薄れてはいないと思います。
この写真展に足を運んでくださった人々をいかにして支援の輪に取り込むか?
世論の支え手になっていただくか?
被害者を一刻も早く取り戻す為には、こちらも真剣に考えねばならないことであろうと思います。

集会の方ですが、こちらは韓国から朝鮮戦争による拉致被害者家族の関係者をお招きしてのお話、先のアメリカ・ワシントン行きの報告、タイ訪問の報告と盛りだくさんの内容でした。
あまりに内容充実しすぎでとても一言で語れないのですが、印象に残った西岡氏のお話を一つ。

金正日にとって拉致は緻密に計算された完全犯罪であったが、それを打ち崩したのは愛情である、と。
人間としての良心が有ったから金賢姫は大韓機爆破事件について自白したのだし、朝鮮戦争時の拉致被害者家族も50年経った今も家族の帰りを待ちわびている。
タイのアノーチャさんのお父さんは28年間娘の行方を気にかけ続けていたからこそ、ジェンキンスの著書が身元確認のきっかけにつながったのだし、日本の拉致被害者家族も行方不明の家族への思いを20数年以上にわたって抱き続けてきたから今があるのだ・・・と言う趣旨の発言をされました。

被害者救出運動の原点はこれでいいのだと、私は思います。
私自身を振り返ってもなぜ自分の時間を削ってまで支援をするのか?と問われれば、その原点はやはり拉致被害者に向ける人間としての普遍的な愛情なのだと思う。
被害者を救いたいという気持ちの前に、老若男女も国籍も民族もイデオロギーの左右も関係ない、と思う。
人が人を思うという普遍的な愛情の前には、それらの違いなどは余りにも些細な事ではないだろうか?と。
この原点さえ一致すれば、多少の小異があっても被害者救出の為に手を取り合って協力できるのではないか?と。

会場には家族会の人たちを始め、特定失踪者のご家族や安明進氏、ジャーナリストなど大勢の人が掛け付けていました。
今国際情勢は徐々に北朝鮮に対して厳しくなりつつあります。
このチャンスを逃さず、いかに被害者奪還に結びつけるか?
支援の輪を強固な物にするか?
真剣に考えねばならないと、再確認した集会でありました。

埼玉、立川、本日の東京集会と3本連続の集会参加は覚悟の上とは言え、やはり少々疲れましたね。
集会参加の時間を確保した為に本業の方は、しばらくの間、目一杯の状況が続きます。
これらの集会のテキスト化は、週明けの火曜か水曜日くらいに着手の予定。
テキストアップまで少しお時間を頂きますが、必ず集会の模様をお届けしたいと思いますので、お付き合いの程よろしくお願いいたします。

一足先に、写真をアップいたします。
右より西岡氏、李美一(リ・ミイル)朝鮮戦争拉北人士家族協議会理事長、 金聖浩(キム・ソンホ)前理事長・現レインボー財団理事長、ハ・ヨンナム朝鮮戦争拉北人士家族協議会・国際問題担当です。

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続いてアメリカ・ワシントンでの活動報告をする、右から横田拓也さん、増元照明さん、島田洋一副会長のお三方。

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訪タイの報告をする、増元氏と西岡氏。

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posted by ぴろん at 20:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 拉致問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月22日

三多摩集会(立川)での特定失踪者ご家族の声

時間が無いので取り急ぎ、特定失踪者ご家族のお訴えの声をアップいたします。
ぜひお聞きいただき、拉致問題の関心を深めていただきたいと思います。

※失踪者の情報は特定失踪者問題調査会のHPより引用
http://chosa-kai.jp/index.html

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★森本美砂さん(山本美保さん妹)

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★山本美保さん
失踪年月日 昭和59(1984)年6月4日
生年月日 昭和39(1964)年3月3日
当時年齢 20
当時身分 大学受験生
特徴 左目の下に3針縫った跡。左手にしもやけの軽いケロイド。靴のサイズ23.5センチ。
失踪現場 山梨県甲府市の自宅を出て以来消息不明

失踪状況
図書館に行くと言ってバイクで出かけたまま失踪。甲府駅前にバイクが置かれているのが発見された。4日後、新潟県柏崎市荒浜海岸にセカンドバックが落ちていたとの連絡。失踪半年後の11月6日からから無言電話が4年半ほど続く。無言電話はほとんど数秒で切れるものだったが、失踪から3年4ヶ月後と3年6カ月後の2回の電話は10〜15分ほど続き、相手はじっと聞いている様子だった。3年6カ月後の電話はすすり泣くような声が聞かれた。平成16年1月29日、山梨県警に告発状提出。


★大沢茂樹さん(大沢孝司さんの兄)

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★大沢孝司さん(佐渡の曽我さん母子失踪地のすぐ傍で失踪)
失踪年月日 昭和49(1974)年2月24日
生年月日 昭和21(1946)年6月21日
当時年齢 27歳
当時身分 新潟県佐渡農地事務所勤務
失踪現場 新潟県佐渡郡新穂村

失踪状況
自宅独身寮から約400m離れた飲食店で夕食を済ませ、知人宅に寄った後行方不明。当時事務所には50〜60人が勤務、うち15〜20人程度が本土から単身赴任で来ていた。失踪時期は観光がオフシーズンだったため、最も忙しい時期に拉致された曽我さんと違い警察もかなり大規模に捜査してくれた。事務所では失踪後まもなく「あれは北朝鮮にやられたのではないか」との話で持ちきりになったが、やがてぴたりと止んだという。元同僚の話では「失踪の2〜3日前、一緒の船で新潟から帰ってきた。船中では飲む話、食べる話などをしていて自殺や失踪のそぶりは全くなかった」とのこと。北朝鮮製と思われるマッチが漁の前あたりに落ちていたという。平成16年1月29日、新潟県警に告発状提出。
posted by ぴろん at 01:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 拉致問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月20日

特定失踪者ご家族の声

昨日の埼玉県民集会では特定失踪者のご家族から一言ご挨拶を頂く場面がありました。
特定失踪者家族の肉声に直接触れる機会は中々少ないのが現状です。
このエントリーでは参加ご家族のお訴えの声を音声ファイルでご紹介いたします。
ぜひお聞き届けいただければと思います。

※失踪者の情報は特定失踪者問題調査会のHPより引用
http://chosa-kai.jp/index.html

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★鈴木賢さんお兄さん

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★鈴木賢さん
失踪年月日 昭和47(1972)年5月28日
生年月日 昭和24(1949)年1月12日
当時年齢 23
当時身分 会社員
失踪現場 埼玉県三芳町の自宅を出て
失踪状況
会社のレクリエーションに行くため朝6時に家を出て以来行方不明。レクリエーションには行っていない。職場、大学時代の友人も心当たりなし。

★佐々木アイ子さん(佐々木悦子さん母)

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★佐々木悦子さん
失踪年月日 平成3(1991)年4月22日
生年月日 昭和38(1963)年12月6日
当時年齢 27
当時身分 埼玉銀行パート
失踪現場 埼玉県浦和市
失踪状況
「仕事へ行く」と言って埼玉県浦和市の家を出たまま失踪。当日は休みをとっていた。平成16年1月29日、埼玉県警に告発状提出。

★高野美幸さん(高野清文さん妹)

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★高野清文さん
失踪年月日 昭和51(1976)年7月30日
生年月日 昭和31(1956)年10月31日
当時年齢 19
当時身分 電気通信大学2年生
失踪現場 東京都神津島村の民宿から
失踪状況
大学寮の仲間と神津島へ行き行方不明に。前日に山へ行くと言っていたため、神津島村の天上山を捜索するが発見できず。同月12日に隣の新島でも若い女性が行方不明になっている。

★佐々木正和さん弟さん

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★佐々木正和さん
失踪年月日 昭和62(1987)年11月末
生年月日 昭和25(1950)年8月15日
失踪時年齢 37歳
当時身分 家庭教師、塾講師をしていた。(正確には不明)
失踪現場 埼玉県大宮市?
失踪状況
昭和62年11月末日、アパートの大家と話をした後、不明。1人暮らしのためはっきりした日時がわからない。大家から12月に連絡があった。部屋の中は荒らされていない。現金10万円が部屋にあり、預金もそのまま。免許証もおいたまま。家族とは数ヶ月に一度顔を見る程度だった。
posted by ぴろん at 13:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 拉致問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

埼玉集会へ行ってきました

埼玉は認定・非認定を含めて拉致被害者の多い所です。
そして全国の中でも知事や議会も特に熱心に活動してくださる地域として知られています。
登壇者の熱のこもったお話は、どなたも本当に真剣に拉致問題に取り組む熱意が感じられるものでした。
この熱意が政府官邸にあれば・・・
少しは拉致問題の解決の糸口がつかめるはずだと思うのです。
世論を盛り上げる為拉致を決して風化させない為、自分に出来る精一杯の支援をと改めて心に刻んだ集会でありました。

この集会も全文テキストにしてご紹介の予定ですが、一足先に音声ファイルをアップいたします。
ようやく音声ファイルが扱えるようになりましたので、早速本領を発揮して集会の模様をお届けいたします。
ご紹介しますのは、来賓として駆けつけてくださった上田埼玉県知事(全文)、真鍋貞樹特定失踪者問題調査会専務理事(一部)、横田拓也家族会事務局次長(一部)の3名。

真鍋氏の川口市・北区・足立区の3ヶ所を結んだ拉致のトライアングルのお話や、拓也さんの抗議メールも送り続けていれば組織の中の心ある人が必ず読んでくれる、と言う話などは胸に響きました。
どのファイルも3〜4分程度の短い物ですから、ぜひお聞き届けいただければと思います。

★上田清司埼玉県知事の挨拶

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★真鍋特定失踪者調査会専務理事のお話(一部)

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★横田拓也家族会事務局次長のお話(一部)

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ご紹介の写真は集会のラスト、参加者全員で「故郷」を合唱した時のご家族の様子です。
歌いながら時折涙を拭く方もいらして、いつもの事ながら、この歌を拉致集会の後で歌うのはとても切ない。
一日も早く、喜びの思いと共にこの歌が歌える日が来る事を祈りたいと思います。

