2007年05月30日

07.5.25 荒木和博氏2 戦略情報研究所講演会(2)UIゼンセン会館2階会議室にて

戦略情報研究所講演会 講師:荒木和博氏・真鍋貞樹氏
07.5.25 UIゼンセン会館2階会議室にて

テーマ 拉致問題解決に何が必要か、何が足りないのか
          -----基本的枠組みの提言-----

『荒木和博 特定失踪者問題調査会代表の講演 その2』

〜〜安全保障面から見た拉致問題解決のための提案〜〜



それから、この第3国に出られない場合のことですが、これは自衛隊を使うしか方法がございません。
私、今月出ています6月号の月刊正論に書いてございますが、ともかくですね。
拉致被害者救出に自衛隊を使うのは当然のことである、いうふうに考えます。
これは、そういう事のために軍隊と言うのは存在するわけでございまして、国際貢献もあるいは災害派遣もそれは大事かも知れませんが、軍隊としての本来業務としては一番の本来業務ではない。
軍の本来の仕事は国民の生命と財産を守ることであるという事でございまして、そのための、これはあまり具体的に話できる部分と出来ない部分とがあるんですが、それを進めていく。

それが話ができる部分で言えば、北朝鮮の体制がひっくり返ったときにですね。
その時にこれは邦人保護という事で行かなければいけないわけでありまして、相手がどうなっているのか分からないところに行くのはですね。
そういう何かあっても対応できる組織が行かざるを得ないわけで、これもやはり自衛隊という事になるだろうと思います。
これは今後、拉致議連なんかとも連絡を取りまして具体的にですね。
今まで・・・(聞き取れず)など何人かが声を上げているだけなんですが、それを何とか世論化してそして実現に持って行きたいというふうに思っております。

そして国際活動、様々な人権活動と言う意味では、この国内外のNGOとですね。
連携して金正日体制その物を圧迫していくという事が当然必要であろうと言うふうに思います。

それから国連の人権委員会に強制的失踪に関する作業部会というのがありまして、ここにかつて私も救う会の事務局長であったとき増元さんと一緒に参りまして、ジュネーブですが、この届けをして来た事がございます。
実際にはそれほど効力と言うものは無いんですが、国際的なアピールという意味はございまして、今後1000番代リストの方、それから0番代リストの公開の方、非公開の方でも希望する方があればもちろん構わないんですが、ご家族の了解を取った上でですね。
届けを出していきたいというふうに思っています。

それから政府への対応ですが、これは私どもは基本的にですね。
建設的な緊張関係という事で、決して何でも反対ではなくて是々非々の立場でいくという事も今後も維持をして参りたいと思っております。

それから国会への問いかけですが、拉致議連とも提携的な連携を強めていきますが、特に具体的にですね。
協力してくださいという事では仕方が無いので、こういう質問をしてもらいたい。
あるいはこういう質問書を出してもらいたいという事をやっていく予定にしております。
早ければ今月中にも一本ですね。
質問趣意書を西村幹事長の方から提出をしていただくつもりです。

後、法律制定・法改正、これは詳しい事は・・・(聞き取れず)もらえば分かると思いますが、具体的にですね。
法律的で今不備な部分がたくさんあるということで、現在の拉致被害者支援法の改正。
それから北朝鮮人権法の改正ですね。
そして拉致情報を得るために司法取引を認めると。
現在日本では司法取引が認められておりませんが、拉致の実行犯がかなりの数まだ日本国内にいるわけでありまして、この人たちから情報を取るために司法取引が出来るように刑事訴訟法の改正も薦めなければならない。
いう事等々を働きかけてまいりたいと思っております。

それから北朝鮮の権力層の一部でですね。
金正日側で無い人たち、との連携も模索していきたい。
この間ネットなどでご覧になった方もおられるかと思いますが、金平一という金正日の異母兄弟が、堂々とポーランドのマスコミに出ておりまして、息子と娘も一緒にですね。
ポーランドの大学と大学院に通っているそうですが、出ておりました。

