2007年04月16日

07.3.31 恵谷治氏 第16回藤沢集会(2)藤沢産業センターにて

第16回藤沢集会
07.3.31 藤沢産業センターにて

『恵谷治氏(ジャーナリスト)の講演』

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えー、まず今、加藤さんが内容と私は、情勢認識が180度違いますけれど、直ぐお話ししたいと思いますが。
まず、六者協議というものをどう考えるかと言うときに、実は、六者協議が行われている間、私は韓国にいました。韓国の論調は、加藤さんがお話になった内容と全く一緒です。『ブッシュは譲歩した。我々は勝利した。』と、韓国左翼政権、左翼マスコミは、もう、大騒ぎです。

で、まず、六者協議の合意に至るまでの経過を簡単にお話したいと思いますが、ご存じのように、この六者協議の合意に至る前提である2005年9月の六者協議の共同声明があります。その直後に、ご存じの、BDA=バンコ・デルタ・アジアのいわゆる制裁が始まりました。

この制裁というのは、どういう事かというのは、『その銀行の口座に出入りする金が、怪しい金である、ついてはそう言う金を扱っている銀行は、制裁というか、取引停止と言うことにするぞ』という“懸念指定”だったわけですね。2005年9月の段階では。懸念があると言うだけで、取引が停止された。
この停止はですね、バンコ・デル・アジア自信ががおこなったわけで、アメリカはいわば、脅したという状況です。しかし現実的にはもう、口座取引が出来なくなって、北朝鮮はあわてた。その数日前には核の完全廃棄に同意するというサインをしたにもかかわらず、アメリカがそういうことをしたんで、六者協議にはでないということで、ご存じの7月、それから半年後の7月にミサイル発射がありました。

まぁ、その少し前、2005年10月に、検察庁、警視庁は、科協=在日本朝鮮人科学技術協会というのをターゲットにがさ入れをやったと。これはまぁ、いわば技術制裁といいますか、ミサイルあるいは核を開発させるその支援を科協がしていると言うことで手入れをした。

ですから、2005年の9月から10月にかけて、日米が金融及び技術で、北朝鮮を追い込んだ。その回答がというよりも、金正日はですねそれに抵抗してミサイルを発射した。このミサイルも、テポドン失敗して、その他は成功したんですが、七発のうち、六発が成功した。この六発はですね、既に実戦配備している朝鮮人民軍の管轄のミサイル。これは全て成功・・成功と言うことはない、まぁ通常に、設計通り飛んだと。手順通り飛んだと。

その中には、日本をターゲットにしているノドンというのが含まれていました。しかし、アメリカに届く、アラスカに届くテポドン二号というのは、失敗しました。一分そこそこで爆発した。そのミサイル発射によって、安倍政権は、日本独自の経済制裁をやった。

で、アメリカに届くミサイルが失敗したが故に、金正日は次なる手を考えたのが、ご存じの地下核実験です。しかし、これがですね、ミサイルがもし成功していれば、その2005年の2月に北朝鮮は、核保有宣言をしています。我々は、持っていると口だけで宣言しています。
その宣言で、アメリカに対するミサイル攻撃が可能になるという大宣伝が出来たはずです。そうすると、民主党の議員あたりはですね、やっぱり米朝二国間交渉をすべきだというような論調がでたかもしれませんが、とにかくテポドン二号は失敗します。

で、核実験をやったところ、これもまた、見事に失敗をしました。

ある解説者は、核を持っていなくて、通常爆弾を大量に爆発させたんじゃないかという程度の爆発力しか発揮できませんでしたが、これは、間違いなく核実験でした。
この核実験によって、こんどは、国連制裁決議が行われます。

とにかく北朝鮮はどんどん追い込まれていく。それ以前も、大変な状況で、みなさんもご存じの中で、制裁が次々とかかっているのが現状です。

そうした中で、まぁ、去年の12月に一度六者に復帰しましたが、結果的に、この、2.13の共同・・、六者協議合意がでました。それをもっと一つ言えば、その間にご存じの通りアメリカの中間選挙がありました。これによって共和党が負けて、ブッシュ大統領は、ある程度の変換を余儀なくされたのは
事実です。

さて、この六者協議の中で初期段階という、つまり寧辺(ヨンビョン)とい開発センターの施設を凍結すると5万トンの原油をやると。しかも、60日以内に実行しろと言う合意があり、核を完全無力化すれば、100万トンやると。