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★今後の予定について

今月は21日の立川、23日の友愛会館での集会に参加を検討中。
更に来月は古川了子さんの行政訴訟と、22日の国民大集会を予定しております。
これら全てに参加してそれを全部テキストにするとなると、おそらく年内一杯、下手をすると年明けまでテキスト尽くしのBlogになる可能性大。
まだご紹介したいご家族の音声ファイルもありますし、拉致問題に関る私のたわ言を書く暇がなくなるのも寂しいので、これらは今後の集会テキストの合間合間に差し挟む予定です。

それと暮れに向けて本業の方も忙しくなってくる季節ですので、テキスト化もいつものように手早く順調に、と言うわけにはおそらく行かないと思われます。
アップが間遠になる事も有るかと思いますが、気長にお付き合いいただけたらと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
posted by ぴろん at 00:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 拉致問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月19日

娘・恵子を助ける部署が無い・・・有本嘉代子さんの声

05.2.10 「有本恵子さんを救うぞ!東京集会」より

有本嘉代子さんの声



テキスト全文はこちらから
http://piron326.seesaa.net/article/3504993.html

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とにかく主人と二人、必死の思いで手紙をよこしたんだろうから、どうしても助けてやらなければいけないと動いたんです。
9年間。
私は動いていません。
子育てで大変ですから、よう動きしませんから。
主人が外務省の方なり政治家の方なり、一所懸命できる方があったらそこへ行って、9年間は二人で動きました。
外務省に行った記憶の中で、私は本当にいつ行っても私は座って話した記憶がありません。
3遍ほど行きましたけど。
入り口までばっと出てこられるんです。
立ったまま「国交が無いですからね」って感じですね。

ですから一番最初土井さんのところに行きましたけど、土井さんのとこも「先生に言うときます」て秘書の方が言われて。
そのまま何の返事もありませんでした。
それが1983年のまだ暑い時分でしたからね。
手紙が来たのが9月6日でしたから。
まだ9月中に多分行ったと思います。
でも(土井さんから)便りが無かったから、仕方が無いと思って、主人も「政権を取ってるのは自民党だから、これは社会党行っても駄目や」と言うことで。
それではじめて安倍先生のところだけコンタクト取れたんです。
で、「とにかくどうなるか分からないけど、とにかく一遍来てください、手紙持ってきてください」って言うてくれたんですね、秘書の方が。

それで最初は私その手紙を持って安倍先生の議員会館の事務所へ行きました。
今もいらっしゃいますけど、飯塚さんて秘書の方が、「どこいったらいいかなぁ?」言うて、事務所の中たくさんいろんな方が来ていらっしゃって、皆で相談して、「警察行かなきゃ仕方が無いかな?」ということで警察署へ連れて行ってくれたんです。
そこではかなり、1時間くらい私が話することを、いろいろこういう経緯でいなくなったんですということを、1時間あまりかかって1人の人がきちっとしてくださいました。
「これはでもね、国内の事だったら何とかなるけど、外国のことだからね」っておっしゃったもんですから。
そしたら「外務省行かな仕方ないな」ということで、また外務省へ車で連れて行ってくれまして。
外務省は5分ほどでした。
そのときから外務省、おかしかったんですね。

表から出てこられて立ったまま、5分くらいで「国交が無いからね」て言われました。
その以降、また主人と同じ道をたどって、警察へ行ってまた外務省へ行って。
その外務省へ行ったときは、2度目に行ったときは、「これは難しい国ですので、これが表に出ますと娘さんに危害を蒙ることがあったらいかんので、この話は伏せておきましょう」って言われたんです。
そのときは主人も納得して「この時期だったら黙ってな仕方ないかな」って思って黙ってたんですよね。

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拉致被害者の救出を担当する部署は今も昔もありません。
無ければ作ればよい物を、9・17以降3年以上経つのに、まだ担当部署はありません。
関係各省庁の横の連携、被害者救出のための情報収集・分析、何一つ行われてはおりません。
政府から国交正常化を急ぐ声は聞こえても、拉致被害者の救出を急ぐという声は聞こえた事が無い。

これでは家族に焦るなと言う方が無理でしょう。
まず始めに、国家が国の責任として被害者を救い出すという決意をしなければ、一体どうやって全ての被害者を取り戻すというのか?
政府は拉致問題への基本姿勢をまずは明確にするべきである。
政府が今なすべき第一の事は国交正常化ではない。
何より優先すべきは被害者救出であるはず。

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北朝鮮人権担当大使を検討へ 安倍官房長官

安倍官房長官は、17日開かれた衆議院の拉致問題特別委員会で、国連人権委員会などの場で、拉致事件をはじめとする北朝鮮の人権問題を専門的に扱う大使などの担当者を新たに設けることも検討する考えを示しました。
アメリカ政府は、北朝鮮の人権問題を担当する大統領特使のポストを新たに設け、ことし8月、ホワイトハウスで内政担当の次席補佐官だったジェイ・レフコウィッツ氏が初めての特使に就任しました。これに関連して、安倍官房長官は17日の特別委員会で「政府は、北朝鮮の人権状況に大きな関心を払ってきた。今後も、国連人権委員会や各国との協議の場で北朝鮮による人権問題を提起していきたい」と述べました。そのうえで、安倍官房長官は今後の取り組みについて、「拉致事件の解決を含む北朝鮮の人権状況の改善に向けて効果的な方策を検討したい。アメリカで新たに任命された大統領特使の活動状況を参考にしながら検討したい」と述べ、北朝鮮の人権問題を専門的に扱う大使などの担当者を新たに設けることも検討する考えを示しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/2005/11/17/d20051117000146.html


遅きに失したとは言え、この動きが本当であるなら歓迎したい。
北への圧力と言うと経済制裁ばかりがクローズアップされるが、日本国内の体制を整える事も十分に圧力になると私は考えていますので。
その調子で特定失踪者の調査や日本版北朝鮮人権法などの関係法の整備にも着手していただきたい。
日本は全ての被害者を取り戻すのだという基本姿勢を毅然と示す事も圧力の一つ。
日本は本気なんだぞ!とまずはキッパリと骨の隋まで北に思い知らせなくて、どうして全うな交渉など出来ようか?
北から譲歩を勝ち取れようか?

拉致問題は国交正常化のついでの副産物として解決する物ではない。
始めに正常化ありきの交渉姿勢では、敵に足元見られるだけである。

逆に言えばですね。
全ての被害者を取り戻すと言う日本側の基本姿勢さえしっかりしていれば、国交正常化を餌に北を交渉のテーブルに引き出すという策にも、小泉総理自ら何度でも北へ行くべきと言う案にも私は同意できるのですよ。
そこの所がどうにも危ういので、私は拉致問題解決の為の指揮権を全面的に小泉さんにお任せします♪と言う気にはなれないのです。
posted by ぴろん at 00:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 拉致問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月18日

母の記憶では薫はまだ26歳のまま・・・斉藤文代さんの声

05.1.13 「松木薫さんを救うぞ!東京集会」より

斉藤文代さんの声(松木薫さん姉)



テキスト全文はこちらから
http://piron326.seesaa.net/article/3098369.html

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あの私のこと、名前すら分からないのに、母はいつも「薫、薫」という頭。
でまた、26歳の記憶で母は止まってるわけです。
私が病院から帰ろうとすれば「奥さん、奥さん」って私に言うから「なあに?」て言うと、「ご飯が炊いてありますので」と敬語を使うんですよね。

「ご飯が炊いてありますので、おかずを作って、薫と爺ちゃん食べさせてあげてくれませんか?」て言うから。
「ああいいですよ、作りますよ、じゃあ何がいいかね?」って私が言うと、
「薫はまだ若いからお肉がいいんじゃないですか?お肉料理をたくさん作ってあげてください」て言う。
「ああいいわよ、じゃあ爺ちゃんはどうしようか?」と言うと、
「爺ちゃんは年だから、簡単な軽いものでいいんじゃないですか?」って私に言うから、
「ああいわよ、じゃあたくさん作って食べさせるから」って言ったら、
「薫は若いからたくさん作ってあげてください」って言うんですよね。

だから本当にそれを聞くとですね。
つらくてつらくて、私は何とかして母に会わせてあげたい。
本当に何とかして会わせてあげたいと思うんですけど、私の力ではどうすることも出来ませんし。
かといって私たちが動かなければ、尚更薫は置いていかれるし。

だから私も何とかして頑張って、これから先も生きていかなければ、母に会わせてあげなければ、薫を、と思ってですね。
(病院に)行けば私がいつも「今日も元気で来て良かったね」って「私も元気だよ」って「だから一緒に頑張ろうね」って、いつも口癖になってるんです。
「頑張りますよ」って言うんですけど、やはり病気なんかして高熱を出したときなんか、「頑張ろうね」って私が言うと「もうそんなに頑張れませんよ」とかって言うんですよ。

そのときは本当につらくてですね。
なんでこんなに長いね、拉致の人生をね、過ごして来たんだろうかと。
この世に神も仏も無いのかなぁ、と思いつつですね。
でも、私がくじけたら、母に薫に会いたいと言う希望をかなえてあげなきゃいけない、という気持ちがあるもんですから。
「頑張るのよ」と。
「どんなことがあっても頑張るのよ」といつもいつも励ましております。

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松木薫さんのお母様はこの集会以降も何度も危篤状態に陥り、その都度奇跡的な回復をしているのだそうです。
一目で良いから息子の薫さんに会いたいという切なる気持ちに、まだ応えられない私たち。
弟の救出を訴えて全国を駆け巡る姉の文代さんとて、決してお若いと言える歳ではない。
時に体調の不調を訴えられる事もあると、漏れ聞いてもおります。
松木家にとってのごく普通の日常を取り戻せるのはいつの日なのか?
お母様に残された時間は余りにも少ない。
posted by ぴろん at 01:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 拉致問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月17日

「拉致された被害者や、我々家族の人生もいろいろで済ますんですか?」・・・寺越昭男さんの声

05・6・26座り込み後の星陵会館にて

寺越昭男さんの声(寺越昭二さん長男、寺越武志さん従兄弟)

「拉致された被害者や、我々家族の人生もいろいろで済ますんですか?」



テキストはこちらから
http://blog.goo.ne.jp/blue-jewel-7/e/2b174c7676a0237f6425107bae23e57d

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9.17の最初の訪朝の時、小泉さんの頭の中に拉致被害者を救出するという気概は果たして存在したのか?
「5人生存8人死亡2人未入国」の回答を受けて、生存者5人と面会した担当者は本人確認の為の資料を一切持ち合わせていなかったと言う。
この15人の被害者は大部分が政府認定の被害者であったにも関らず、である。
仮にも総理が訪朝するならば、彼らの失踪時の状況や本人の身体的特徴、家族構成や友人関係など、本人確認の為の資料を準備して持っていくのは、当然の事であったはず・・・
更に、面会した担当者はカメラもレコーダーも持たず、被害者の写真や肉声を持ち帰る事すらしなかった。
これで本当に被害者を救い出す気があったといえるのか?