この人が顔を表すのは、私が覚えている限りでは金日成が死んだ94年の7月以降に一回だけですね。
マスコミの前で、どこかの大使だった時に大使館の前に出てきて外国のマスコミの前に顔を表した事が一回だけありまして、その時は確か「金正日はしばらく後継しないと思う」というような事を言ったと記憶しているんですが、それ以降また全く消息が消えておりました。
今回こういうふうに出たというのはどういう意味があるのかというのは、今ひとつ分かりませんが、少なくともこの人が一つのキーマンである事は間違いないので、可能であれば直接一度ポーランドまで行って大使館を叩いてみたいと。
中々会ってくれるとは思いませんけど、物は試しですのでやってみようかなというふうに思っております。

これは例のバルーンのイ・ミンボクさんと会いましたときに言っていたんですが、現在の脱北者の人たちはですね。
やはり非常に苦労して来ている。
北朝鮮の中で生きていくためにこれは非情に苦労せざるを得ない。
生きていくためには人も騙さなければいけない、いう事でですね。
ともかく韓国に入ってきた脱北者でも、要は人に感謝するとかそういう気持ちが無いんです。
これは自分自身も脱北者だからそういう面があると言いながら彼は言っておりましたけど、結局ですね。
人が何かしてくれても、これはおそらく自分の得になるからやっているんだろうというふうに、つい思ってしまう。
という事で、そのまま率直にありがとうというふうに中々言えない。
だからそういう事で言うとですね。
結局何だかんだ言っても今北朝鮮でちゃんと飯を食えている人間、こういう人たちをですね。
体制が変わってもある程度使っていかざるを得ませんという事を彼は言っておりました。

これは現実的な問題としてそうだと思います。
そこにいる人を全とっかえするという事が政治的に不可能な以上、少なくともよりマシな人間をですね。
と手を組むという事は現実問題としてせざるを得ないのではないか?
もちろん最終的にそういう人たちをどういうふうに裁くか?というのは北朝鮮の人たちの問題でございまして、我々がやる事じゃないんですが、いずれにしてもですね。
我々はそういう事も視野に入れて行なう必要があるんであろうという事でございます。
そこすべてをやはり動かして行く事が必要という事であって、これはもう決断を持ってするしかない。
そんな事をしたらこういうトラブルがある、そういうトラブルがあると言う事がというふうに思う人がいると思うんですが、細かいトラブルで止まっていたら大きなトラブルを解消する事は出来ません。

こういう事を言うと誤解を生むかもしれないんですが、私はですね。
日本人が拉致されていることについて、いまひとつ正直にいいましてですね。
北朝鮮に対してあまり怒らないんです。
どうしてかと言うとですね。
怒りと言うより、やられたことの恥ずかしさと言うか、これだけの大国で国際的地位もあって経済力もあるこの国がですね。
あの北朝鮮ごときに拉致被害者を何十年もですね。
拉致を続けられて来たという事が、それ自体非常に恥ずかしいことで相手に怒る以前、自分の恥としか考えようが無い。

ただし、北朝鮮の子供たちがですね。
飢えとか寒さの中で死んでいくという事に対しては、私はやっぱり正直言って怒りを覚えざるを得ない事でございます。
もし仮に拉致をしていてですね。
拉致被害者を、外国人を拉致してくる。
そしてそれによって自分の国の国民を助けようという事であれば、これはもちろん我々認められるわけじゃないですよ?
認められるわけでは無いんですけど、そういう考え方もあるだろうという事は言えます。
しかしあの国は、外国人は拉致してくる。
核兵器は作る。
そしてその上で自分の国の国民は殺していくという事でございます。

