2007年01月27日

07.1.18 西岡力氏2 東京連続集会24(5)友愛会館にて

松本京子さん家族の思いを聞く 東京連続集会24
07.1.18 友愛会館にて

『西岡力 救う会副会長の講演 その2』



これはここでも島田さんにも話してもらったこともあると思いますけど、島田さんは最初から言っていたんですけども、ブッシュ政権は2001年の段階から、悪の枢軸演説をした2002年の1月以降特にですけど、金正日政権には強い圧力をかけなくちゃいけないと。
そしてはっきりと政権にいる人は言いませんけど、その周辺にいる人たちはレジーム・チェンジと政権交代が必要といっていたわけですね。
その方法についてはイラクは軍事的な方法が必要だと。
しかし、北朝鮮は経済制裁が効くんだと言っていたんです。
最初からそう言っていたんです。

イラクは実は経済制裁10年かけたんですね。
湾岸戦争以降、経済制裁がかかっていたんです。
しかし、石油を密売するから彼らは武器を持つことが出来たし、秘密警察を維持することが出来たわけです。
北朝鮮は石油を持っていない。
経済制裁が効くんだという事を言っていたんです。

高世仁さんという優秀なジャーナリストの人がいて、最近本を書いたんですが、本のタイトルなんだっけ?
金正日の偽札何とかと言う(=金正日「闇ドル帝国」の壊死 光文社)それを読むとですね。
今アメリカが言っていたことの詳しい中身が分かったんですが、2001年の秋にですね。
国務省の中で北朝鮮にどういう対応をするか?というプロジェクトチームが出来ている。
ケリー国務次官補がアッシャーさんと言うプロジェクトチームのリーダーを呼んで調査をやっている。
それはですね。
北朝鮮の貿易統計を見ると、大体毎年多いところでは10億ドル、そうでないときでも7〜8億ドル赤字だと。
どんどん赤字が溜まっていけばですね。
国家は破産すると。

物も買えなくなるはずなのに、金正日はトロを食べている。(笑い声)
核ミサイル開発は進んでいる。
秘密警察は維持できていると。
合理的に考えて合わない。
今は、北朝鮮と物を買うのは、どんどん70年代にですね。
西側から物を買って代金を払わなかったものですから、日本は北朝鮮に貿易抑制を適用をしていますから、現金払いしか買えないわけなんですね。
しかし、日本から物を買っていけているわけです。
現金を持っているわけです、外貨を。
持ってないんです、北朝鮮が・・・(聞き取れず)いいんですけど、そうじゃないわけです。
なぜ買えているのか?物を。

アメリカがそれを調べたところ、犯罪資金だと。
貿易とは別に犯罪資金と言う収入源を持っていたと。
犯罪及び兵器輸出。
大量破壊兵器のミサイル輸出とそれから犯罪資金、それが多いときで5〜6億ドルくらいになる。
年間にですね。
そしてそれは国庫に入っていなくて、金正日の個人口座として海外に預金されている。
それを管轄しているのが労働党の39号室という、今38号室と言うところがあるんですけど、39号室38号室が管轄して管理しているわけです。

すでにアメリカのCIAはかなり調べていまして、CIAの数年前の推定では43億ドルが金正日の個人資金としてスイスの銀行辺りにあると。
それが物を買っても減らないわけですから、武器の代金や犯罪資金や偽札や麻薬のお金がそこに入っている。
それを下ろせなくする。
犯罪に対して余りにも国際社会は甘かった。
それを当たり前に法執行すれば、金正日政権は政権維持が難しくなるくらいダメージがいくと。

中国が支えていると言いますけど、中国は生の現金は出していないです。
石油と食料を出している。
別に石油を転売してトロを買っているわけでは無いんですね。
最低限の石油しかないわけです。
中国からの援助だけでは貧乏な極東の独裁国家という事になってしまって、核開発なんか出来ないわけです。
金正日の贅沢やその周辺の人たちの贅沢な暮らしは持たないわけです。
外貨は、輸出するものはほとんど何もないわけです。
まともなもので。
偽札は出来が良いようですけども。(笑い声)
偽札と偽タバコはパッケージは上手く作るんですけど。
それしかないわけです。