5.22の再訪朝の時、小泉さんは「家族が死亡を信じていないから」と言って金正日に“再調査”を求めたと言う。
家族が死亡を信じていないから???
それが仮にも一国の総理が口にする言葉だろうか?
被害者の生死が確認をされないうちは生存を前提に話を進めるのがイロハのイではないのか?
なぜ?まるで他人事のような言葉が口を突いて出るのか?

国民の生命を守るのは、小泉さん、あなたが果たすべき一番重要な仕事のはず。
郵政選挙で見せたように、命をかけて、死んでも良いくらいの覚悟で、まずは全ての被害者を取り戻すという気概を持って欲しい。
そうでなければ、たとえどんな戦略が小泉さんの腹の内にあろうとも、いくら「拉致問題の解決なくして国交正常化無し」とお題目を唱えられても、それをそのまま素直に信じる気にはなれないのです。

寺越方式ではこの拉致問題が解決したとは到底言えない。
日本に帰りたいと言いたくても言えない武志さんの思いを、小泉総理もそれから私たち国民も含めて、重く受け止めるべきではないでしょうか?
posted by ぴろん at 01:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 拉致問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月16日

父親の責任・・・増元正一さん最期の言葉「結婚を許す」

04・12・9 「増元るみ子さんを救うぞ!東京集会」より

平野フミ子さんの声(増元るみ子さん姉)



テキスト全文はこちらから
http://piron326.seesaa.net/article/2974880.html

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10月の11日に延命措置受けましたから、その午前中に、私に言うんです。
血圧が低下して「延命措置するなら今しかないですよ」って、病院の先生に言われてましたので、私たちきょうだい、決断をする場面があったんですけども。
うちの父が最後に力を振り絞って、あのがらがらの喉の状態の中でですね。
「おれは、るみ子と市川君との結婚を許す」って言いました。

もう本当に私はね、今までクローズアップされてから、修一君とるみ子が付き合っていると言うのを、父親は知らなかったんですよ、それまでは。
で、いなくなってから、いなくなってから初めて、付き合ってると言うのを父は知ったんです。
というのも、厳格な父でしたので男女交際には凄く厳しかったんです。
もし結婚を前提にしてないふたりがね、二人は結婚を前提にしてると思ってたんですけど、まだそう煮詰まった話じゃなかったから、言ってなかった。
私と母は知ってましたけど。

テレビに婚約間近とか婚約したとかいう話が先にたって、いかにも婚約中ということで話が出てましたので、そのときでも「おれは許しとらん」て言ってました。
そして9月17日以降もですね、テレビの中で妹たちを紹介するのに、婚約間近とか解説がついてたんです。
その時でも、病室のベッドの上で「まだおれは許しとらん」って言うんですね。
父親というのはすごいなぁと思いました。
自分が知らないところでそういう話がいってると言うのが、とても許せなかったんでしょうね。

10月の11日、延命措置を受ける午前中にですね、父親は「結婚を許す」って言ってくれました。
もうその時は自分でも死期が分かってたから、これだけは言って旅立ちたいと思ったんでしょうね、
父親の責任として。
なんでそんな気になったのか?
(このあたりから会場内あちこちから、すすり泣く声。以後最後まですすり泣き止まらず)
声が小さいから、耳元に私こうして(顔を寄せるしぐさ)近づけて聞いたんですけども。
「修一君とるみ子、二人は愛し合ってる」って。
「なんで愛し合ってると分かるの?」って聞いたら、何か、悪者がですね、市川君を刀で切りつけて2〜3刃、刃を受けたそうです。
軽症になったそうですね。
それをるみ子がかばったんですって。

だから「二人は愛し合ってるんだ」って、言う。
傷を負ったんだけども、二人のかばい合うその姿にですね・・・父の夢なんでしょうけど・・・父は「二人を許す」それしかないんだと思ったんでしょうね。
ですから自分がこの世を去るけれども、妹にはそれを伝えて欲しい。
私も本当「とうちゃん良かったね。やっと許す気になったね」って。
「るみ子が帰ってきたらちゃんとそれ言うからね。市川さんにもそれ報告するからね」って言いました。
posted by ぴろん at 09:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 拉致問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月15日

横田めぐみさん、今だ帰宅できず・・・

今日はわずか13歳のめぐみさんが拉致された日。
横田家にとっては思い出したくもない運命の日。
呪わしい痛ましい悪夢の一日です。

あの日から28年、めぐみさんは両親の待つ暖かな家へいまだ帰宅する事が出来ていません。
中学卒業、高校入学、大学進学に就職、恋愛、結婚、出産。
この平和な日本でごく普通の人生を歩むはずだっためぐみさんの人生は、理不尽にも奪われたまま。
生死の確認さえ出来てはいません。

成人式の振袖選びに結婚式の喜びに孫の誕生・・・
娘を持つ親なら誰でも味わうであろうごく普通の感動を、横田夫妻は少しも味わう事も無く、ただただ娘を奪われた苦しみに今ももがき続けています。
めぐみさん、あなたを救い出せないままでいる自分が情けないです。
28年もの長い間のあなたの苦しみを思うと、慰めの言葉もありません。
ごめんなさい。
一日も早い救出を。

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電脳補完録様より
拉致から28年、父が撮った「めぐみ」

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横田めぐみさん写真展のご案内

「めぐみちゃんと家族のメッセージ 横田滋写真展」
日時:11月18日(金)〜23日(水)午前11時〜午後7時
場所:有楽町マリオン 朝日ホールスクエア・ギャラリー(11階)
内容:めぐみさんの写真、作文、手紙、横田夫妻の記録写真等

初日である18日は、写真展は午後6時まで。
最終日の23日は午後5時で終了です。
posted by ぴろん at 13:44| Comment(2) | TrackBack(2) | 拉致問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月14日

奮ってご投稿ください!

11日付け「拉致問題解決に対する立ち位置・主張を伝える為の 10 個の質問」への回答」でご紹介した善さんのエントリー
あちこちで関心を集め、取り組む人も徐々に増えております。
私自身も様々なご意見を拝読し、目からうろこの落ちる思いでおります。
「考えるきっかけ」を作り、思慮を深め、そしてより強い世論喚起へと繋がる」というこの企画は、狙い通りに進んでいるのではないでしょうか?
発案者の善様に改めて感謝申し上げたいと思います。

さてこの10個の質問、自前のBlogやHPを持つ人だけが取り組むのでは余りにももったいない。
そこで当Blogでは自前のサイトを持たない人にも広くこの質問に取り組んでいただきたいと考えまして、当Blogのコメント欄を開放することといたしました。
私個人としても、一人でも多くの方のご意見を広く拝読したいと思っております。

このエントリーのコメント欄でも、当該エントリーのコメント欄でもどちらでも構いません。
ぜひあなた様の回答をこちらにお寄せください。
一人一人の様々なご意見を公に発表する事で、意見交換の場とし、拉致問題について思慮を深める一助になればと考えております。
ご訪問の皆様の率直な回答をぜひお聞かせ頂きたいと思います。
お待ちしております。<(_ _)>

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10個の質問への回答者一覧

(15日 PM12:30現在追加分)

★著::善ポコのタコ部屋様 
http://www.zencha.com/weblog/20051110201703.html
★minow175の拉致事件と北朝鮮情勢のブログ様 
http://blog.livedoor.jp/minow175/archives/2005-11.html#20051114
★Silly Talk様 
http://silly-talk.cocolog-nifty.com/silly_talk/2005/11/_10__a46e.html
★お気に召すまま様(11月14日付け) 
http://www4.ocn.ne.jp/~cozy-opi/sub03.html
★JETの日記様 
http://jetnonikki.cocolog-nifty.com/jet/2005/11/_10__a46e.html
★SY1698の日記様 
http://d.hatena.ne.jp/SY1698/20051114
★きぐつのつぶやき(仮)様 
http://blog.livedoor.jp/kigz2640/archives/50099914.html
★庄治の思ったこと様 
http://blog.goo.ne.jp/syouji98765/e/46d2a17673ee3e4a7711ed8aff4c4565
★朝鮮民主主義研究センター様 
http://www.asiavoice.net/nkorea/archives/000180.html

(18日 AM0:10現在追加分)

★log様(当Blogコメント欄にて)
http://piron326.seesaa.net/article/9325368.html#comment
★ Yahoo!掲示板 
    fujikiseki04様 
    kazenifukarete1717様  
    nannkaokasiiyo123様  
    nikita_k20006様 
    bakkajanainokuso様 
    sekoka2005様  
    kaori_e4様   
★原良一様(11月12日投稿)
http://www.geocities.jp/afghan_iraq_nk/rati_10mon.htm
★社会主義者様(11月16日投稿)
http://www.geocities.jp/afghan_iraq_nk/rati_10mon.htm
★BlogになったDiary From Flower Park...様http://www.naoka.info/diary/archives/2005/11/001374.html
★* 園丁日記 *様
http://fruitsofloquat.seesaa.net/article/9456893.html
★Blue jewel様  
http://blog.goo.ne.jp/blue-jewel-7/e/cf182c3e82c8a2c21e5ca28b4a2068da

(19日 AM0:25現在追加分)

★原良一様(本回答)(当Blogコメント欄にて)
http://piron326.seesaa.net/article/9325368.html#comment

(20日 PM4:40現在追加分)

★Safety様 (11月20日投稿)
http://www.geocities.jp/afghan_iraq_nk/rati_10mon.htm
   
(20日 PM11:20現在追加分)

★黒く輝く月様
http://kurokitsuki.blog7.fc2.com/blog-entry-494.html
★余白から指先へ様
http://yohaku.seesaa.net/article/9523735.html
http://yohaku.seesaa.net/article/9558432.html

(22日 AM1:20現在追加分)