くわえてですね、この合意に関して、ご存じのように、日本政府は、“拉致問題が解決しない以上一切のエネルギー支援をしない”それで良いですねとモスクワも北京も納得させた上でサインをしたわけです。それをですね、何故かバスに乗り遅れるとか、日本が孤立化してくるとか、どうしてそう言う解釈がでてくるのか、私にはわかりません。見事な日本の外交勝利です。

まぁ、日本の外交の孤立化とか非難する人はですね、そうでなければ、日本は対米従属だと非難するに決まっています。これは、見事な近年にない外交的勝利だったと私は思います。

では、ブッシュ大統領は、変節したのか?
確かに変節しています、ある意味で。
元々は、完全廃棄しない限り、一切の援助はしないと。それをですね、二カ所の施設を止めれば、5万トンやる、この二カ所の施設を止めるというのは、1994年の米朝枠組み合意と同じ事なんです。

その時は、50万トンを何年にもわたり・・結果的に400万トンただ取りされました。

しかし、今回は、『5万トンでどうだ』と言ったら、そうしたら金正日はOKをだしたんですね。
しかし、今トラぶっています。60日以内には出来ないでしょう。

しかし、金正日は10年前は50万トンのところ・・プラス400万トンのことを考えればですね、80分の1でサインをしたんですね。それぐらい追い込められている。

しかし、一方で、BDAの問題があります。これで2500万ドル、戻さなくちゃいけない。これでアメリカは譲歩した。とんでもない認識不足です。まず、先ほど言ったように、2005年の9月には、“懸念先”であると指定したんです。今回は、間違いなく、その行為に荷担したと断定したんですね。あとは銀行の判断に任せると。アメリカは逆に投げた。ですからアメリカは以前より指定は強化した。

これはどういう事かと言いますと、問題は、2500万ドルじゃないんです。
この2500万ドルであれ、いくらであれ、北朝鮮と取引をした銀行は、アメリカからそう言う指定を受けて、外為=為替取引ができないんです。

ですから、今のこの『2500万ドルがまだ手元に届いていないから、協議に参加しない』という北朝鮮の問題は何かと言いますと、この2500万ドルをどういう形で北朝鮮に渡すかと言ったときに、中国銀行経由で渡すと。ところがですね、バンク・オブ・チャイナ、その2500万ドルを自分の銀行経由で北に回したら、その汚れた金を扱ったとして、アメリカからまた指定を受ける可能性がある。非常に、政治的に、問題は苦しいんです。

それが故に、北朝鮮に2500万ドルが渡っていない。
逆に言うと、北朝鮮はそれをもらうまで、もう一切交渉に出ないと。

つまり、5万トンでも欲しいのに、それも首領様の4月15日(太陽節)までに、なんとか手に入ればと言うことで、あの時点で何とか60日という事でサインをした。アメリカはですね、もっというと、ブッシュ大統領は、2500万ドルぐらいくれてやると。しかし、指定先に決定しろと言う形で今

もう一つは、その文書の中で、8項目ぐらいあったと思いますが、その最後の方にですね、朝鮮半島の平和体勢について協議を開始すると。この平和体勢、つまり朝鮮戦争を休戦状態から、平和条約締結に持っていくと、その文を、韓国左翼、今の盧武鉉政権はそこにスポットを当ててもう、米朝は、明日にでも、国交正常化を果たすんではないかというプロパガンダをやっている。

ですから、私も、まぁ、ソウル新聞、韓国の、これは政府系と言われますが、その記者に、『米朝が国交正常化をしたら日本はどうするんですか?』という質問を受けました。米朝が国交正常化をするわけないじゃないですか、今の状況で。そう言う認識もない、ただただ平和ムードを煽って、南北統一に向家手と言いますか、逆に言えば、北主導の赤化統一に向かっていると言うことです。

ポイントはですね、この六者協議を、金正日がますサインしたのはですね、先ほど言いましたとおり、もう様々な制裁がかかっていて、その中で唯一金になるのは、韓国です。ところが、韓国はですね、去年の10月の核実験以降、支援を停止していました。その支援再開のための何かきっかけが必要だと。これが六者協議の合意です。六者協議で、核問題はですね、100万トンで無力化になると。次は米朝の国交正常化だ。日本は拉致で騒いで、日朝は後れをとる、バスに乗り遅れるという風潮です。

