2006年02月27日

「自衛隊による拉致被害者救出のシュミレーション 講師:佐藤守氏」レポート その1

先日行われました、戦略情報研究所主催の講演会「自衛隊による拉致被害者救出のシュミレーション」の詳細を、本日より数回に亘って講演要旨を抜書きする形でご紹介をします。
作文力には大分不安のある私ですのでどこまで講演の様子を伝えられるか分かりませんが、最大限努力しますのでお付き合いをよろしくお願いをします。
本日は会場で配られた資料の内、「自衛隊独自での作戦は可能か?」の部分をお伝えいたします。

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・・・資料紹介・・・

◆自衛隊独自で作戦は可能か?

(1)困難なもの
 ・情報の欠如・・・拉致被害者の掌握   
 ・言語能力。
 ・拉致被害者との連絡手段・・・協力者の確保は?
 ・作戦実行上・・・地理不案内、作戦発起基盤の確保。(洋上か、陸上か?)
(2)一部可能なもの
 ・空自・・・適基地攻撃、上空掩護、輸送支援。  
 ・陸上基地確保は困難?   
 ・海自・・・上陸支援
 ・陸自・・・実行部隊
      例:中央即応集団・・・国際待機部隊常時1000人待機
               (将来は4〜5000人)
        空挺団・・・特種作戦群300人
 ・救出作戦の基本構想は「邦人救出作戦」

・・・資料紹介終了・・・

まず、佐藤氏は始めにこれは「フィクション」であり、講演参加者全員での「作戦会議」であると前置きをして講演はスタート。
結論として陸海空独自で作戦をやれるか?という事に関しては極めて悲観的であると、開口一番お話になりました。
最大の問題は「情報」であるとの事です。
空自が目標を攻撃する事はたやすくとも、目標を救出することはそもそも非常に難しい事である、と言う指摘もされました。

資材と命令さえあれば、目的遂行のために命を厭わない人材は自衛隊には大勢いるんだそうです。
ただし現状では、例えば野党の強硬な意見によりせっかく装備されているファントムの空中給油機をお金をかけて外し飛行距離が短くされる、というような冗談のような事が平気で行われています。
ですので、現状では資材の整備と言う面で自衛隊に対し様々な足枷がかかっているのが偽りのない所でしょう。
それでも自衛隊員の士気は高く、命令があれば作戦遂行の為に出撃をし目標を攻撃するという。
でも帰りの燃料が足りないので、戦闘機は日本海上でフレームアウトして救助を待つと言うのです。
その救助も救難艇は日本海の途中までしか行けないので、日本海に出漁しているイカ釣り船に連絡をしておいてもらい漁船に救助してもらう方が確率が高い・・・のだそうで。(涙)
そして無事帰還した後は、おんぼろの戦闘機に乗って再び出撃をする・・・なんともお粗末で情けない話ですが、これが日本の防衛を担う自衛隊の偽りのない現実なのだそうです。
それでも、こんなに不当な状況に追いやられていても隊員たちの士気は非常に高く、彼らは任務遂行のために命懸けの出撃を厭わないという。

この救出作戦で一番の問題は、拉致されている人たちを、敵方に気付かれずにパーフェクトに無事救出出来るか?と言うことです。
また、作戦遂行に当たっては、韓国の協力が絶望的に得られないと言う歴然とした事実が、どこまで行ってもネックになります。
救出作戦遂行のためにはどこかに作戦発起基盤を作らねばならないが、韓国国内にこれを作るのは難しい事。
陸上に基盤を作れなければ、陸自の能力・装備を生かした陸上からの救出作戦が行使出来ないことにつながります。

救出対象の拉致被害者が今・どこに・どのような形でいて、自衛隊が決死の救出作戦を決行するときに、定時定点に集まってもらえるのかどうか?
これが非常に難しい。

次に言語能力についての問題があります。
現地に入って行った場合、誤射乱射と言う事も考えられる。

作戦遂行上一番重要なのは、拉致された人たちとどのように連絡を取るか?と言う点です。
自衛隊は携帯や無線などいろいろな装備を持っているので、後方のオペレーションセンターとのリアルタイムでの連絡はいくらでも可能だが、肝心の被害者の皆さんとはどのような手段を取るのか?
情報伝達のための協力者の確保は出来るのかどうか?
拉致被害者の人々に救出オペレーションがある事を極秘裏に知らせて、尚且つ情報が漏れないようにして、定時定点に何気なく素知らぬふりで集まって頂く・・・と言う事は可能なのかどうか?