★流様(蒼き星々掲示板にて 11月21日投稿)
http://8201.teacup.com/bluestars777/bbs
   (blue jewel様に回答を転載)
http://blog.goo.ne.jp/blue-jewel-7/e/e3724cff063e052ef9856f4d063f7c3d

(22日 PM4:20現在追加分) 

★hashimoto様
http://blog.goo.ne.jp/blue-jewel-7/e/7734f1eea7113139d693aa808d13f52b
★アンデスの声様
http://blog.goo.ne.jp/blue-jewel-7/e/b4687d29a2831ed03ea9b42a84076398

(23日 PM8:45現在追加分)

★私のソウル日記様     http://blog.goo.ne.jp/sakochi2634/e/c0107c0da19a944342d6661c2e868db6

(12月7日現在追加分)

大介様
Mixkey様
mexico99様

(12月8日現在追加分)

多事×論様(12月6日付)

(12月10日現在追加分)

Dogma_and_prejudice 様

(06.7.20)
sokの日記様

※ただ今当エントリーのコメント欄はいたずら防止のため、承認制を取らせて頂いております。
投稿が反映されるまでお時間がかかりますことをご理解下さいますようお願いいたします。
posted by ぴろん at 15:09| Comment(11) | TrackBack(1) | 拉致問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月12日

るみ姉への思い・・・増元照明さん涙の訴え

05.4.24 第7回国民大集会より

☆増元照明さん(増元るみ子さん弟)



私も飯塚さんと同じで、まず姉に会ったら謝らなければならない。
30年近くも・・・(涙を流しながら語る)
取り戻していないと言うことが非常に残念です。
もう30年という年月を取り戻すことは出来ない。
でも姉が30年前私にくれた時計、今非常に私大事にしておりまして。
この時計の動きを止めることは出来ないし。
今でも動いていると言うことを彼女に教えてあげたい。
そしてこれからもずっとその時計は・・・持ち続けていくということ・・・(涙で言葉にならず、声を詰まらせる)
父が死んで、あんなに可愛がっていた姉ですから、必ず北朝鮮で姉の身を・・・(再び声が詰まる 「頑張って!増元さん!」の声)・・・守ってると思います。
以上です。
posted by ぴろん at 16:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 拉致問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月11日

「拉致問題解決に対する立ち位置・主張を伝える為の 10 個の質問」への回答

著::善ぽこのタコ部屋様において「拉致問題解決に対する立ち位置・主張を伝える為の 10 個の質問」という興味深いエントリーがアップされておりました。
拉致問題を支援する当Blogとしましては、これは回答しないわけには行きますまい。
しかし、拉致問題は深刻な話であるだけに、一通り回答するのにたっぷり2〜3時間はかかりました・・・(汗)
昨夜からああでもないこうでも無いとひねり出した私の答えは以下の通りです。
回答がやや脱線しているところもありますが(笑)・・・思いのたけを思いっきりぶつけてみました。
このエントリーに取り組んだ感想ですが・・・う〜ん、やはり私は少し強行路線的なところがあるのかなぁ・・・と。
支援活動に関る時には、冷静さを失わないよう努めて自戒せねばならないと改めて冷や汗をかいております。(笑)

拉致問題への認識を深める為にも、関心のある方はどうか質問に答えてみてください。
そしてこの質問を提起された善さんの趣旨どおり、この質問に取り組む事で“「考えるきっかけ」を作り、思慮を深め、そしてより強い世論喚起へと繋がる”ことを、当Blogとしても強く希望いたします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1. 拉致被害者家族会が北朝鮮への経済制裁を訴える事に違和感を感じる。

1とても違和感を感じる。
2違和感を感じない事も無いが、心情は理解出来る。
3この様な主張を行うのはある意味当たり前である。
4拉致を解決できず、(経済)制裁が出来ないのは、私たちの力が足りないからである。申し訳ないと思う。
5その他。
(#ご家族に対して、どれだけその心情を汲み取り、感情移入しているか?)

A 4&5
政府が体たらくなのはそれを支える国民が体たらくであると言う事。
拉致問題の解決が長引き、家族に無用の苦しみを与え続けている現状は、いつも大変心苦しく思っています。
その意味でまずは順当に4番を選択。

拉致問題を解決する為には、どこかで制裁を含む毅然とした態度を示す必要があると考えています。
でもそれを家族が主張しなければならない現状は異常事態であろうと思う。
制裁云々の話も含めて救出方法のあれこれは、本当は国が率先して語るべき話のはずだと思うから。
この質問に関しては、私は家族が制裁発動を訴える云々に感じる違和感よりも、この期に及んでも腰を上げない政府の能天気ぶりの方により強い違和感・不信感を感じていると言う事で、この質問の回答は5番も追加で選択しました。

政府が何もしないから、家族が世論の反発も覚悟で制裁の発動を訴えねばならない所まで切羽詰っていると認識しています。
そこの所は世論の側ももう少し理解してもらいたいとは思いますが、制裁発動をあれだけ強く訴えるとなると、やはり政治色が前面に出ている印象は否めず、拒否感を持つ人は少なからずいるのでしょうね。
制裁発動は問題解決のための手段に過ぎないのですが、事態の硬直が長引くに連れ、制裁の発動そのものが目的化していくような傾向には危惧の念を覚えます。
そこは家族の側・支援者の側にも自重を求めたいと思う。

家族が制裁発動を訴えて、それを広く世間一般の共通理解事項とするのは現実的にとても難しい。
政治的発言に対しては生理的に嫌悪感や反発心を持つ人は必ずいると言う事と、制裁の必要性を事細かに説明するには手間と時間がかかり、深い理解を求めるのが中々難しいのが現状だろうと思うので。
なるべく抵抗の少ない誰でも共感できるスローガンを掲げ、国民世論の一致を図る事の方が、世論を高めると言う点では現実的な作戦かもしれないなと最近考えています。

同時に政府の無能振りを理解してもらうのも、中々難しいのが現状ではないでしょうか?
何だかんだ言って小泉内閣の支持率は高く、先の総選挙を見ても小泉劇場の勢いに蹴倒され、拉致問題など軽〜〜くどこかにすっ飛んでしまった。
小泉さんの仕掛けた郵政選挙に踊って自民へ票を投じた浮動層は、普段は選挙に無関心な若者層が多かったと聞きますが、そういう人たちの頭の中には拉致問題の認識は、ほとんど皆無に近かったのではないでしょうか?
彼らに拉致の実態を伝え、制裁の必要性を伝え、政府の無能振りを伝えて理解してもらうには、いったいどうすれば良いのか?
正直頭が痛いです。


2. 例え拉致問題が解決しなくとも、今後、同じ出来事が自分の身に降り掛かるとは思えない。

1現実的に考えて、自分の身に降り掛かるとはとても思えない。今日において北朝鮮による拉致が明るみになった以上、迂闊に工作活動を行う事は出来ないと考える。
2何とも言えない。
3自分の身に降り掛かる可能性は十分にある。拉致に関わった北朝鮮工作員が、処罰される事無く現在も日本社会において根を下ろしている現状を考えるべき。
4その他。
(#拉致問題を、どれだけ身近なものとして捉えているか?)

A 3
今日本国内にいると言われる工作員は確か300人ほどでしたかね。
拉致に協力した土台人の存在も含めて、北朝鮮の工作体制は今も現存中。
拉致は決して行き当たりばったりで適当に人を連れて行くわけではない。
その人の家族構成や学歴、特殊技術、思想、性格などかなりの裏調査をしておき、GOサインが出たところで拉致を実行すると言うのがお決まりのパターン。
一つの学校から複数の人間が拉致されているケースもあり、その場合は被害者の選別に当たって日教組の関係者が一枚噛んでいるのではないか?と言う話も有ります。

私たちの身近で普通の顔をして普通の暮らしをしている人が、実は土台人であったり拉致の協力者であったりする可能性は否定できない。
ですから、現実に我が身に被害が及ぶ可能性は確率的には低いかもしれないが、決してゼロになったわけでもないと心得て置くべきか、と。
北朝鮮の金正日独裁体制が存続する限り拉致はなくならないし、当然現在も拉致は人知れず続行中かもしれないと考えておくべきだろうと思っています。

それとちょっと質問とは話がずれるかもしれないけれど、北の体制崩壊とそれに伴う総連の崩壊の過程で、日本国内でも予想もしない混乱が起きる事も合わせて考えておくべきとも思う。
先日参加した「北朝鮮を見つめるまなざし」と言う集会でも、講師の高英起さんから、総連内部も今組織の先鋭化が進んでいて危険な状況になりつつあるとの指摘がありましたしね。
ひとつの組織が終末期を迎えるとき、どのような断末魔の悲鳴を上げるのか?
都合の悪い事を闇から闇へ葬り去る為に、どのような行為に及んでくるか、見当も付かない側面はあるかと思う。
そちらの意味でも、災難が我が身に降りかかるはずは無い、と安易に考えるのはやめておいた方がベターではないか?と。

いずれにせよ拉致に限らず、ありとあらゆる工作活動は向こうがその気になればなんでも可能である、と言う認識は持っておいた方が良いのでは?
くさい臭いは元から絶たない限り、問題の根本はなくならない。
拉致問題に首を突っ込めば突っ込むほど、この問題の解決に当たってソフトランディングは有り得ないのではないか?と思うようになってきた・・・と言うのが最近の私の率直な感想。


3. 小泉政権による対拉致問題への取り組みは、生ぬるいと考える。

1生ぬるいと考える。拉致被害者に残された時間はそう長くは無い事を踏まえるべき。
2何とも言えない。
3生ぬるいとは考えられない。多少時間が掛かっても、着々と地に足の付いた取り組みを行うべき。
4その他。
(#拉致問題に取り組むにあたり、急進的な思考に立脚した論考を積極的に行うスタンスにあるかどうか。)

A 1
9.17から丸3年、事実上政府は何もしていないに等しいと言うのが、私の基本認識。
制裁発動は様々な思惑などにより、今すぐの実行が仮に難しいとしても他に出来ることはたくさんある(あった)はず。
なぜ?拉致問題担当大臣を設置しないのか?
なぜ?特定失踪者の調査を国の責任でしないのか?
なぜ?スパイ防止法や北朝鮮人権法などの法的整備に着手しないのか?