しかしですね、先ほど言ったように、日本は一切金を出さない。そうなると、バスに乗り遅れるんじゃなくて、バスは待ってて日本が乗り込むまで、発車できないんです。

何の問題もないのを、孤立化だの、ブッシュの変節だの、ここに、拓也さんもいらっしゃいますが、ブッシュ大統領は早紀江さんにお会いしたときのことは絶対に忘れていないし、拉致を絶対に置き去りにしない。それを、こうブッシュ大統領が変身したような形で、どんどん解説が出てくる。そんなの、全く誤った見方です。

さて、まだ話は言いたいことあるんですが、拉致に関して言います。
拉致問題をどうするかと言ったときに、まずよく言われる、拉致は日朝の二国間だと。ところがもう皆さんおわかりのように、二国間の問題ではありません。最低12カ国の犠牲者=拉致被害者が出ていますし、プラスその被害状況がどんどん明確に証拠が出て、家族達が名乗りを上げています。

この拉致問題を解決するには、拉致の国際化を広げていく、まぁルーマニアでも弟さんが名乗りを上げていたり、ご存じの、タイでも、マカオにも、こういう方々と協力して話を盛りあげていく。

実は2月に中国で社会科学院の人間と話をしたんですが、彼等は、中国人、−−当時はマカオですが、ポルトガル領でしたが−−拉致された事実関係も知らない。『え?そう言うことがあったんですか?』というぐらい。

ところがまぁ、これを上手く持っていかないとですね、『13億のうち一人や二人、そんなものは、どっかにいってるだろう』というような認識があります。

ですから、あの大中国が、北朝鮮の工作員の不法侵入を許して、自国民をこっそり連れて帰れるような、そういうことで、メンツが保てるのかという言い方でですね、中国に対して話をして、その資料も渡してきたんですが。

そう言う形で、中国もとにかく『日本は二言目には拉致だ、拉致だと、うるさい』というような言い方を変えさせて行かなくてはいけないし、事実、温家宝首相もきて、前とはトーンの違った言い方をしています。ですから、そう言う形で、拉致問題を国際化して国際世論を強めていくべきだと。

もう一点、韓国で、ご存じの朝鮮戦争の時の拉致問題があります。8万3千人ほどがリスト化されたものであります。私も、その活動している事務所には、何年も前から行っていたんですが、正直申しまして、戦争中だからいろんな事があるだろう、それを拉致というひとくくりにして良いんだろうかと、正直言って数年前にその事務所で話を聞いたとき思いました。

ところが、今年、また行ったんですが、あの朝鮮戦争が1950年の6月25日に始まりましたが、その数ヶ月前、金日成のサインで南から50万人の人間を連れてこいという、この拉致指令命令書が発見されました。

つまり、朝鮮戦争の開戦理由の一つは、南の優秀な人間をとにかく北に連れてくるというのが一つの戦争目的でした。それの証拠が発見されました。実際8万3千人がリスト、名前、出身、写真、職業も含めまして、わかっているんですが、その統計を整理してみるとですね、男がほとんど、つまり女性はほとんど拉致されていない。プラス若い人。プラス、職業が、いわゆる技術者、知識人・・・、そう言う方々以外は、ほとんど拉致されていない。

被害家族との、インタビューをその事務所がやっているんですが、とにかく人民軍が来て、路地を入ってきて連れて行く。北朝鮮でいうところの“人定了解”がすんでいた。とにかくそのターゲットを絞って拉致していった。それを、金日成の指令は50万人で、現在8万3千人の被害が明確になっている。拉致は朝鮮戦争以前からあった。

今の日本人拉致問題は、まぁ荒木さんの所の・・(私も関わっているんですが)特定失踪者問題調査会では朝鮮戦争前後からいろんな失踪者のことをリスト化しています。しかし私は、やっぱり金正日が三号庁舎を握った1976年以降が金正日の指令によって拉致されたんで、それ以前はどういうシステムで、拉致が行われたか良くわかりませんでした。まだ指示命令系統、実行機関については研究の課題ではあるんですが。

金日成が1950年に拉致指令書をだしたということが、今回わかってこれは、もう明らかな拉致です。ですから、北朝鮮の歴史は、イコール“拉致の歴史” ということが言えるんではないかということをお伝えして終わりにします。

