2006年04月24日

06.4.16 杉野正治氏 神奈川県民集会(4)横浜市開港記念会館にて

『杉野正治 特定失踪者問題調査会常務理事の講演』

ご紹介を頂きました、特定失踪者問題調査会の杉野でございます。
今日は本当にたくさんの方にお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。

今日皆様こちらの会場にお入りになったときにお聴きになった方が多いと思いますが、会場で冒頭に流されておりましたナレーションと言いますか、これは「しおかぜ」という私ども特定失踪者問題調査会でラジオの短波放送、これ北朝鮮向けに発信しようと言う事で作った番組でございまして。
毎日1時間半づつ、特定失踪者に寄せられた方のお名前、それからご家族の方からの直接のメッセージと言うのを是非北朝鮮に届けたいという事で、昨年の10月30日から始めた番組であります。
今まで私どもは、私たち日本は北朝鮮からの情報と言う物を一方的に受け入れるだけ。
朝鮮中央なんとかテレビですとか、脱北者の情報ですとか、そういった物を受け取るだけでした。

我々特定失踪者のご家族にお会いしますと、皆さん仰います。
私達が待っていると言う事を自分達の家族に、もし北朝鮮にいるのであれば伝えたい。
決して諦めているんじゃない、探しているんだ。
言う事をぜひ伝えたい。
是非そういう思いをですね、北朝鮮に我々も伝えるお手伝いが出来ればと言う事で、この放送を始めておりまして。
お陰さまでいろいろな世界中からですね。
この番組を聴いているという情報が寄せられております。
残念ながら北朝鮮内部からの情報は無いんですれけども、ある人によりますと北朝鮮内部でもよく聴こえているという事は伺っております。

我々はこの情報をこちらから発信するだけでなく、是非向こうからも北朝鮮内部からの情報も我々の元に持って来たいと言う事で、このラジオ放送を通じてですね。
もっともっとこれを活用して、そして出来ればですね。
今年中に我々も拉致問題を解決したいと言う事で、日夜努力を致している所でございます。

さて、私ども特定失踪者問題調査会というのは出来てから3年になります。
あの小泉訪朝の後、9・17の後に先ほど木村先生からもご紹介のありましたように、私どもの元には自分の家族も拉致をされているんじゃないだろうか?
非常な心配をされた方が、たくさん相談を寄せられまして、現在460名の方が私どもの元に相談を頂いております。
現在260名くらいの方が、氏名をお名前を公表いたしまして、今日もご家族こちらの方に上っていただきますけども、そういったたくさんの方が自分の子供も拉致をされているんじゃないだろうか?
言う所で、私どもも調査を続けている所でございます。

そしてそのうちの34名の方、いろんな情報からはこの方々は拉致の可能性が高いであろう。
いうふうに判断を致しまして、私どもは警察に告訴・告発を行う、などの事をやっております。
先ほど木村先生からもお話がありましたように、その中の一人古川了子さんについては是非拉致の政府認定をして頂きたい。
言う事で東京地裁の方に行政訴訟を起こしているわけですけども、被告である政府側の方は「これは裁判に馴染まない」と。
「我々は認定はしていないが一生懸命やっているから裁判をしても無駄です、却下してください」という事で現在の所、意見は平行線を辿っていると言う状況でございます。

しかしながらその中で、政府の方が訴えられたからアリバイを作ったわけではないでしょうけども、昨年12月の日朝協議におきましては、この拉致の可能性が高いと言われる34名を含めた方、これを北朝鮮に提議をしたと言う事でございます。
何もやらないよりはマシなんですけども、ここの34名を提出して北朝鮮に「調べてください」と北朝鮮に対して「このような方はいませんか?」と顔色を伺うように北朝鮮に対して我が日本政府はお願いをしているという状況でございます。

