2005年11月07日

「世論」以外、私たちに有効な「武器」はあるのか?

テキスト化作業の最中に第3次小泉内閣の布陣が発表になりました。
拉致問題に関心を寄せる当Blogとしては、安倍さんの動向をまずは一番に気にしましたし、官房長官就任を歓迎する旨、意見表明もいたしました。
しかしBlogや掲示板などをぐるっと一周すると、この就任劇には賛否様々なご意見があるようですね。
ですので、改めて安倍さんの官房長官就任について、思うところをもう一度書いてみたいと思います。

官房長官就任は拉致問題解決の為にプラスになるか?マイナスなのか?
意見は色々ありますね。
官房長官は総理の懐刀であり、小泉さんの意見と対立する持論は展開しにくくなり事実上の安倍封じであるとか。
結局は安倍さんは小泉さんの尻拭いに追われるだけであり、だからこの人事には反対であるとか。
安倍さんは入閣を断って小泉さんとの対決姿勢を明確にするべきであったとか。
拉致議連の会長代行を辞任した事をもって、まるで裏切り者であるかのように言い募るご意見も目にしましたが・・・?
ふ〜〜む・・・気持ちは分からんでもないが。
そこまで考えがすっ飛んで行くとなると少しばかり悲観的になり過ぎてませんかねぇ?

あの・・・ひとつ忘れちゃいけないのはですね。
安倍さんは拉致問題を考える上で確かに頼りになる政治家の一人ですが、安倍さんさえ総理の座につけば拉致問題がバラ色に解決するわけではない、と言う点でしょうか?
過去にも何度も主張しましたが、トップの首一つ挿げ替えたくらいで何とかなるほど拉致問題はやわではありません。
総理が交代して安倍さんが今すぐ総理の座に着いてくれさえすれば、すぐにでも問題が解決するかのように思うのは、単純思考に過ぎるのでは?と思う。
国民世論で背中を押して安倍さんを「総理の座と言う名の二階」に上げるのは良いが、そのまま後は安倍総理にお任せ♪とばかりに「民意と言う名の梯子」を外されたらどうにもなりません。
安倍さんに本気でいい仕事をしてもらおうと思ったらば、一方で総理の座についた安倍さんをしっかり支えられる強固な国民世論を作り上げることも大事だと思うのだけど。

どうも日本人は今だお上意識が抜けないのか?
確かに政治や官僚の世界は、トップの意識が変わらねば下の者の意識が変わっていかない面もあります。
組織の硬直化が拉致問題の解決を阻んでいるのは事実です。
そこは私も認めます。
でも政治や官僚の世界って、総理の首さえ挿げ替えればガラガラポンで劇的に変わるほど、そんなに単純明瞭な世界なんでしょうかね?
政・官・財に食い込んでいると言う総連の裏工作は、そんなに甘っちょろい物なのでしょうかねぇ・・・???

冷徹に考えてみて、官房長官として入閣する事と入閣を蹴って平の議員でいる事の、どちらがより強く国政に睨みを利かせられるか?
仮に安倍さんが官房長官を断って、拉致議連の会長に就任したとして、それでどれだけ実際の現場で発言力を確保できるのか?
拉致議連の会長なんて、言葉は悪いけど所詮は単なるお飾り・名誉職でしかありません。
そんな軽い立場に固執したところで、果たして万が一の際の官邸暴走を食い止められるのか?
官房長官の存在感に比べたら、議連の会長職が及ぼす影響力など初手から比べ物にならない、と言うのが現実ではないでしょうか?
確かに官房長官は内閣のスポークスマン、これは小泉さんによる安倍封じではないか?と言う不安を抱く気持ちも分かります。
けれどそれを恐れる余り、安倍さんの入閣に不満を持って裏切り者呼ばわりまでしていたのでは、拉致問題のために骨身を削って働いてくれる政治家なんて一人もいなくなってしまいます。
それは拉致問題的に考えても、とても困った状況ではないでしょうかね?
そこはこちらの側も覚悟を決めて、小泉総理と安倍官房長官の有り様に今まで以上に睨みを利かせるより他、手は無いんじゃないでしょうか?

それと近い将来、安倍さんの総理就任をそれも長期安定政権を本気で願うならば、いまここで彼に実務経験を積んでもらう事も次の総理の座を狙う者としては、必要不可欠な通過点であるとも思うのですけどね。
総理の仕事は仮にも一国のトップを担う仕事です。
そこへいきなり実務経験のない安倍さんが総理の座についたとして、彼は果たして責任ある立場を全うできるのか?
閣僚未経験の若手が、ある日いきなりその座に就いて勤まるほど、総理の仕事は甘いものではないでしょう。
それに政治の世界は食わせ物の世界。
隙あらば安倍さんの足を引っ張って、次の総理の座を狙ってやろうと企む輩は必ず出てくる。
その手の煽りをかわす為にも、このタイミングでの安倍さんの入閣はそんなに悪い話ではないと思うのですけれど。
そして、ここが一番言いたいことですけれど、もしも安倍さんが今度の入閣で小泉さんに骨を抜かれる程度の器だとしたらですね。
仮に彼が総理に就任しようがしまいが拉致被害者救出も日本再建も、力量不足ゆえにハナから実現出来るはずも無い、と思うのですがどうでしょうか?

昨年の5・22からおよそ一年半。
良くも悪くも官邸の暴走を食い止めてきたのは、国民世論の拉致問題に寄せる意識の高さだと思う。
制裁発動に賛成する民意が70%もあれば、小泉さんとて迂闊に勝手は出来ない。
小泉総理の暴走を食い止めるにしても、あるいは問題解決の為に総理の尻を叩くにしても、私たちが使える有効な武器は、どう転んでも結局の所「世論」しかないじゃないか?と私は思います。
それを頼りないと思うか心強いと取るかは、ひとえに国民の側の意識レベルの問題でもあると思います。
泣き言を言ったり官邸の風向きに悲観的になっていても、残念ながら被害者は一人も帰っては来ない。
それが私たちの置かれた厳しい現実なのですから。

国民の民意を置き去りで官邸が国交正常化に舵を切ったらどうしよう?と嘆く暇があるならばですね。
拉致問題の真相を一人でも多くの人に伝え、支援の輪を広げる努力をしたらどうなのか?
いくら小泉さんのやり様が気に入らないからといって暴力的に、例えば刃物を持って官邸を襲って小泉さんに翻意を求める・・・何て荒っぽい手を私たちは使うわけには行かないのですから。
内輪もめしている暇があるならば、官邸に宛てて「勝手な暴走は許さない!」と言う監視のメールを送るなり、安倍さんに向けて「間違っても腰砕けになるな!」と応援メールを送るなりする方がはるかに前向き、ではないでしょうか。


posted by ぴろん at 15:55| Comment(0) | TrackBack(5) | 国内問題&国際問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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