という事をアメリカは実は2001年に調査をして、それでそのときから、だからイラクには軍事制裁を北には経済制裁が効くと言っていたんです、その調査を背景にして。
あるいは実はですね。
そういう調査と言うのはすでに行なわれていて、1980年代の終わりに韓国当局がそういう調査をしていまして、同じような問題意識からまともな貿易をして食べていないと。
当時はですね。
犯罪資金よりも日本からの送金が多かった。
日本から朝鮮総連系の機関や個人が・・・(聞き取れず)に送金をしていた。
救う会の会長の佐藤会長が所長をやっている現代コリア研究所が当時推計をしまして、年間600億円くらい北朝鮮に裏から送金されていると。
それが核開発を支えているんだと。

93〜4年の第一次核機器のときにアメリカの一部では爆撃をしようと言う議論があったんですけど、私たちは爆撃はする必要は無いと。
経済制裁をすれば、・・・(聞き取れず)からの日本からの送金を止めればいいんだと言ったんですね。
英語で発信したりしたらば、韓国の当局も同じような調査をもっと詳しくやっていて内容が大体一致したんですが、アメリカもそうだという事になって、アメリカから強い圧力が来て日本政府が調べたんです。
内閣調査室が調べたところによりますと、年間1800億円から2000億円日本から出たと。
私、当時直接内閣調査室で調べた人から聞いているんです。
それを止めろといって止めようとしたんです。
本気で止めようとしたんです。
警察が朝鮮総連に対して余りにも今まで法の適用が甘かったのを厳しく適用して、税務署も動き始めたんです。

その時北朝鮮は経済制裁は宣戦布告とみなすといってですね。
日本に向けてノドンミサイルを発射したんです。
今と良く似ているんです。
しかしクリントン政権でありましたアメリカは、核武装をやめさせるといって安保理事会で経済制裁決議案を出したんです。
そして在韓米軍と在日米軍を増強したんです。
そしたら金日成が出て来た。
カーターと会って、核を凍結するからと言ったんです。

そのときもつまり、何かお金が来るとか日本からお金が行くからとか言うことで核凍結になったんじゃなくて、向こうは戦争をするといって脅してきたんですけど、それでもこちらは戦争するとは言わなかった。
経済封鎖をすると。
端的に言うと金正日の個人資金に、当時は犯罪資金よりも日本からの送金が主たる資金になっていますから、それを止めると。
そうすると一般国庫の方は回っているけど、金正日特別会計の方は回っていかなくなる。
そちらを押さえられると彼らは本当に困って動き始めるんです。

一般国庫の方は・・・(聞き取れず)して1995年から100万程度の餓死者が出るんですけど、政権は倒れなかった。
そのときでも藤本さんの本を読みますと水上スキーに乗っていたと。
年間100万人の餓死者が出たときも藤本さんたちは水上スキーで遊んでいたと。
で、テレビ見て、あのウニが食いたいと言うと買いに行ったりとか、三越の何とか餅がおいしいとか言うと柏餅か何か知らないけど、それだけを買うために飛行機に乗っていくとか。
道でばたばた子供たちが死んでいたときに、そういう事をやっていたわけです。
それは国庫とは全然別の外貨を持っていたから。

でもそれに、第一次核危機のときに日本とアメリカと韓国が気付いて、それを封鎖しようとしたときに、彼らは一度折れて来た訳です。
しかし金正日がもう一度出てきて、一度約束した核開発を止めると言ったのを、裏でやっていたわけです。
一度我々は騙されたわけですが、ただ、その時の事を我々は知っていたからブッシュ政権の経済制裁が、北朝鮮のレジーム・チェンジが出来るという事が正しいと思っていたわけです。
2002年の段階からですね。
それで、その時一番考えたのはつまり、国連安保理事会の制裁決議が出て金正日政権は大変追い込まれた。
ミサイル発射などもあって大変緊張も高まるだろうと。
最後にはこちら側が強いんだから向こうが折れてくる、あるいは向こうの政権が倒れるか向こうが折れてくる。

しかし、その場合に過去の経験からすると94年の段階で向こうが折れてきたときに、拉致問題では折れてこないのに、国際社会はそれで良いと言ってしまった。
特に村山政権がジュネーブ合意が出来たときに、アメリカから北朝鮮が核開発を凍結すると言ったと。
その代わりに45億ドルで原子力発電所を作ることになった。
日本は10億ドル出せと言われたら、ハイ出しますと言ったんです。
その時日本は拉致問題をアメリカにも北に対しても要求しなかった。
日本が要求しなければ国際社会は議題にしないです。
そういう事をさせてはならない。