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※このエントリーのテキストはblue-jewelさんの手によるものです。
※藤沢集会の録音・写真撮影・ネット公開については主催者の同意を頂いております。


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07.3.31 加藤博氏 第16回藤沢集会(1)藤沢産業センターにて

第16回藤沢集会
07.3.31 藤沢産業センターにて

『加藤博 北朝鮮難民救援基金事務局長の講演』


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ご紹介いただきました、北朝鮮難民救援基金の加藤でございます。(拍手)
最初に、貴重な場面を提供していただきました、救う会神奈川に厚くお礼申し上げます。

今日はですね普段と違って私は少々辛口な話をするかと思います。

みなさんも、もう、既にご存じの取りね、拉致問題を巡る状況というのは、非常に容易ならざる状況だというふうに思います。
それは、先日の六者協議の中身をみてもわかるとおり、アメリカが大きく変身をしました。
これは、身が変わるという意味でもありますし、その気持ちが変わったという意味でもあります。この辺の事情については、私よりはるかに詳しい方が、たくさんいらっしゃると思いますので、詳しくは申し上げませんが、実際にはそのようになっていると思いますが。

その典型的な例は、バンコ・デル・アジア=偽札のマネーロンダリングをした張本人、ここと取引をした。
ここの不法資金の凍結を解除した。これは、北朝鮮に摂っては非常に大きな、プラスですね。
逆に言えばそれがあるために、北朝鮮は息の根を止められそうになっていた。

そう言うことがあるにもかかわらず、アメリカは、直接六者協議のテーマである核問題とは関係のない、不正資金の問題と取引をしたということですね。

これは、全体的に今北朝鮮の核問題や、その他の人権問題を解決するための大きな制裁決議が、世界的な規模で進んでいる制裁決議が、大きくほころんできたということだと思います。

ほころんだと言うことは、これは、昨年の12月の国連総会で、北朝鮮に対する人権非難決議案が通りました。これは世界が合意して北朝鮮に対する制裁が、始まったという意味でした。

しかしこれが、アメリカが六者協議の中で変身をしたことによって、これは、非常に、有名無実になりかねない。そういう方向に、大きく流れていると、言うふうに理解すべきだろうと思います。

しかし、日本が、独自で経済制裁をするということは、日本国としての立場、日本国民としての立場を明確に北朝鮮に知らせるという意味では有効なことでありますけれども、実際にこれが解決の糸口になっていくというのは、大変難しい状況になってきている。

つまり、日本が、このままの状態で行けば、孤立化していく。

拉致問題は、日本の問題というかたちになってですね、これは六者協議のもとでの、二国間の問題と言うような位置づけで、先日ハノイでやられたようなかたちに、どんどんと、この問題が、二国間の問題になっていく。

アメリカは核問題をやる、日本は拉致問題をやる、そして韓国は、南北の共同の民族同士というスローガンのもとに、経済支援をしていく。各国がもうばらばらによそを向いているんですね。
そして中国は、ピースメーカーとしてですね、一番言い役回りをしている。

平和主義者の顔を世界に振りまいていく。そんなかたちに

ですから、今のままの状況では、日本からの発進力というのは、相対的に低下せざるを得ない。
ますます弱くなっていくんではないかと言うふうに思います。

こういう状態では、全ての問題の根源である金正日体制の、独裁体制に由来するところの、拉致の問題、人権の問題、核の問題、すべてが解決するのは難しいだろう。

このような大きな流れを、どうして解決するのかというのが、私たちの目の前突きつけられた、そういう課題ではないかと。

つまり政治家は、変身したんですね。
自分たちの政治目的のために、人権も、拉致も、横にしてしまう、捨ててしまう。

このような状況は、いっぺんに起きるわけではありません。


私たちが、昨年の12月に、北朝鮮人権問題啓発週間、と言うのが行われました。
−−日本版北朝鮮人権法が提出されて、その人権法に基づいて、北朝鮮人権週間というのが行われました。その中の国際会議の中で、いみじくも、今私が言ったような形を指摘しました。これは、私だけでなくて、そこに参加したアメリカからの代表も、日本の他の代表も、それから韓国からの代表も、そのように言ったわけですね。