短波放送「しおかぜ」のような活動は本来国が率先してやるべきだろうと思います。
あの放送では冒頭「民間組織の特定失踪者問題調査会」が「必ず助け出します」と呼びかけているのですよね。
その調査会のところが日本国に置き替われば、どんなにか北に対しての圧力になる事か。
息を潜める被害者にとってもどれほど心強い事か。

確かに5人の被害者とその家族を取り返した事は成果ではあるが、それ以外の未帰還者家族にとっては政府の有り様は全く思考停止しているに等しいのが現状。
未帰還者家族の嘆きや怒りの声に触れるたび、そして高齢の家族の身の上を思うたびに、政府はいったいいつまで暢気に構えているつもりなのか?と思う。


4. 小泉政権による対拉致問題への取り組みが、拉致問題の解決へ大きく寄与していると考える。

1寄与していると考える。
2何とも言えない。
3寄与しているとは考えられない。
4その他。
(#政府の取り組みに対して、どれだけ信頼を置いているか?)

A 4
寄与していた・・・と過去形で回答します。
3番の質問の回答にも書きましたが、5人の被害者とその家族の救出は成果であることは確かですし、歴代政権が先送りにしてきた問題に手をつけたことは最大限評価します。
しかしその後の小泉さんは拉致問題に関しては止まったまま、と言うのが現状ではないのか?と。
国内で出来る事も何もせず、ただ何とかの一つ覚えのように「対話と圧力」とお題目を唱えるのみ。
打つべき手も打たず、ただいたずらに時を過ごしているだけの現小泉政権ではこれ以上の問題の進展は望めない。

5.22の再訪朝の折、小泉さんは交渉のテーブルに着くなり平壌宣言を遵守する限り制裁発動はしないと発言して、制裁発動のカードを放棄、こちらの手の内を晒してしまったと聞き、この人が総理の座にある限り問題の解決は無理だなと思いました。
(参照:櫻井よしこWebサイトより 2004年6月5日 「外交目的は国交正常化でなく国民の奪還であるはず 家族会への非難は本末転倒」
当時、問題解決のためならば総理は何度でも平壌へ行くべきだと言う声がありましたが、私は同意できない。
安倍さんのような頼りになる人材が同行するならともかく、小泉さん単独で平壌へ行くのは自ら墓穴を掘りに行くに等しく、問題の解決を遠のかせるだけのような気がします。
今はとにかく問題解決のために有効な手が打てないのならば、せめて余計な事をしないでくれと祈る気持ちである、と言うのが正直な所でしょうか。


5. 国際社会における米国との連携が、拉致問題の解決へ大きく寄与していると考える。

1米国と連携した北朝鮮への締め付けが、今後の拉致問題の進展に大きく寄与していく。
2逆効果、中韓と連携して融和政策を取るべき。
3法整備も含め、日本単独で解決する道を探るべき。
4その他。
(#他国との連携のあり方をどう考えるか?)

A 1&3
理想を言えば米中韓露の4カ国と協調できるのが望ましいが、実際問題アメリカ以外頼りにならないというのが現実かなと。
それと日本人拉致問題の解決は基本的には日本国の責任で行うのが筋だと思うのです。
それを踏まえたうえで、関係国との協力体制を取り、EUや国連を巻き込んで国際世論を高める方向も志向するべきと思う。
仲間は一人でも一国でも多い方が良いに越した事はないと思うので。
融和策では北朝鮮の増長を許すだけで、問題の根本解決にはつながらぬと思う。
最終的には北朝鮮の独裁体制を潰す必要があると思うので、融和策は為にならぬというのが今の認識。


6. 北朝鮮問題は日本の安全保障としての核の問題が第一優先事項。ここで対応を間違うと数千万人の単位で被害が出るから。数十人、最大でも数百人の拉致被害は優先順位では二番目だ。

1冷酷だがその通り。もちろん拉致被害者には同情するし解決して欲しいと思うけど…。
2何とも言えない。
3反対。核の脅しに屈して妥協することは北朝鮮の狙いにはまることでしかない。国家の尊厳を失うことは国家としての自殺なのだ。
4その他。
(#現実主義的思考の度合いは?)

A 3
核にせよ拉致にせよ、北朝鮮の国家体制をこのまま延命させていたのでは、いつまで経っても日本の安全保障は担保されない。
その意味で毅然とした態度で問題の根本を解決する気概は持つべきと思う。
万が一の北の暴発を考えないわけにはいかないけれど、さりとて北の独裁体制を温存させて良いことはひとつもないと思う。
要は、今すぐ私たちの頭上に火の粉が飛んでくるか、それとも私たちの子々孫々の時代に火の粉が飛んでくるか、の違いだと思う。
いつかは覚悟を決めければならないのならば、なるべく早い時期に問題解決を図る道を探るべきだとは思うのだが・・・

北朝鮮が核を放棄しないのならば、いっその事日本も核武装をするぞ、とカマをかけるくらいの強かさがあれば良いのに、とも思いますが。
そうなれば北朝鮮よりもむしろ中国の方が慌てるでしょうね。
中国が何より一番恐れるのは日本が核武装をすることとも聞いておりますので。
むろん私は日本の核武装を積極的に望む物では有りませんが、中国に圧力をかけてこちらの言う事を聞かせるには、これくらいのことを言わねば効き目が無いのではないか?と言う思いは率直に言って、ある。
ただ日本核武装論を言いだすと今度は国内世論(特に左寄りの方々)が沸騰するでしょうから、おそらく現実的な選択肢ではないのでしょうけれど。

話しは少しそれますが。
核武装の件にしても憲法9条死守の問題にしても、そういう左寄りの考え方も意見の一つとして尊重は致します。
けれど現実問題目の前で苦しんでいる被害者がいるのに、イデオロギー死守の気持ちが強すぎるのか、立ち止まっているばかり、あるいは右派を批判するばかりで、結局何もしない左派の存在には辟易しております。
救出運動の右傾化が良く問題になります。
確かに右派の有り様にも問題があるのは認めますが。
左の人間が何もしないでいると言う側面が右傾化をより助長しているのも現実ではないか?とも思う。
そこは左派の人も立ち止まっているだけではなく、汗をかいて被害者救出の為に出来る事をして欲しいと願います。

それとですね。
土井たか子始め、過去に北朝鮮を散々賛美した人たちは、拉致問題発覚後揃いも揃って口をつぐみ死んだ振りをしている有様。
土井さんなど議員を引退して悠々自適としゃれ込んでいる場合では無かろうに。
彼女こそ今すぐにでも北朝鮮へ乗り込んで、例え我が身を捨てる覚悟をしてでも金正日と談判し、被害者奪還の為に働いたらどうなのか?とも思っています。


7. 拉致被害認定者である残り 11 人の帰還を以って、「拉致問題の解決」と考える。

1拉致認定被害者が帰ってさえくるのであれば、「解決」と考えても良い。
2拉致被害者の数は 11 人とは限らないかもしれないが、結果として妥当であると考えても良い。
3拉致の可能性が濃厚な特定失踪者を含めた残り 100 人以上に上る人々はどうなるのか。とても「解決」と考える事rは出来ない。
4その他。
(#何を以って「拉致問題の解決」とするのか?)

A 3
今更説明の必要も無い。
同胞の苦しみを目先の損得勘定で見捨てるような情けない国では、結局将来の拉致被害も防げない。
いつまで経っても拉致と言う名の不幸の連鎖は続くのであり、11人だけの帰還ではそれは間違っても解決とは呼べず、問題の先送りにしか過ぎぬと心得るべきかと思う。
全ての被害者を取り戻す事が問題の解決点。


8. 日本人拉致被害者のみならず、その他外国人の拉致被害者、また、北朝鮮国内における人権問題の解決も併せて目指していくべきだ。

1当然である。自分達だけ助かれば良いという考えは、道徳的にも国際的にも、到底受け入れられる事ではない。
2もちろん、これらの問題が解決するに越した事は無いし、日本政府も取り組んでいくべきだとは思うが、優先順位は考慮されて然るべき。
3まずは自国の拉致被害者を救出する事が先決である。あれこれ手を広げた結果、拉致被害者救出に支障をきたしてしまっては本末転倒である。
4その他。
(#自国以外における北朝鮮問題をどの様に捉えているか?)

A 1&2
基本的には1番を選択。
国際世論を味方に付ける意味でも、広く北朝鮮の人権問題をテーマに共闘の道を探るべきだろうと思う。
しかしながら北朝鮮の抱える人権問題には、日本人拉致・韓国人拉致・日本人妻問題・北朝鮮の人民に対する迫害などなどたくさんの案件があるわけです。
問題解決がどれもこれも一辺に片付けば文句は無いのですが、現実問題として解決する案件に順序がでるのは致し方ないのかな?と、言う意味で2番も選択。


9. 北朝鮮の体制が崩壊しない限り、この問題は解決しないのでは?