アメリカがテロ政権に核ミサイルを持たせる事を止めさせるというふうに今言っているんだから、拉致はテロだと言うスローガンは効果があるんだと。
アメリカは経済制裁、金正日の個人資金をターゲットにして締め上げるだろうと。
その時向こうは戦争も辞さないといって、前回と同じにミサイルを発射したり、あるいは若干のテロもあるかもしれない。
戦争直前まで緊張は高まるだろう。
でも戦争になったら向こうは負けるわけですから、肝試しをするだけで、こちらが最後は勝つだろうけども、いろんな事が起きてくる中で、その時になって初めて真の交渉が始まってくる。
向こうが折れてきて、止めてくれと、もう耐えられないから止めてくれといって、交渉が始まるんです。
民主国家はなぶり殺しみたいな事はしませんから、やめてくれと言ったら話し合いを聞くんです。
で、こちらは条件を出すんです。
その時に被害者を全員返しなさいと言う条件を、国際社会と一緒に出せるかどうかが勝負だと。

94年の時には出せなかったわけです。
出さなかったんですね、日本政府は。
94年の前に、88年の梶山答弁があったわけですよね。
ここにいらっしゃる皆さんは全部ご存知だと思いますけど、国会で拉致の疑いが十分濃厚だと言っていて、そしてそれから91年には田口八重子さんの拉致認定があったわけですね。
警察が認定したんですから。
それなのに10億ドル出すときの条件に、田口さんが帰ってくることとか増元さんが帰ってくることとか言わなかったんです。
アメリカからの圧力で言えなかったんじゃないんです。

だから、金正日政権に対して今国際的に彼が嫌がる事を、条件を突きつけてやるという事ですね。
それが個人資金を封鎖するという事で、94年のときは日本からの送金だったんですけど、今は日本からの送金はかなり減っています。
バブルが崩壊してしまって朝鮮総連自体がその余力が無くなっているわけです。
朝銀信用系の預金を意図的に持っていくという事もやりましたけど、そのために破綻してしまって、1兆6千億円(?)くらいが補填されたわけですけども、補填された後新しく補填されたものを向こうに送る事は出来ないです。
日本からの送金は大変減っています。
その分を犯罪資金で埋めたんです。
それから韓国の大統領が今度が裏金を出したんです。
4億5千万ドル出したし、現代財閥の金剛山観光で今でも現金を払っていますし、様々な形で韓国からは現金が行っています。

しかし今年はまた、韓国の大統領選挙の年なわけなんです。
2002年からちょうど5年経ったわけですね。
今は、今のところはハンナラ等政権が勝つ可能性があるわけです。
そうすると金正日政権としても、もう一度日本を見ざるを得なくなるような状況になるわけです。
国際社会が彼に現金を渡さない、外貨を渡さないという事が出来ればですね。
本当に苦しくなってきて、こちらの要求はこれだ、あんたの要求は何だと言う対話が始まる。
交渉が始まるんです。

その時に日本が拉致問題は、まぁ二つの要素があって、国際社会は金正日が絶対耐えられない圧力をかけること。
それは今出来つつあるわけです。
アメリカの金融制裁、国際社会の制裁が出来つつある。
耐えられなくなって交渉が始まったときに、国際社会が拉致問題もその制裁を解除する条件に入れること。
その二つの条件を満たすことが出来れば、事態を大きく動かすことが出来るだろう。
安倍政権のやっていることは、その二つの条件を満たすためにやっているんです。
あるいは先頭に立って、その二つの条件を作ろうとしているわけです。
誰かが誰かのコネクションで、平壌に何人行ったから話が進むとかいう事では全然なくて、向こうの方が困ってですね。
安倍さんに会いたいといって、私のところに電話してくるとかですね。
安倍さんにコネのある人を探して、向こうから来るというときが近づいてきていると。