この政府認定と言う事、我々はこれを非常に高いハードルと感じてならないという事でございます。
政府認定をするには今の法律の下では、拉致被害者支援法と言うのがございますけども、この拉致認定をするまで警察は一生懸命調べて証拠を積み重ねて、そして首相官邸にこの方を認定してくださいと。
それを官邸が、ハイ認定しましょうと、それで初めて拉致認定という事になるわけです。
そして認定されて始めて外交交渉で、「この人を返せ」というふうに言っている。
そういう流れとなります。

しかし考えて頂ければ分かるかと思いますけども、こんな事をしていますといったいひとつ認定するのに何年かかるか分からないのです。
この支援法と言う法律が出来て以来拉致認定されたと言うのは、昨年神戸のラーメン屋の店員をしていた田中実さんと言う方、ただ一人でございます。
そういう意味で言いますと、警察が一生懸命捜査をして証拠に証拠を積み上げて拉致認定できるまで何年も何年もかかっちゃうわけです。

考えてみて頂きたいんですけども、拉致被害者と言うのは人質に捕らえられているのです。
北朝鮮に誘拐されて犯人の手元にあるんです。
現在切羽詰って、我々はこの人たちを救出しなければならないんです。
それを警察の捜査から一からやると言うのは、これはもう我々はこの人たちを救出すると言う気はないんじゃないか?と政府は考えているとしか思えない。

拉致と言うのは確かに犯罪でありますけども、個別の犯罪、誘拐事件・殺人事件国内で行われているああいう個別の事件ではないんです。
北朝鮮と言う国家の、日本と言う国家に対して日本国民を拉致するという国家的な犯罪なんです。
だとすれば警察任せにするんではなくて国が国の責任として日本人を救出すると言うことにしなければいけません。
良く真相究明は大事だと言われますけども、真相究明をしてその上で救出をするということでは何年もかかってしまいます。
まず救出をして、それから真相究明と言う事をやっていかなければいけない。

そうしないとどういうことが起こりますかと言いますと、例えば北朝鮮の中に拉致された日本人がいる。
それが分かっているときに、その人が、
「私は日本に帰りたくありません。この北朝鮮と言う国は良い国です」
と言ってしまうと、これ警察の発想からすると、これ事件で無くなってしまうんですね。
そういう事じゃないんです。
この人が帰りたいと言おうが言うまいが、日本の国の責任としてこの人を日本に連れ帰り、そして自由な意思を取り戻してからこの人の意見を聞く。
それから拉致の真相究明、こういう発想をしていかないとこの拉致問題と言うのは何年経っても解決はしていかない。
そういうふうに考える次第です。

先ほど全国で特定失踪者460名と言うふうに申し上げましたけども、私どもの所に来ている以外に警察の方、約900名の方が拉致をされているんじゃないか?
そういう相談が来ているそうです。
と言う事は拉致された日本人は相当数に上る。
我々調査会が把握している以外にも多くの方が拉致をされている。
あるいは中には身寄りの無い方がいらっしゃる。
そういう人を狙ったと言う事だってありえるわけですから、いったい拉致の規模と言うのはどのくらいだったのか?
いう事を・・・(聞き取れず)なく調べなければならない。

そして救出するという事を考えなければいけません。
そういう意味では北朝鮮の中でどんな人がどんな所にいるのか?
そして救出する時はどうするのか?
例えば日本人を日本に運ぶ時には自衛官を出すのかどうか?
自衛隊の船を出すのかどうか?
そういったところも、もう今から想定をしていかなければなりません。
 
あるいは拉致被害者が日本に帰ってきたとき、どうするのか?
相当な規模で、例えば北朝鮮が崩壊して日本に帰ってくる。
北朝鮮が崩壊して日本人被害者が帰ってくる。
日本はどのように対応するのか?
国だけでは対応できません。
おそらく各自治体などもその準備をこれから進めておかなければなりません。
そういった法律ですとか、準備とかが今全く日本の中でなされていない。
つまり救出すると言う発想が日本の中に無いのではないか?
いうふうに思うわけでございます。