1そう思う。アメリカに対する強力な外交カードを握って武力制裁に踏み切らせるしかない。
2そう思う。でも中国と韓国がそれを許さないだろう。どうしたらいいのか分からない。残念だけど長引きそう。
3ある意味そう思う。しかし拉致問題はある程度のところでいったん手を打って国交正常化を先に行うべきである。北朝鮮に市場経済が導入され、不可逆的に日本への依存度が高まれば自ずと政治的自由を求める声が高くなり先軍独裁体制は実質的に変化する。そのとき、拉致の解明は一気に進むであろう。
4そうは思わない。このまま対話と圧力だ。圧力として経済制裁が必要。
5その他。
(#北朝鮮体制の現状に対する認識、体制崩壊への方法論。)

A 2&4
アメリカによる武力制裁は、イラクの現状やブッシュ大統領の支持率などアメリカの国情を考えても現実的ではないような気がします。
無論武力行使をするぞ!するぞ!と威嚇をするのは有りでしょうが、実際の行使となるとどうなのだろう?と言うのが今のところの率直な思い。
現在の6者協議は、問題解決のソフトランディングを図りたいという中国とアメリカの妥協の産物と思っています。
話し合いで決着が付けばラッキー、でもそれが無理ならどこかで腹をくくって強硬路線の選択、と言う目もあるいは無きにしも非ず、かも知れませんが。
ここの所はアメリカの腹次第、なのでしょうか?
しかし日本の意思は何処へ行ったか、交渉の過程で余り見えてこないのですよね?
日本の要求が棚上げのまま、交渉が米中の間で妥協されてしまったら何とするのだろう?と言う不安は常に付きまとう。
そこのところが、小泉さんへの不信を増長させる原因なのだと思うのですが。

中国は自国の体制維持の為にも北朝鮮の民主化は望まないでしょう。
しかし、中国国内の党へ対する不満は先の反日暴動を見てもかなりの所まで高まっているのも事実。
私はいっそのこと中国に圧力をかけて、中国共産党の解体を目指した方が北朝鮮の体制崩壊への道筋も手っ取り早く付くのではないか?と妄想を抱いたりもするんですが。
実際問題、今の日本政府に中国に圧力をかける度胸が有るとは思えないので、中々突破口を開くのは難しいかもしれません。

でもまぁ、最終的には日本の意思を示す為にも制裁発動はどこかで必要だと思っています。
制裁発動をするかしないかに関らず、拉致被害者全員の帰国が実現しないうちは1円たりとも援助はしないと強気の態度を示し続けるのも大事かと思う。
アメリカも中韓露の3カ国も、北朝鮮社会の建て直し資金は日本の懐を当てにしているのが現実なのです。
日本がガンとして金は出さないと言い張れば、北朝鮮も含めて他の5カ国も何がしかの妥協を考えねばならないと考えます。
ゆえに日本は決して弱気になるな、毅然として日本の基本姿勢を徹頭徹尾押し通し、北だけでなく他の4カ国にも圧力をかけるべし、と思っています。
この日本の基本姿勢が曖昧でハッキリしないから、いたずらに北の時間稼ぎを許してしまっていると言う側面は否めないと思う。
「一人残らず被害者を帰せ、さもなくば一円たりとも金は出さないぞ!」ともっとハッキリクッキリ言ったらどうなのか?


10. この運動をきっかけに日本の愛国心の高揚を図り、他の様々な問題に対しても応援に向かい団結していくべきである。

1その通り。拉致問題と他の国益に関する問題は直接は関係ないが間接的には関係している。問題は愛国心だ。
2何とも言えない。
3反対。政治的なイデオロギーを持ち込むと運動の方向性が拡散するし、敬遠する人も出てくる。むしろリベラルな人でもこの問題には賛同するし怒りを覚えるという立場が大事。
4その他。
(#「運動」のあり方に対する考え方、日本国においての拉致問題の位置付けをどの様に考えるか?)

A 3
人の命がかかったこの問題をイデオロギー運動に利用するべきではない。
それは囚われの被害者とその家族に対してとても失礼な行為。
それと、この被害者救出運動は広く国民運動にするべきだと考えるので、まず始めにイデオロギーありきの運動姿勢には基本的に反対です。
ただし、救出運動を進める過程での副産物として、いわゆる愛国心に目覚めたり自分の国の有り様等に目が行くのであればそれは自然の流れとして歓迎したい。
posted by ぴろん at 19:33| Comment(1) | TrackBack(2) | 拉致問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月10日

全ての被害者を救い出す事・・・それが拉致問題解決の原点 

「すべての被害者帰国して初めて解決」安倍官房長官

 安倍官房長官は9日、朝日新聞などのインタビューで、日朝国交正常化には拉致問題の解決が必要だとし、「もしかしたら私の子供が、家族が拉致されたんではないか、と思っておられるご家族の方々も多い。こういう方々も含め、すべての拉致被害者を全員日本に帰していただいて初めて解決をされたと言える」と語った。政府が認定した拉致被害者11件16人に加え、拉致の可能性がある多数の「特定失踪(しっそう)者」を含む全面解決が国交正常化の前提になるとの考えを強調したものだ。

 一方、北朝鮮に対する経済制裁の可能性については「目的はあくまでもすべての日本人の拉致被害者の救出にあり、結果を出すために今ベストの努力をしている」と述べた

(中略)

――日朝国交正常化の前提として、拉致問題をどこまで解決する必要がありますか。また、経済制裁をどう考えますか。

 政府が認定している拉致被害者は、まだ安否が定かではない。さらに特定失踪(しっそう)者と言われる方々も含め、拉致被害者を全員日本に帰していただいて初めて解決されたと言える。経済制裁は目的ではない。目的はすべての日本人の拉致被害者の救出にあり、結果を出さなければいけない。結果を出すために今ベストの努力をしている。

http://www.asahi.com/politics/update/1109/016.html


すでにあちこちのBlog・掲示板で取り上げられている安倍氏の発言です。
私は基本的に支持したいですし応援したいですし、その言葉通り被害者救出を実現して欲しいと願っております。

ただですね。
安倍さんが官房長官に就任してから「制裁発動」の言葉をハッキリ口にしなくなったことで、疑心暗鬼になっているお人も少なからずいらっしゃるようで。
どうなんでしょう?
安倍さんの官房長官受諾を裏切り者呼ばわりし、その罵声が少し止んだかと思えば、今度は小泉に対し辞表を叩きつけろと息巻く向きもあるようですが・・・?

引用のインタビューにもあるように、制裁はあくまでも手段であって目的ではないと思う。
でも最近、この判断を冷静に出来なくなってる人がどうも増えてはいませんかねぇ???
振り返れば今年6月の座り込みの時もそうでした。
座り込みの賛否の如何が、家族会・救う会への忠誠度の物指しのように思い込んでる人もいましたが、それと同じような状況が今再び湧き起こっているようにも思います。
曰く、制裁発動に賛成するか否か?
曰く、小泉退陣に賛同するか否か?

家族会・救う会の意向は言わずもがなですが、それに諸手をあげての賛同をしない者は支援者にあらず、と思い込んでいる視野狭窄な御仁がまたぞろ出没しているようで。
どうしてこう何でもかんでも物事を、白か黒か?0か100か?の振り分け・色分けをしないと気が済まない人がいるのだろうか?
制裁発動・小泉退陣に熱く賛同する者だけが真の支援者なのでしょうか?
私にはどうしてもそうは思えないのですけれどね。

無論私個人もどこかの段階で制裁をかける必要性はあると思っています。
けれど、それはいつ?どのタイミングで?どんなレベルの制裁を発動するのが効果的なのか?
戦略性を持って発動するべきと思っています。
その意味で、今の政府内にはそれだけの戦略をしっかり考えている担当者もなければ、戦略を練るために必要な情報を集める部署も残念ながらありません。
拉致担当大臣すら内閣に設置せず、特定失踪者の調査さえ政府主導では行われていない。
制裁発動の備えての下準備、例えばスパイ防止法の制定や日本版北朝鮮人権法の成立もどこかへ消し飛んだままなのです。

拉致問題が硬直し、6者協議も茶番劇の域を出ていない今、家族も支援者にも苛立ちが募りに募っています。
それは分かりますが、だからといって制裁発動を単なるうっぷん晴らしの場にしてはいけないと思う。
何の策もなく担当部署もなく、闇雲に怒りに任せての制裁発動にどれほどの効果が望めるのか?
拉致問題の山が動く局面がすぐそこに来ているからこそ、冷静に状況を見極めたい物だと思う。
安倍さんの言うように目的と手段を混同してはいけないと思う。

肝心なのは被害者を救う事。
表面的に威勢の良い言葉を連ねれば被害者が救えるというものでもない。
今こそしっかりとした戦略を立てるべき時だと思う。
日本は本気で一人残らず被害者を取り返すんだぞ、と言う姿勢をハッキリ示すのも立派な圧力の一つ。
さっさと拉致問題の担当部署を作り、特定失踪者の調査を政府主導で開始すべきです。

それらを実現してもらうためにも、安倍さんには内閣でしっかりと影響力を行使して欲しいと思う。
安倍・小泉を仲違いさせて辞表叩きつける事が、どうして被害者救出につながるのか・・・私には分かりません。
仮に辞表を叩きつけたとして、それで小泉さんが翻意して拉致問題に熱心に取り組むようになるのでしょうか?
万が一の官邸暴走を止められるのは国民の民意しかないと私は考えています。
その民意を反映してくれる存在として、安倍さんは内閣の中でストッパー的役割を果たしてもらう方がベターだと私は思うのですがねぇ?

制裁発動・小泉退陣に賛同しない者をかたっぱしから排除して「自称真の支援者=過激な方針を支持する者」だけで固めてしまえば、運動は先鋭化の道を一直線です。
先鋭化した支持者だけいれば、拉致問題は何とかなるのですか?
万が一の官邸暴走をコアな支援者だけで止められるとでも?
制裁発動は被害者救出のための手段のひとつにすぎません。
安倍さんの言葉を借りるまでもなく、肝心なのは結果=被害者を救い出す事にあるのです。
「制裁発動に賛同しない者は支援者にあらず」ではなく、「全ての被害者を救い出したいと願う者」は皆支援者であると言う基本的立場をまずは再認識したい物だと思う。
いざと言う時の備えの為にも、被害者置き去りの正常化反対の声を上げてくれる支援者は、一人でも多いに越した事はない。
そのためにも拉致問題を支援する者の最低限の共通項は「全ての被害者を救い出すまで、国交正常化はしない」で良いと思うのです。
まずはこの一点で、すべての国民の心を一つにするべきではないでしょうか?

誤解の無い様に言いますが、私は決して制裁発動絶対反対なのではない。
ただ、世の中の多くの人は、コアな支援者と比べて拉致問題に関する知識や認識がそれほど深いわけではない。
そういう人に対して制裁発動が必要な理由を説明するとなると、時間と手間がやたらとかかるのです。
政治的臭いのする運動に拒絶感を持つ人も相変わらず存在するわけですし。
そういう現状の中で、拉致問題に深い理解と知識を持つ支援者を増やすのにはどうしても限界があります。
関心度の薄い一般大衆の心を掴むには、もっと分かりやすく共感しやすいスローガンを掲げる必要もあるのでは?と私は最近思い始めてもいます。

先の総選挙で、奇しくも小泉さんが教えてくれたじゃありませんか?
世論をがっちり掴もうと思ったら、訴える言葉はシンプルにわかりやすく。
で、拉致問題のシングル・イシューは何か?と考えた場合ですね。
「制裁発動」も良いけれど、それよりは「全ての被害者を救い出すまで、国交正常化はしない」の一言で訴えた方が、共感は得やすいのでは?とも思うのですがね?
どうでしょうか?