もちろん、今のところは韓国から現金が行っているという要素がありますから、韓国の政治情勢がどうなのかという変数がありますけども、韓国の中も自由民主主義あるいは北朝鮮の人たちを助けなくちゃいけないという、真の韓国の自由民主主義派、あるいは自由統一派。
自分たちは自由統一派と言っているんですが、そういう人たちが目覚めて来ていまして、我々は最高でも6万人くらいしか集めていないですけど、その人たちは20万人くらい集めてですね。
街頭で集会やったりしているんですね。
日本のマスコミはほとんどその人たちの動きを報道していませんが、その20万人くらいの集会では、韓国の拉致被害者の家族が出てですね。
拉致問題解決すべきだと、日本の被害者を救うべきだと言ってくれているわけです。
で、北朝鮮の人たちも救うべきだと。
ま、もちろん盧武鉉政権の側も必死で政権を守りに来ていますけど、どうなるか分からないと言う変数がありますけども。

しかし、日本政府が今やっている事は、まず拉致問題は国政の最優先課題で、絶対に譲らないと言う体制を作ったわけですね。
そして国際社会と一緒になって、核とミサイルとそれから拉致問題で今北朝鮮に制裁をかけている。
その制裁のターゲットは北朝鮮の一般国民ではなくて、金正日の個人資金だと。

で、別に私は政府の広報マンでは無いんですが、先ほど増元さんとの話の中で政府がどれくらい説明してくれたかと言う話があるんですが、今は2002年以降はですね。
支援室と言う組織が出来て、政府でいろいろ方針が決まると説明を受けるんですけど、特に安倍政権になってから後はですね。
対策本部が出来て、それからは節目節目でいろんな決定事項があったりすると、その書類をいろいろ頂くんですね。
多分我々にいただいたものだから、公開されているものだからなぁと思って、今日は皆さんにサービスして全部コピーして持ってきたんですが。
多分こういう事があまり広まっていないから山崎さんの話がたくさん出るわけですね。

山崎さんを呼ぶんだったら、対策本部から誰か呼んで今の日本の今後の対応方針とかどうなっているのか?とかですね。
組織がどうなっているのか?とか、今年の予算がどうなっているのか?とか、話を聞いたら良いと思うんですけど。
それを聞いた上で一回だけ訪問した方が効果があるのかどうか、議論すべきだと思うんですけど、それがないって言うのが残念なので、私別に政府の人間では無いんですが、ちょっと解説をさせていただきますけども。

siryou1.jpg

siryou2.jpg

siryou3.jpg

これが10月16日の、その前に2枚目を見ていただきたいんですね。
まず安倍さんは内閣を作って対策本部を作ったわけですね。
その対策本部の組織図がこの2枚なんです。
対策本部の本部長が総理大臣で副本部長が官房長官で、官房長官は拉致問題担当大臣を兼ねているんですね。
そしてこの対策本部と言うのはすべての閣僚が入っているわけです。
閣議と同じ。
すべての大臣が入っている。
で、その下に常設の事務局が出来たんです。
各省庁の拉致担当者が一回集まって会議をやるんじゃなくて、常設の事務局が出来たんです。

その事務局長が、私たちの大変信頼している中山恭子さんになったんですね。
そしてその首相補佐官を兼ねて事務局長になった。
首相補佐官は常設で、多分首相補佐官だって部屋があって下に何人か人たちがついているだけですけども、事務局長を兼ねていますから事務局の上なんですね。
常設の人がついているわけです。
そして閣議の下に、閣議が対策本部ですから、対策本部の事務局長ですから、各省庁に対しても首相に対してアドバイスをするんじゃなくて、各省庁に対して拉致問題に対することであれば大臣としていろんな話が出来るんです。
上下関係があるわけです。

・・・その3に続く・・・


重すぎる言葉

まずは電脳保管録に掲載された蓮池透さんの以下の言葉をお読みになってください。

電脳保管録より  蓮池透さんの言葉(同窓会誌より)
http://nyt.trycomp.com/modules/news/article.php?storyid=5928

年二回発行される柏崎高校の同窓会誌「とっこつ」(2007年1月15日号)に、蓮池透さんの言葉(恐らく講演会のテキスト起こし)が掲載されていました。最近では、蓮池さんの講演の模様もなかなか開かれていませんので、紹介いたします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