作戦実施上、地理不案内と言う問題も有ります。
まず作戦の基盤を置く場所が非常に限られていると言う事。
陸続きの作戦基盤を作る事が一番安定するのだが、38度以南の韓国の協力は当てには出来ないので韓国国内に作戦発起基盤の設置をし、作戦を行使する事は極めて難しい。
本来であれば陸上に基盤を確保し、極秘に一気呵成に救出作戦を決行するのが望ましいが、それは非常に難しいであろうと言う事です。
韓国の協力が得られない場合は、海上に航空母艦を置いて基盤を設置する事になります。
アメリカを通じて韓国に協力を仰いでも駄目な場合でも、それでも被害者救出の為にあらゆる策を行使するが、あとは陸海の作戦の協調の問題であるとも。

救出対象の被害者がどこにいるのか?
多くの被害者は平壌周辺にいると思われるが、それ以外の地域にいる事も考えられます。
その情報をどうやって収集するのか?
こちらに100人いるがこちらにも数人いるという事になれば、涙を呑んでどちらかを切るという判断を迫られる場面も考えられます。
この辺、いざ救出の目標をどうやって絞るのか?

航空自衛隊が可能な事について。
ファントムは上記で説明したように飛行距離が足りません。
爆撃の為出撃したとしても帰りの燃料が足らず、日本海上に落下しイカ釣り漁船に助けてもらう事になると。
F1も同じく飛行距離が足りないのでお役御免であると。
F15は飛行距離は確保できるが、搭載できる爆撃装置は簡単な物になるそうです。
これをどう使うかは作戦部長の判断にかかってくるが、ともかくF15を集めてきて大挙して攻撃をする。
空中給油が出来れば尚の事良い・・・のだそうですが・・・お馬鹿な野党のせいで大事な給油装置は見事に外されてますし(呆)
また航空自衛隊の任務としては陸・海の作戦を上空より援護したり、あちこち飛び回って陽動作戦をすることが上げられます。
おそらく北朝鮮側の防空能力は限りなくゼロに近く、戦闘機は燃料不足などで動けないだろうから、突如として平壌上空を陽動作戦で飛び回れば金正日はビビッて上海まで逃げていくかもしれないが、そうなれば後がやりやすいとも。(笑)

こういう部隊が使えるのは韓国に陸上基地があればこそなのですが、それがなければやはり海上に海上自衛隊の航空母艦を置いてそこから作戦を行使する事を考えねばならない。
韓国に前進基地が出来れば、ここから密かにヘリを持っていったりといろいろな活動が考えられるのだが、いかんせん、韓国の協力は得られないと言うのがここでもネックです。
もちろん作戦行使の際には後ろにアメリカのキティちゃん(=佐藤氏は時々お茶目な表現を使います。これはキティホークの事ですよね(笑))にも来ていて貰う必要もある。
日本の小泉総理とブッシュ大統領は仲が良いので、こういうバックアップをしてもらう事は出来るのではないかとの指摘もありました。

救出作戦は言うまでもなく、陸上自衛隊が作戦遂行の主体となります。
しかしここは、某片山さつき氏の防衛予算削減により陸自は5000人も人を減らされ、一人当たりの負担はそれ以前の3倍くらいに増えてるんだそうですが、それでも陸自の面々は弱音を吐かないのだそうです。
軍隊は最終的には人である、と。
陸自は米軍との共同訓練をしたり、陸海空とも今までにない訓練をしているそうです。
それ以前はこういう訓練をしようものならすぐに政治問題となり、幕僚長の首がいくらあっても足りないくらいだったが、皮肉な事にビンラーディンのお陰で本来の軍隊の仕事が出来るようになってきた、との事。

国内には日本人だと思っていたら実は北朝鮮にルーツを持ち、北の手引き行為を平気でする人が大勢いる事。
そういう人がテレビにもたくさん出ている事。
そういう人たちが当初の拉致問題を徹底して潰していた事。
日本はいままで余りに能天気でありました。
バブルだ金だと浮かれ、拉致などどうでも良いと言う気風がありました。
警察はいくら現場で捕らえても上が潰すからやる気がなかった。
今頃やっと何回目かの告訴をやっているが何回やればいいのだろう?と思うが、しかし日本人はやっと目覚めて北朝鮮に対して本気になりつつあるので、非常に明るい希望を持つ。

この作戦はなるべく早くやりたいが、いつ出来るかは別として、日本の陸上自衛隊は作戦を着々と進めつつあると言う事。
何度も言うが、自衛隊は本来の軍隊になりつつあるということだそうです。
日本の自衛隊は今までは玩具の軍隊であったが、米軍は付き合えば付き合うほど彼らは本物であるとの強い指摘もあり。

防衛庁の邦人救出作戦は半島有事の際にどうするか?ということをかなりの所まで詰めている。
朝鮮半島は今のところ南が北に吸収される形になっているが、その公算は極めて少ない。
が、邦人をどう救うか?と言う事は依然として残っている。
そして韓国との協力関係維持を前提とするのだが、私のここでの考えでは韓国との協力は出来ないだろうと。
日米韓の共同作戦を前提にしたのが防衛庁の邦人救出作戦だが、拉致被害者救出作戦をハッピーエンドにするにはやはり疑問がある。
これを後ほど皆様とのご意見でどうしたらいいか、考えたいと思います。

・・・レポートその2に続く・・・

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参考過去エントリー

★百年兵を養うは、一日にこれを用いんがため
http://piron326.seesaa.net/article/13749543.html


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