ですから、それは1日にして変身するものではなくて、日々変わっていく。
結論はわかっているが、そのような結論を導き出したとしたら、国民の反応は、世界の反応は激しいものになります。ですから、徐々に徐々に変えていくという形になるけれども、最終的には、私たちが考えているような、『』人権の問題、それから拉致の問題、これが解決出来ない方向に持って行かれてしまうのではないかというふうに、非常に危惧しています。

そのためには、政府頼み、あるいは政治家頼みではだめで。私たち一人一人が、かくあるべきであるという、確固とした、やっぱり戦略目標というものを、それから、それを実行するための政治的手段を作っていかなければならない、そう言う段階にあるのではないかなと私は思っています。

私たちが拉致の問題で思うことは、これは、これは、私たちが、こういう集会をやって、日々状況を知ることは必要ですけれども、先ほども言いましたように、アメリカの国内、あるいは、ヨーロッパの方にも、拉致問題について提起はしています。

その多くの意見が、必ずしも、日本の国民の意識や意見とは一致してはいない。つまり日本の拉致問題は、北朝鮮と話をすればいいじゃないかと言う考えが、まだまだ強いですね。つまり、二国間の問題だと、そう言う考え方だと思います。

ですから、六者協議の中でも、二国間問題としてこの問題を解決するようにと。主要なテーマからはずしてしまう。そういうような形をどんどん進めていく。そう言う形が、今進められていることだろうと思います。

この拉致問題を、大きく私たちは今まで、前進させてきたと思います。
救う会も全国にできて、家族会も頑張って、そしてその主張を支持する多くの国民があって、ここまで来たと思うんですね。

しかし、この動きが今、はしごをはずされてしまうかもしれないという状況にあるのではないかと。

そのためには、私たちが、大きな戦略目標を持って、その手段を構築すべきだというふうに私は言いましたけれど、北朝鮮の独裁体制の問題から、この問題が起きているならばですね、これは、拉致問題だけでなく、北朝鮮における強制収容所の問題、それから、科学兵器の開発、核兵器の開発。全て関係があるんですね。

ですから、そういう問題として位置づけて、拉致問題もその中の一つであるというような、そういう包括的な問題として考えていく必要があるんじゃないかと、私は思います。

そして、今まで拉致問題の多くの情報が、これは日本政府がもたらしたものでもなくですね、これは、北朝鮮から逃げ出して、韓国にやってきた脱北者−−北朝鮮の難民ですね、私たちは、『成功した難民』と言いますけれど−−ようやっとの思いで韓国にやってきた、そういうひとたちのなかから得られた貴重な情報によってですね、拉致問題を今まで、ここまで前進させてきたんだと思います。

しかし、これは、言ってみれば、私たちがそう言う人たちの存在を知り得たから、そういう発展の道筋を見付けられたのであって、まだまだ、多くのそういう情報を提供できる人たちがいるに違いないんです。

私たちは、救う会がどれほど、そのことをやっているかはわかりませんけれども、私が言えることは、北朝鮮難民救援基金としては、北朝鮮から脱出してくる難民を助けて保護しています。こ数は年々増えています。昨年で、韓国に到着した人間は、一万人を越えました。日本に来た人間は、150人になります。これからも増えます。

今年の2月の末から、“北朝鮮難民の実態調査団”というのを、タイに私たちは、送りました。特定失踪者問題調査会、あるいは北朝鮮帰国者の命と人権を守る会、カナダの人権活動家、アメリカの人権活動家を入れて、調査しました。

そうしましたところですね、一昨年は、北朝鮮から脱出してきて、タイにたどり着き、タイが国外退去処分にした北朝鮮の難民というのは、900人です。そして、2005年が100とすれば、2006年は、300を越えています。そして今年、2007年の2月までで、もう120名を越えています。2月までで。このように急速に増えているんですね。

しかしこの中にどういう人たちが含まれているかということについて、つまり拉致問題や北朝鮮の独裁の状況について、もっと的確な、そして私たちが有効に利用すべき情報を持っている人がいるかもしれないんですが、その情報を得ることが出来ません。

その人達が今望んでいるのは、アメリカに行くこと、韓国に行くこと、日本に行くことですが、彼等がそれぞれの国に行ってからではですね、その国の統制があるために、その状況を的確に知ることが出来ないんです。