信念持ってる弟
救出へ情報の活用を

蓮池透氏 ミニ講義

 弟薫が帰って4年になりました。この間、同窓生の方々の支援に感謝を申し上げます。帰国当初の激励の言葉、特に堀井真吾さんらの朗読会など、大きな力になりました。
 本人は野球が好きですから、やはり選抜高校野球が励ましになった。初の甲子園出場に、多くの方々と一緒に応援出来たのが良かった。試合に負けても、いい内容でした。
 弟は、昭和53年7月31日、夏休みで1週間柏崎に帰って、拉致されてしまいました。市民プールと市民球場の間、中央海岸の人気のないところで、海岸をどっちに行こうか迷った。北(東の間違い)へ行ったので、拉致された。もし南(西)へ行ってたら、他の人が拉致されたでしょう。
 当時から普通の海岸です。市民には、拉致の危険が身近に起き、本当に怖い(所となった)。成人同士の失踪で、事件性なしと、本気で捜索してくれなかった。横田さんのように、いろいろな遺留品もなかったし。捜査してくれなかった。あれだけの海岸に、市民もいたろうし、情報も得られたはずだのに。福井や鹿児島のように。
 近況を申し上げますと、弟は毎日午前3時に起き、翻訳の仕事をして、昼新潟産業大へ。祐木子は市の保育園に通っています。長女は産業大に行き、当分自分の勉学につきたいと言います。長男は東京で一人暮らし。早稲田大で一生懸命勉強しています。
 弟夫婦は、何としても向かってやろうという気持ちを持っています。着の身着のまま、何の将来保証もないまま、帰国しました。
 二人が、国に対してもっと(損害賠償など)訴えてもいいはず。24年間も無視されてきたのだから---と私たちは考えます。でも、弟はそれを入れない。24年間はもう取り返せない。これから24年を超える期間、国の世話になりたくないと。
 母は、町など歩いていると「国がめんどう見てくれていいですね」と聞こえてきて、やりきれないそうです。風評は大変残念です。国の助けはいらない。自分で子供を育てる。失った24年を超えて育てる。そして、北朝鮮や日本を見返してやる(と思っているのです)。
 これが5年や6年なら「責任を取れ」と言えるけれども、とても、そんな気は起きない。24年という長さに、とても勝てないのです。弟も先日の金正日の会見を見ていました。
 帰国当時「北朝鮮はいい国だ。北はいいところだ。お出でよ」と盛んに言っていました。私は、おかしいと思った。こりゃ、東京にいてはだめだ。何しろ「米帝の協力で、日帝になど」といい、完全に洗脳されていたと思った。
 それが、柏崎へ帰ったとたんに変わった。故郷の力、柏崎の力は非常に大きい。もし帰らなかったら、北へ戻ったと思う。
 今弟と、まだ帰って来ない多くの方との間に、アンバランスが大きい。弟たちの帰国を、心の底から喜ぶことが出来ない。
 それで母は、精神的に不安定になっている。どういう表情で、他人に向いていればいいのか困ってしまいます。喜んでいいのか。ブスっとしていれば、またいろいろ言われる。一時期、私もふさぎこんだ。自分たちは帰ってきたけれど、帰ってこれない人の事を考えると、心から喜べないのです。
 これは、弟が一番考えていること、信念なのです。自分たちの持つ情報を、救出に使ってほしいと思っている。ただ公表すると、北朝鮮へ直ちに伝わり、対抗策や予防策を張られ、情報が何の価値もなくなると、考えています。
 金正日の情報も、全てでなくても、良く知っていることはある。国や、まだ帰られない方の家族には、言っていることもあります。ただ公表すると、その人たちに危害が及ぶ恐れもある。自分たちと北と対局することになるし、情報の価値がゼロになってしまうかも。
 自分たちの情報をもとに、早く国なりが補足して、まだ帰って来ない人を取り戻してほしい。表向きには、しゃべらない。そういう環境におかれています。
 金正日との会見、韓国の人の面会についても、国や横田さんに情報を提供している(のが訳だっているはず)。時間がたてばたつほど、帰らない方との間の格差が広がって、非常につらい。何とか早く、こういうことがなくなるように、ご支援をよろしくお願いします。

柏崎高校同窓会開放「とっこつ」2007年1月15日


一読して、私には返す言葉がありませんでした。
透さんのこのコメントは、読んでいて余りにも重いです。
中でも、

>国の助けはいらない。自分で子供を育てる。失った24年を超えて育てる。そして、北朝鮮や日本を見返してやる(と思っているのです)。

という一言は、私には余りにも重過ぎる。
薫さんは北朝鮮だけでなく、日本と言う国をも見返してやると思っている、と言う。
この言葉に、私たちは一体どう答えたら良いのでしょうか?
見返してやる、という彼の決意が私の心に突き刺さって離れません。
薫さんのこの強い思いに対し、私は心底返す言葉がありません。
日本と言う国は、帰国した被害者たちにとって、心底安住の地であると言えるのか?
思わず考え込んでしまいました。