この神奈川県内におきましても十数名の方が特定失踪者としておられます。
この方々、460名全部もそうですけども、全部が全部拉致をされているという確証はありません。
しかしながら拉致をされているかも知れない。
ご家族が心配をして私どもに相談をされているわけです。
私たちはこの人たち、拉致の認定をされていようがいまいが、拉致被害者だと言うふうに・・・(聞き取れず)
北朝鮮が拉致をしなければこの人たち心配して、私どもの所に電話をかけてきたりする事は無かったわけです。

しかし皆さん、自分のところは拉致じゃないかもしれないと、しかし北朝鮮の拉致はもし違っていたとしても北朝鮮の拉致は許せない。
なぜ日本の政府は毅然とした態度を取らないのか?
なぜ経済制裁をしないのか?
一刻も早く横田めぐみさんに帰ってきて欲しい。
そして他の人たち皆帰ってきて欲しい。
そう仰って、仲良くビラを配ったり署名活動をしたり。

今日もここに何人か来られておりますのでご紹介したいと思いますけども皆さん同じ思いです。
自分達の力であの北朝鮮と言う国家と闘おうとしているわけです。
大変素晴らしい事なんですけども、じゃあ日本の国家はこれでいいのであろうか?と。
冒頭申しましたように、大変な思いをして認定をして、その結果北朝鮮に名前を提議して誠意を見せろと、北朝鮮に誠意はあると思ってやってるのか?とつい疑問になってしまうわけですけども。
国としてこの人たちを守る。
取り返すと、いう立場を表明して、そして行動に移すと言うのが本来の姿だと思います。(拍手)
いうふうに思うわけでございます。

このご家族の皆さん、私は皆さんに会うときに必ず申し上げる言葉がございます。
460名もおりますので、特定失踪者のご家族にもいろんな方がおられます。
中には今日見えていただいた方の中にも署名活動をしたり、街頭で訴えたり、ビラをまいたり、活動されている方もおられれば、大変な高齢で立ち上がる事も出来ない。
調査会が出来ましておよそ3年になりますけども、ご家族の方ですいぶん何人かの方が亡くなっておられます。
大変時間が無い中でその様にいろんなご家族がおられるわけです。

私が申し上げるのは皆さんの仕事は、何にも出来ないと仰るかもしれませんけども、皆さんが待つと言う気持ち、待っているんだ、じゃあいつまで待つんだ?と言う話ではありません。
待つ、絶対に帰ってくると信じて待つ。
絶対に取り戻すんだという気持ちを強く持っていただきたい。
ご家族の仕事と言うのはそれが最初で最後です。
そういうふうに申し上げます。

そうでなければ、もし北朝鮮に連れさられていて、日本に帰ってきたとき、諦めていましたとか、探していませんでしたとか、そういう事だけにはならないで下さいと私は申し上げます。
しかし翻ってみますとこれはご家族だけ、ではありません。
私を含めてここにいらしている皆さん、日本国の政府もそうなんです。
必ず取り返すんだと、帰って来たときに何もしませんでしたと、探していませんでしたと、諦めていましたと、そういうことだけには絶対になって欲しくない。
その意味で、今日来られている皆さん方、是非これまで以上にですね。
我同じ日本人を取り戻すという気持ちを強く持ってもらって、ご協力を頂きたいとお願いする物でございます。


06.4.16 木村晋介氏その2 神奈川県民集会(3)横浜市開港記念会館にて

『木村晋介 法律家の会共同代表の講演 その2』

拉致被害者は今日本で認定されておりますのは11件16人という事になっております。
これは金正日は拉致の犯罪を認めて、その後日本で北朝鮮拉致被害者の支援法が作られ、それによってそれによって拉致被害者と認定された人々です。
しかし実際にはかなり多くの人々が拉致されていると言うふうに考えます。
先ほど名前が呼び上げられ拉致の経過が報告されておりましたけど、特定失踪者問題調査会と言う団体がありまして、この団体にやはり自分の身内も全く理由の分からないまま、失踪している。
北朝鮮による拉致ではないか?と言う事で申し込みが殺到しております。