本当に拉致問題を解決するというのであればですね、難民問題も同時に解決するように、そのを脱出してきた人間から情報を的確に取るような体勢をとらなければいけないんですね。

これはまぁ、NGOだけでは無理なのかもしれませんが、だからといってこれを政府にやれと言っても、政府は出来ないんですね。これをやるのは、やはりNGOしかないんです。

ですから、難民から的確な情報を収集してこれを解決に役立てるような、そう言う組織を新たに展開させる必要があります。

それくらいの大胆な発想と大胆な行動力がなければ、今の情報を突き破って、新たに新たに新しい情報を入れてですね、世界の世論を変えていくだけの力にはならないんだろう思います。

我々はここで話を聞いているだけではダメで、実際にそういう何らかの活動、力に結びつく活動を展開しないと難しいと思います。

ですから、私の考えとしては、積極的難民の受け入れというのは、北朝鮮国内からの直接的情報を得る貴重な場でありますから、そのように色々な場所に、それぞれにふさわしい形で、そういう機関を作っていく。NGOが作っていくということがどうしても必要だと思います。

ですから、そういうアピールがあった場合は、皆さんの中から是非参加してもらいたい。
力のある人は、力を、お金のある人は、お金を、知恵のある人は知恵を出してもらいたいというふうに思います。そのためには、一つ一つの可能なかぎり実態調査団を派遣していく。

これは、私の個人的な発想の段階ですが、日本を主体としてですね、北朝鮮の人権問題、拉致問題も含めた人権問題をフォローするためのですね、そういうNGOを展開する、それをタイやラオスで展開するだけのですね、大きな動きを是非作っていきたいというふうに思っています。

積極的北朝鮮難民の受け入れは、効果的な反撃の材料になります。ぐらついている政治家の気持ちを正し、曲がった方法を正し、そして実際の問題を解決する力になりうると思います。

私はそのためには、いろいろなやるべき事はあると思いますが、それと同時にですね、北朝鮮の国内に直接メッセージを届ける方法を考えなければいけない。
まだまだ北朝鮮国内では外の状況がわかっていません。
日本から放送される“しおかぜ”は、妨害電波にやられます。これは、彼等が恐れているという証拠ではありますが、つまり効果的な影響力を及ぼすという点では、限界があります。勿論やらないよりはやったほうがいいし、やるべきだと思いますけれども。これだけで満足していてはダメですね。

直接北朝鮮の国民一人一人が、自分の目でみられるような自分の目で読めるようなものを手にする必要があります。そのような、直接メッセージを届ける方法について、北朝鮮の国民の中の良識=良質な部分に対して、このメッセージが届くような、そう言う工夫もしなければならない。

そう言う問題を抜きにして、いくら私たちが遠くからですね、北朝鮮の非人道的な、非民主的な、独裁的なことを言っていてもですね、彼等が変わる可能性はないと思います。私は、みなさんが、北朝鮮に直接メッセージを届けるための行動提起があったときには、是非それに参加していただきたい。

今の段階でどういう行動提起をするかというのは、私の口からは今申し上げられませんが、これは近々そういうようなことになるだろうと思います。

私の方からはこれぐらいのことにしておきたいと思います。(拍手)

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★第16回藤沢集会 テキスト一覧表

第16回藤沢集会
07.3.31 藤沢産業センターにて

1 加藤博 北朝鮮難民救援基金事務局長の講演
http://piron326.seesaa.net/article/38867871.html

2 恵谷治氏(ジャーナリスト)の講演
http://piron326.seesaa.net/article/38868192.html

3 三野由美子 藤沢市議会議員の挨拶
http://piron326.seesaa.net/article/39320276.html

4 特定失踪者家族の訴え
http://piron326.seesaa.net/article/39320399.html

5 横田拓也さんの訴え
http://piron326.seesaa.net/article/39439204.html

6 萩原遼氏(ジャーナリスト)の挨拶
http://piron326.seesaa.net/article/39480042.html

7 荒木和博 特定失踪者問題調査会代表の講演
http://piron326.seesaa.net/article/39546992.html

8 パネルディスカッション その1
http://piron326.seesaa.net/article/39986941.html

9 パネルディスカッション その2
http://piron326.seesaa.net/article/40107199.html
posted by ぴろん at 07:07| Comment(0) | TrackBack(0) | ご挨拶&お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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