20年30年と言う長い年月、日本と言う国と日本国民は拉致被害者の存在を見逃してきました。
この気の遠くなるような長い年月、見逃されてきた被害者は一体どんな思いで、祖国日本を見つめていたのか?
強い望郷の念に駆られ、家族や友人を恋焦がれる一方で、一向に日本からの救いの手が及ばない現実に、どれだけ深い絶望の日々を過ごしたのか?

祖国日本を恋焦がれる気持ちが強い分だけ、いつまで経っても助けてくれない祖国日本を彼らはどれほど恨んだことか?
24年の月日を経て、5人の被害者は無事帰国を果たしました。
でも、透さんのコメントにあるように、失われた年月は余りにも長く苦しくて、取り戻しようがないのです。
余りにも長すぎる年月、被害者と家族が味わった苦しみは、どんなにしても埋め合わせる事は出来ない。
その現実を、私たち支援者はいったいどこまで理解しようと努めているのか?
そのあたりの理解力が、どうも怪しい人たちも少なくないように感じるのは私だけなのでしょうか?

先日の透さんと山拓との面会騒動の一件でもそうでしたが、どうも支援者の中には透さんをはじめ蓮池家に対して、あまり良くない感情をお持ちの方が多いようです。
蓮池家に対しては、何かと言えば風当たりが強くなる傾向があるようですが、その事を私はとても悲しく思います。
何度も言うように、蓮池家の人たちは家族も含めて被害者なのです。
無事に家族と子供たちを取り戻したとは言え、彼らの心の傷はどんなに手を尽くしても癒すことの出来ない、余りにも深すぎる傷なのです。

その事を思えば、仮に透さんや薫さんが多少のうっかりをしたからといって、一体どこの誰が、彼らのうっかりを罵倒する権利があるというのでしょう?
少し冷静に我が身を振り返って考えてみてください。
余りにも余りにも余りにも長すぎる年月、彼らの苦しみを見逃し続けた私たちに、彼らの言動のあれこれをいちいち批判する権利などあるんでしょうか?

拉致被害者もその家族も、ごくごく普通の人間なのです。
そして一般の私たちには及びもつかないほどの苦しみを味わってきた人たちなのです。
その彼らに、これ以上の精神的・肉体的負担を求めてはいけない。
押し付けてもいけない、と私は思う。

家族は神様ではないのです。
必要以上に家族を神格化して奉りたがる人もいるようですが、そんな事は家族にとって一番の迷惑では無いでしょうか?
以前から、何度も主張しているように家族の疲労は限界値をとっくに超えているのです。
拉致問題の支援者を自認するならば、これ以上家族に余計な負担をかけないように配慮するのが、支援者としての最低限の心得では無いか?と常々思っています。

北朝鮮にはまだまだたくさんの被害者がいます。
被害者の帰りを待つ家族もたくさんいます。
たくさんの被害者とたくさんの家族がいれば、その中には本当にいろいろな人たちがいることでしょう。
様々な事情を抱え表に出たくても出られない人もいるでしょう。
そして一番重要な事は、彼ら被害者とその家族のすべてが、横田夫妻のような高潔な人格者ではない、ということなのです。

家族や被害者がどんな人柄であろうと、どんな事情を抱えている人であろうと、支援者である私たちが彼らを選り好みすることは許されない。
すべての被害者を救うという事は、被害者や家族を選り好みしてはいけない、という事でもあるはずです。

蓮池家に対する風当たりの強さを見るたびに、拉致被害者とその家族にとって、日本は本当に安住の地なのか?と思ってしまいます。
私たちの側に、被害者とその家族を懐深く許容する器量がなければ、真の意味での被害者救出など遠く及ばないと思います。
被害者救出と言うのは、物理的に被害者の肉体を北朝鮮から日本に連れ戻せばいいと言うものではない。
傷ついた被害者と家族の心を暖かく包み、失った日々は取り戻せないにしても、せめて残りの人生を心穏やかに暮らせるように配慮して、初めて救出をなしえたといえるのでは無いでしょうか?
posted by ぴろん at 10:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 拉致問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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