ともかく、苛立ちの余り、支援の本質を逆立ちさせてはいけないと思うのです。
制裁発動はあくまでも手段。
手段の違いがあるからと言って、せっかく拉致に関心を持ってくれた人たちを追い出して先鋭化するのは得策ではない。
排除の論理は、支援の輪を狭めるだけ。
運動が過激になれば、世論・民意は救出運動から引いてしまいます。
被害者救出と言う結果を得るには、支援者の側も懐の深さが求められる場面もあると思う。
冷静に沈着に、そして戦略をもって事に当たるべし。
感情に任せてのうっぷん晴らしだけは何があろうとも慎むべきと心得ます。
posted by ぴろん at 23:58| Comment(2) | TrackBack(0) | 拉致問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月09日

増元さんの言葉の向こうに見えたもの

先月20日の古川了子さん第3回行政訴訟報告会に参加した時の事です。
報告会終了後、帰途のため参加者がエレベーターに乗り込んだとき、増元さんは私たちに向って軽く頭を下げながらこう仰いました。

「今日はありがとうございました」

すでにこの報告会から、半月以上は時間が過ぎているのですが。
私の心には、この言葉が今も突き刺さって離れないのです。
9.17から3年、私はいまだ増元さんの大切な“るみ姉”を救出出来てはいない。
そんな無力で情けない支援者の私に向って、なぜ?彼は「ありがとう」と頭を下げるんだろう・・・?

ふと思いました。

「ご支援お願いします」
「ご協力感謝します」

拉致被害者のご家族は、こうして今までどれ位下げなくても良い頭を下げ、支援のお願いをして来たのだろうか?と。

残念ながら世間と言うものは、他人の痛みにはとことん薄情になれるという非情な一面を持っております。
支援を求めて出会う人々の全てが、拉致について深い理解を持ち心温まる心遣いをしてくれる人ばかりでは決してありますまい。
どれほど言葉を尽くしても、無理解・無関心のままの人。
あるいは支援者気取りを良い事に、恩着せがましく尊大な態度で迫ってくる不愉快な人もいた事でしょう。
無神経で冷ややかな言葉を浴びせる人もいた事でしょう。

でもどんなに不愉快な相手でも傲慢な相手でも、家族はそんな不満を表に出すわけには行きません。
「何だ、あいつら偉そうに」と反発心を持たれては、世論の高まりにはつながらない。
どんなに悔しくてもはらわたを煮えくり返らせても、忍の一字でこらえた事はおそらく一度や二度ではないはず。
彼らも人の子、理不尽な扱いを受けた時は、どんなにか人知れず悔し涙を流しているか。
怒りに心を震わせているか。
家族の方々が今まで味わってきたであろう心の痛みを思う時、こちらも本当にたまらない気持ちになります。

この3年間、私は結局誰ひとり救い出せてはいないのです。
その意味で、私は支援者失格です。
むしろこちらの方が、増元氏に向って申し訳ないと詫びねばなりません。
そうでなくても集会などで、お疲れのご家族の姿を間近に見るのは忍びなく、いつもいつもいたたまれない思いでお話を伺っております。
ご家族が血を吐く思いで語る言葉を、決してその場だけの空しい物にしてはならない。
家族の言葉を一人でも多くの人へ、1本の集会が会場の参加者の2倍3倍の人の耳に届くように、支援の輪の広がりにつながる様にと願って、これまでテキスト化に取り組んで来ました。
それとて人の命を見殺しにできないと言う自分の気持ちで動いているだけの事。

私は増元さんから、「ありがとう」などと感謝の言葉をもらえるようなことは、何一つしてはいないのです。

そんな台詞、あなたが言わなくても良い!
少なくとも私に対しては、お礼の言葉は不要です!
私は心の中で叫んでおりましたが・・・

増元さんの大切な“るみ姉”を無事救い出せたとき、その時は遠慮なく、感謝の言葉を受けたいと思いますが。
けれども“るみ姉”はいまだ、北の地に囚われの身のまま。
その現実が動かぬうちは、私は増元さんに御礼を言われる立場には無い。
全ての被害者を取り戻すまで、少なくとも私自身は真の支援者を名乗る資格は無いと思っております。
posted by ぴろん at 16:05| Comment(0) | TrackBack(1) | 拉致問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月08日

「信じられる国・日本」は実現しているのか?

近頃の私は集会でご家族のお姿を拝見するのが辛くてなりません。
特に高齢の横田夫妻や有本夫妻のお姿を間近に見るのは、耐え難い苦痛を覚えます。
人前では気丈に振舞ってはいらしても、連日の全国行脚です。
さぞかしさぞかしお疲れのはず。
彼らのお姿を見るたびに、お願いだから体を休めて!少しは休息を取って!と心の中で思うのですが。
今の彼らに休めと言うのは、我が子の救出を諦めろと言うのに等しいのでしょう。
まさに進むも地獄、止まるも地獄。
この地獄の苦しみは一体いつまで続くのだろうか・・・?
政府いつまで経ってものらりくらり。
結局は今日も明日も明後日も、家族は支援を求めて全国を駆け巡るより他にない。
それが悲しい現実。

★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2005.11.07)より

■日朝協議につき斎木審議官が家族会・救う会に報告

斎木審議官は、「拉致を置き去りにすることは誓ってないと申し上げる。それは信じてほしい。今後どういう交渉になるかは我々の提案に対する回答を見て、政府の指示を受けてやる。政府の方針は変わっていないが、この1年間のことを頭に入れて提案したものだ。拉致問題だけでは先方は協議に応じないだろう。協議に引き込み、日本側から強い主張を行なう場が必要だ。しかし、北朝鮮側がボールを投げ返してこないという状況は私は絶対に認めない。経済制裁以外でも北朝鮮が困ることは色々ある。またタイ人の拉致問題が出てきたことや、国連で非難決議の動きがあることも北朝鮮には圧力だ。アメリカとはきっちり連携してやりたい」等と述べた。

信じろと言われてもね・・・(溜息)
斎木審議官はこの現状の中で本当に良くやってくれていると思います。
しかし、肝心の官邸サイドがあれでは・・・
信じて欲しいと言われても信じたいと言う気持ちがあったとしても「ハイそうですか」と素直に思えないのが家族の偽らざる心境でしょう。
家族は余りにも待たされすぎている。
余りにも期待を裏切られ続けているのだから。
政府は本当に最後の一人まで救い出す気があるのかどうか?
非常に怪しいのだから。

それから、どうして未だに拉致担当大臣の設置ができないのでしょうかね?
警察や公安、外務省など関連各省庁が連携し情報を共有する組織が無ければ有効な戦略さえ立てられない。
だいたい誰と誰と誰が拉致されているのか?と言った基本情報さえ、国は積極的に把握しようとしないんですから。
これで本当に全ての被害者救出がなるのかどうか?
家族が不安に思うのは当然の事。

制裁を発動するにしても、それを有効に機能させるには、日本側の体制のバックアップは必要なはず。
制裁を最大限効果的な戦術として機能させるためにも、制裁発動後のあらゆるフォローがしっかりと出来る組織の立ち上げを早急に望みたい物ですが。

★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2005.11.08)より

■タイの被害者家族と面会へ−家族会・救う会

タイのカンタティ外相は7日、北朝鮮に拉致されたと曽我ひとみさんが証言したアノーチェさんのお兄さんから事情聴取を行なったが、家族会・救う会では、今後連帯して救出運動を行なうため、明日9日、タイに増元照明家族会事務局長と西岡力救う会常任副会長を派遣し、アノーチェさんのお兄さんや政府関係者と面会する。

明日から増元さんはタイへ飛ぶ。
いつまで家族がこんなにも体を張って骨折りをしなければならないのか?
どうして彼らが自分の命を削ってまで全国行脚、果ては世界行脚まで続けなければならないのか?
これは家族会よりも先にまずは政府が担当者をタイに派遣して、関係者から事情聴取をして来るべきではないのか?

忘れてはいけないのは、かように情けない日本国政府を支えているのは私たち全ての国民であるということです。
いくら政府が悪い小泉が悪いとほざいてみても、それを選び支持しているのは私たちなのだという原点を忘れてはならない。

「信じられる国・日本」

その実現はまだまだ程遠い日本の有り様に、情けなくて涙も出ないこの頃ではあります。
posted by ぴろん at 15:25| Comment(2) | TrackBack(1) | 拉致問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月07日

「世論」以外、私たちに有効な「武器」はあるのか?

テキスト化作業の最中に第3次小泉内閣の布陣が発表になりました。
拉致問題に関心を寄せる当Blogとしては、安倍さんの動向をまずは一番に気にしましたし、官房長官就任を歓迎する旨、意見表明もいたしました。
しかしBlogや掲示板などをぐるっと一周すると、この就任劇には賛否様々なご意見があるようですね。
ですので、改めて安倍さんの官房長官就任について、思うところをもう一度書いてみたいと思います。

官房長官就任は拉致問題解決の為にプラスになるか?マイナスなのか?
意見は色々ありますね。
官房長官は総理の懐刀であり、小泉さんの意見と対立する持論は展開しにくくなり事実上の安倍封じであるとか。
結局は安倍さんは小泉さんの尻拭いに追われるだけであり、だからこの人事には反対であるとか。
安倍さんは入閣を断って小泉さんとの対決姿勢を明確にするべきであったとか。
拉致議連の会長代行を辞任した事をもって、まるで裏切り者であるかのように言い募るご意見も目にしましたが・・・?
ふ〜〜む・・・気持ちは分からんでもないが。
そこまで考えがすっ飛んで行くとなると少しばかり悲観的になり過ぎてませんかねぇ?