金日成の遺体が祀られている錦繍山(クムスサン)宮殿、これをですね。
元々金日成の執務していた建物ですが、これをいわば記念宮殿という事で直すためにですね。
使った金と言うのは、とうもろこしを買えば3年間北朝鮮の国民が食べていけるだけの金を使って、一人の死体を祀るだけの物を作った。
その為に膨大な数の人が死んでいったわけでありまして、このような体制をですね。
これは、我々は絶対に許す事は出来ない、いうふうに確信をしております。

それをやっていく事がすなわち日本人の拉致被害者を救出することでありますし、そしてこれを日本がですね。
先頭に立ってやっていく。
アメリカに任せるんではなくて日本が先頭に立ってやっていくという事が、それから先日本が外国から被害を受けたりしないという事につながってくるのだと言うふうに思います。
日本と言う国は主権を侵害したら何をしてくるか分からない。
いう事があるからこそ外国からのそういう攻撃を受けなくて済むわけでありまして、我々はやはりそういう意味でですね。
こういうものに対しては戦っていくという姿勢を持っていかなければいけないだろうと思います。

残念ながら日本政府の基本的な姿勢と言うものは、外国に対して頼むという事とそして北朝鮮に対しては話し合いをしていくという事の根本的なところが変わっていないわけでございまして、この姿勢はやはり変えていかなければいけないいうふうに思います。
そんな事が今のこの国でできるのか?と言うふうに思われる方、多いと思います。
しかしそれは決して出来ないことではない。
我々自身がこの国の力を極めて過小評価しているというふうに私は思います。
この国の力を持ってすればですね。
それくらいの事は簡単に出来るわけでございまして、要は決断の問題であります。

安倍さんは今までの歴代の中では、一番拉致問題に対して一生懸命やってくださっている方だという事は、我々も間違いなくそうだというように思っているんですが、まだ今のところそこの決断には残念ながら至っているとは思えない。
何とか話し合いで、あるいはアメリカの協力を得てというところがですね。
私に取りましてはやはり極めて不満でございます。
そこを乗り越えていただかなければいけません。

ただこの問題と言うのは、この間くじで6億円近くのくじが当たりましたが、あれのようにキャリーオーバーが何年もの間ず〜っと嘘とごまかしが積み重なって来てしまっている。
この国の国家権力にそういうものが沁み込んでしまっているわけで、これを叩き壊してしまわなければ問題は解決を致しません。
それをやってもらわなければいけない。
やるためにはおそらくとんでもない事が起きると思います。
安倍さん自身が失脚する事を覚悟してもらわなければいけないですし、場合によったらば物理的な生命を失うことも覚悟してもらわなければいけない。

しかし、政治家と言うものはそういうものでありまして、この間の愛知での警察のSATの方が亡くなったり、あるいは消防士の方がですね。
消火活動の中で殉職する方もいる。
今のところはそういう人は出ていませんけど、戦争になれば自衛官だって当然戦死していくわけでございまして、政治家も当然その中でですね。
死ぬ事を覚悟してやってもらわなければ意味が無いわけでございます。
ですからそれをみんなで覚悟してもらわなければいけないですし、政治家にその覚悟をさせるためには国民にそれだけの覚悟がやはりなければいけない、言うふうに思います。

拉致問題がこれから明らかになってくればですね。
今我々が想像もしていなかったような事が、どんどんどんどん我々の目の前に迫ってまいります。
それを本当に我々が受け止める事ができるか?
これは我々自身に腹があるかどうか?にすべてかかっています。
見なければ良かったと、知らない顔をして歳をとって死んでいけば、この国は平和でいい国だと豊かでいい国だという事で終っていたかもしれない。
そうしないために我々はですね。
そういう事をしてしまえば次の世代にツケを回す事になるわけでございまして、そうしないで行かなければいけないだろうというふうに私は思っている次第でございます。

私はどちらかと言うと総論的なものですが、また真鍋の方からもいろいろお話がございますので、とりあえず一旦私の話を終らせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)

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この講演会のテキスト化及び音声のネット上への公開については、調査会代表の荒木氏の了解を頂いております。


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