現在460名がこうした可能性がある特定失踪者という事になっております。
そのうち34名については北朝鮮の中で目撃した人がいるなど、拉致被害者である可能性が高いとされている人であります。
私どもはそうした拉致被害者の中で、なぜある人々だけが認定され他の人々は認定されないのか?ということも問題にしております。
もっと拉致被害者の根は深い、幅は広い、いうふうに考えているわけでございます。
その全体像は北朝鮮の反人権的な国家政策が変わらない以上、全貌は分からないのであります。 
しかしその範囲も一つ一つの努力を詰めて、真相を明らかにしていく事を行なわなければなりません。

私たちは35人の中の一人、千葉に市原に住んでおられて73年の七夕の日に突然失踪された古川了子さんと言う方の拉致被害者認定を求める裁判を現在進めております。
東京地裁の民事二部と言うところで進めております。
この裁判では実のお姉さんから委任を受けておりますが、この裁判でようやく証人尋問が開かれる事になりました。
6月の28日、特定失踪者問題調査会の代表である荒木和博さんが証人に立ってくださる。
裁判所もこれを1時間証言を聞く、言う事になりました。

私たちは一つ一つの努力を積み重ねて、私たちに出来る事を一つずつやっていきたいと考えております。
もちろん何を持って拉致問題を解決するか?という事は難しい問題であります。
拉致された人々の全員を救出、これはもちろんの事でありますけども、この拉致を行った国家機関に対して適切な制裁・処罰が私はなされなければならないと言うふうに思います。

最近ベルギーのブリュッセルと言うところで行われました、アメリカの人権団体「フリーダム・ハウス」と言う所が主催した北朝鮮の難民問題・人権問題の解決を目指す国際集会が、金正日を国際法廷で裁こうではないか?と言う提案がなされているそうであります。
もちろん国際法廷で裁くために、日本がオランダにある国際刑事裁判所に提訴すれば一番良いわけですが、これには壁があります。
日本自体が国際刑事裁判所の条約をまだ批准していないと言うことがあるんです。
将来はこうした拉致犯罪を犯した所の処罰を含めた運動が進められなければなりませんが、そうした所にも私たちは被害者の救済を含めて出来る限りの努力をしていかなければならないと思っております。

少なくとも今のような拉致問題を解決する姿勢を全く示さない、あの国。
そしてその背後に先ほど述べた様な、大変凶悪な人道犯罪・人権犯罪を犯し続けている北に対して、私の個人的な考えでありますけど、やはり何らかの制裁はなされなければならないだろうと思っております。
その一つの選択肢として経済制裁も考えて然るべきだろう、いうふうに思います。

経済制裁によって人権問題が解決された例としては南アフリカのケースがあります。
南アフリカではアパルトヘイトと言われまして黒人たちが住むところも別々にされて差別をされている。
そういう隔離政策と言うものが行われております。
これはまさに敵対階層を北部の山岳地方に収容している北の政策と共通する物があります。
この南アフリカに対して国際社会は経済制裁に踏み切ります。
経済制裁を行う事はかえって南アフリカの貧しい人々にとって苦しめる事になるのではないか?
こういう議論がありましたけれども、そのときに南アフリカのアパルトヘイトと戦っている黒人指導者はこのように言いました。

「南アフリカに対する経済制裁はアフリカ人に苦しみを与えるかもしれない。
だがその方法が我々の願っている、我々の被っている血みどろの苦しみを短縮する物である。
この苦しみを短縮する物であるなら我々はその犠牲を喜んで払うだろう。」

こうした黒人指導者たちの断固たる戦いがあって、国際社会の経済制裁の効果を奏し、その結果94年にアパルトヘイトに終止符が打たれ、ネルソン・マンデラ大統領の新しい政策、黒人による大統領が生まれたわけです。

私は経済制裁による人権問題の解決と言う事は大いにある選択肢である、と言うふうに考えております。
そして全ての拉致被害者が救出される事に、その思想が廃止され、そしてこうした人権犯罪を犯した人・国家機関が徹底的に処罰される日まで、粘り強くこの問題と寄り添って行きたい、言うふうに思います。
是非、皆さん一緒に戦いましょう。(拍手)
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