あの・・・ひとつ忘れちゃいけないのはですね。
安倍さんは拉致問題を考える上で確かに頼りになる政治家の一人ですが、安倍さんさえ総理の座につけば拉致問題がバラ色に解決するわけではない、と言う点でしょうか?
過去にも何度も主張しましたが、トップの首一つ挿げ替えたくらいで何とかなるほど拉致問題はやわではありません。
総理が交代して安倍さんが今すぐ総理の座に着いてくれさえすれば、すぐにでも問題が解決するかのように思うのは、単純思考に過ぎるのでは?と思う。
国民世論で背中を押して安倍さんを「総理の座と言う名の二階」に上げるのは良いが、そのまま後は安倍総理にお任せ♪とばかりに「民意と言う名の梯子」を外されたらどうにもなりません。
安倍さんに本気でいい仕事をしてもらおうと思ったらば、一方で総理の座についた安倍さんをしっかり支えられる強固な国民世論を作り上げることも大事だと思うのだけど。

どうも日本人は今だお上意識が抜けないのか?
確かに政治や官僚の世界は、トップの意識が変わらねば下の者の意識が変わっていかない面もあります。
組織の硬直化が拉致問題の解決を阻んでいるのは事実です。
そこは私も認めます。
でも政治や官僚の世界って、総理の首さえ挿げ替えればガラガラポンで劇的に変わるほど、そんなに単純明瞭な世界なんでしょうかね?
政・官・財に食い込んでいると言う総連の裏工作は、そんなに甘っちょろい物なのでしょうかねぇ・・・???

冷徹に考えてみて、官房長官として入閣する事と入閣を蹴って平の議員でいる事の、どちらがより強く国政に睨みを利かせられるか?
仮に安倍さんが官房長官を断って、拉致議連の会長に就任したとして、それでどれだけ実際の現場で発言力を確保できるのか?
拉致議連の会長なんて、言葉は悪いけど所詮は単なるお飾り・名誉職でしかありません。
そんな軽い立場に固執したところで、果たして万が一の際の官邸暴走を食い止められるのか?
官房長官の存在感に比べたら、議連の会長職が及ぼす影響力など初手から比べ物にならない、と言うのが現実ではないでしょうか?
確かに官房長官は内閣のスポークスマン、これは小泉さんによる安倍封じではないか?と言う不安を抱く気持ちも分かります。
けれどそれを恐れる余り、安倍さんの入閣に不満を持って裏切り者呼ばわりまでしていたのでは、拉致問題のために骨身を削って働いてくれる政治家なんて一人もいなくなってしまいます。
それは拉致問題的に考えても、とても困った状況ではないでしょうかね?
そこはこちらの側も覚悟を決めて、小泉総理と安倍官房長官の有り様に今まで以上に睨みを利かせるより他、手は無いんじゃないでしょうか?

それと近い将来、安倍さんの総理就任をそれも長期安定政権を本気で願うならば、いまここで彼に実務経験を積んでもらう事も次の総理の座を狙う者としては、必要不可欠な通過点であるとも思うのですけどね。
総理の仕事は仮にも一国のトップを担う仕事です。
そこへいきなり実務経験のない安倍さんが総理の座についたとして、彼は果たして責任ある立場を全うできるのか?
閣僚未経験の若手が、ある日いきなりその座に就いて勤まるほど、総理の仕事は甘いものではないでしょう。
それに政治の世界は食わせ物の世界。
隙あらば安倍さんの足を引っ張って、次の総理の座を狙ってやろうと企む輩は必ず出てくる。
その手の煽りをかわす為にも、このタイミングでの安倍さんの入閣はそんなに悪い話ではないと思うのですけれど。
そして、ここが一番言いたいことですけれど、もしも安倍さんが今度の入閣で小泉さんに骨を抜かれる程度の器だとしたらですね。
仮に彼が総理に就任しようがしまいが拉致被害者救出も日本再建も、力量不足ゆえにハナから実現出来るはずも無い、と思うのですがどうでしょうか?

昨年の5・22からおよそ一年半。
良くも悪くも官邸の暴走を食い止めてきたのは、国民世論の拉致問題に寄せる意識の高さだと思う。
制裁発動に賛成する民意が70%もあれば、小泉さんとて迂闊に勝手は出来ない。
小泉総理の暴走を食い止めるにしても、あるいは問題解決の為に総理の尻を叩くにしても、私たちが使える有効な武器は、どう転んでも結局の所「世論」しかないじゃないか?と私は思います。
それを頼りないと思うか心強いと取るかは、ひとえに国民の側の意識レベルの問題でもあると思います。
泣き言を言ったり官邸の風向きに悲観的になっていても、残念ながら被害者は一人も帰っては来ない。
それが私たちの置かれた厳しい現実なのですから。

国民の民意を置き去りで官邸が国交正常化に舵を切ったらどうしよう?と嘆く暇があるならばですね。
拉致問題の真相を一人でも多くの人に伝え、支援の輪を広げる努力をしたらどうなのか?
いくら小泉さんのやり様が気に入らないからといって暴力的に、例えば刃物を持って官邸を襲って小泉さんに翻意を求める・・・何て荒っぽい手を私たちは使うわけには行かないのですから。
内輪もめしている暇があるならば、官邸に宛てて「勝手な暴走は許さない!」と言う監視のメールを送るなり、安倍さんに向けて「間違っても腰砕けになるな!」と応援メールを送るなりする方がはるかに前向き、ではないでしょうか。
posted by ぴろん at 15:55| Comment(0) | TrackBack(5) | 国内問題&国際問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月06日

韓国人拉致被害者も救うぞ!東京集会(12)05.10.20 日本青年館にて

『質疑応答』

★質問者1

救う会埼玉の加藤と申します。
あのですね。
韓国人の拉致被害者の方々に韓国政府が非常に冷たい態度を取られていると。
金泳三、それから金大中、それから今の盧武鉉ですか。
左かかかった、あるいは日本で言えば村山富一みたいな人間がずっと大統領をやってるわけでしょう?
そういう人たちになってからそういう態度を取り始めたのか?
あるいはそれ以前、例えば全斗煥の頃はどうだったのか?
予備知識が無いんでちょっと分からないんですけども。

★質問者2

韓国で拉致された人はですね。
漁船とか船で拉致された人と、それから海岸とか陸上から拉致された人の人数とかは分かってるんでしょうか?
その本に書いてあるんですか?
あ、じゃあ良いです。

★質問者3

特定失踪者高野清文の妹、高野美幸です。
最近ジェンキンスさんの本の中で、日本人・韓国人以外の拉致被害者の方たちがいらっしゃると言う内容の趣旨は伺いました。
私は私の勝手な想像なんですが、兄が技術系の仕事をさせられているとするのならば、きっと他の中近東とか他のアジア地区の方々も拉致されているのではなかろうか?と言うことは、ちょっと予測をしていた範囲の中での事だったので、それがジェンキンスさんの「告白」の中で裏づけをされたような形になったわけですが。
そういった意味で、日本政府が被害にあっていらっしゃる方の国に伝えたと言うような内容の事はちょっと・・・上とかで拝見したんですが、日本・韓国発でそういった拉致被害者の方がいられるであろうと言う国に訴えていくと言う方向性は、要するに拉致と言う事をもっと国際的にしていく。
更にその中でリーダーシップをとって行くという意味でそういうことをやっていく方向でどのようにお考えでしょうか?
変な話ですが日本国内で広がらないのに、世界的に広げるのはどうかと言う部分で、すごく胸が痛む事なので質問させていただきました。


※回答 崔成龍さん(通訳:西岡氏)

全斗煥時代や盧泰愚時代は冷戦時代であって、南北の交流というのはほとんど無いと言う状況の中で、拉致問題を議論できるような条件は全く無かった。
金大中時代になって南北の交流が出た事によって、逆に解決のチャンスが出てきた、と言うふうに見ています。
先ほども拉致についてマスコミの議論が出てくるのは70年代の金泳三時代で、それ以前は逆に家族の方が監視の対象であるという状況であったということですね。
だから先ほど言った崔祐英さんはお父さんが拉致されている事も友達に言えなかった、と言う時代でした。

★質問者1 加藤さん

やってくれそうな人が大統領だった時は問題にすら出来なかったということですか?

※回答 崔祐英さん(通訳:西岡氏)

実は過去にはですね。
80年代の終わりやあるいは90年代、北朝鮮は非転向長期囚の送還をずっと求めてきたわけですね。
その事に対して韓国政府は、それならば拉致被害者を帰せ、韓国軍の捕虜を返せと言う事を言っていたんです。
しかしそれに対する世論は、世論の監視の中で北の(主張に)対して反対の、反論する事を言ってたという状況があったんですが。
ところが韓国で家族会が出来て世論が少し出てきた状況で、世論の方は少し変わったんですが2000年前後ですね。
ところが韓国政府はその状況を逆に下げてしまった。
で、非転向長期囚だけ一方的に返して、韓国人拉致被害者や韓国軍捕虜に関しては条件にしないで、離散家族の中で離散家族が100人あるとしたら5%に韓国人被害者と国軍(捕虜)の家族を入れて会わせると言うふうに、北朝鮮の要求を呑んでしまったと。
世論が無かった時代に韓国政府は一定の要求をしていたけど、世論が出来た時点で韓国政府が政策を降ろしてしまった。

2000年以前は拉致家族だと言う事も出来ませんでした。
社会的な雰囲気の中でですね。
そして親戚に拉致家族がいるということが分かると、例えば警察に勤めていても辞表を出さなきゃいけないということがありました。
2000年以後、家族会を作ってこの活動をすることによってそういう事はなくなりました。

※回答 崔成龍さん(通訳:西岡氏)

正確な数字は今持ってきていないんですけれども、私の本には書いてなかった。
あとで事務所に行けば分かりますけども、90%くらいが漁船の拿捕で、それ以外に留学中の者もあり。
中国に拿捕されたと思われていた船が実は船員が北朝鮮にいたと言うケースもありまして、それはまだ484名の中に入っていないんですが、もっと多いと思います。

先ほどお話を聞いていてですね。
私は日本政府の姿勢が羨ましいといったら、まだまだだと仰るんですが。
しかしつまり情報さえ取ってくれば日本は動くだろうと。
髪の毛だとか何しろ物証で持って来れば日本は動く。
だから情報を取る為に努力したいと申し上げたんですけど、韓国は情報どころか本人が逃げて来ても助けようとしない。
そういう違いがあると言う点で、情報さえあれば動いてくれると言う政府を持っているのに、それでも駄目だと言えるような立場が逆に羨ましい。(会場内小さな笑い声)

あと国際的な活動に付いては、レバノンやタイやルーマニア、ルーマニア人はイタリアで拉致されたんですよね?
そういうようなことについてどのよういうふうにアピールしていくのか?
まず国連の場でぜひやっていきたい。
アメリカに行く時もぜひその資料を持って行っていただきたいと思います。

(司会の平田氏の締めの挨拶のあと、会場より拍手)

・・・集会終了・・・
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