2008年12月29日

宋允復氏 北朝鮮テロ全体主義国家の実情を訴える6団体共同集会第3部より

北朝鮮テロ全体主義国家の実情を訴える6団体共同集会 <アジア人権人同学会の設立準備期成会>
第3部「共催6団体他、北朝鮮の人権改善を目指す人々による大発言会」より
08.12.14 明治大学リバティータワーにて

 司会:川島高峰明治大准教授
 次に守る会から宋允復さん、おそらく世界で一番脱北者の話しを聞いている、それを通訳してきた方じゃないかな(宋氏照れ笑い)、と

★宋允復氏(北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会・NO FENCE)

 余りにも大げさな紹介で恐縮です。私もあまり忍耐力のあるほうでありませんで、時間も長引いておりまして頭も雑なもんですから、はしょった話しになると思います。

 この場に集われている皆様は、懐かしい面々で一杯なんですね。基本的に自動的に情報を聞いて帰ろうという方々じゃなくて、能動的な、実践的な関心からわざわざ日曜日に、雨の降る中こうした場に集われる貴重な皆様でございます。近くに野球場(東京ドームのこと)がありまして、野球のシーズンになるとまあよくも飽きもせず、毎日のように詰めかけますけど、これだけの私としては主観的には貴重な場にはこの教室が埋まるか、埋まらないかの皆様でございまして、その意味で尊い皆様とこうしてお話しできるのは、大変幸栄です。

 今回の集いが、6団体共催という形が取れたということ、これは既に壇上で話された方々のお話しを伺えば、一体誰の働きでこういう形になったのかということは、皆さんお感じになると思うのですね。特に特定失踪者問題調査会は日本的にも、国民の認知を受けた団体でありまして、伝え聞くところによりますと、何で(調査会の)単独で集会をやらないんだ? というようなお話しもあったようですけども、単独の集会というのは常々やっていることであるから、こうした場で体系的に北朝鮮の内部の問題を知るということは大事な機会ということだというご判断を、代表の荒木さんがされまして、こういう形で実現したということがかなり大きかったようです。その意味で大変ありがたい機会です。

 で、わたし、紹介のありました守る会でも一応事務局長ということになっております。で、先ほど代表の砂川がごあいさつをしましたNO FENCEでも事務局長です。実態は、言葉もできる(朝鮮語を解する)し、定職もないから折り良くあっち行け、こっち行けと使われているのが実態なんです。

 そのぶんアメリカに行ったり、韓国に行ったりいろいろな機会がありまして、その中で北朝鮮の人権問題を通して、日本が国際社会においていかなるプレゼンスを持っているかを、折々肌身で感じる機会がありましたので、近々数ヶ月の経験を交えてお話しさせていただきたいです。

 韓国で弁護士協会みたいなものがありまして、どうしても左巻きみたいな方が多かったみたいです。学生時代に主体思想とか、マルクス・レーニン主義やって弁護士になった方が主流であって、だから脱北者の問題とか北朝鮮の人権問題には非常に消極的なんですね。

 それではいけない、という反省の声が強くなってようやく去年、北朝鮮人権白書というのが、大韓弁護士協会主催(日本の日弁連に相当)で編纂されました。それを日本の弁護士の先生方が日本でも翻訳したいということで、私もお手伝いして、弁護士の方と韓国に話しに行ったんです。

 そしたら大変なんですよ。ちょうどその時が慰安婦問題で強制性があったか、なかったかで新聞で意見広告を出したか、出さないかでアメリカの上院で決議を通るか、通らないかで、ちょうど折悪しくといいますか、私が日本から行きまして、私がこうやってコリアンネームで、コリアンだとやってるにも関わらず、日本の団体から来た人間だということで、途端に議論を吹っかけられまして、「北朝鮮の問題もいいけれど、日本の過去の問題はどうなんだ?」という話しになるんですね。

 それがボランティアでやってる学生ならまだしも、少なくとも緻密にいろいろなことを下調べして、裏取りをして文書を作るプロのはずの弁護士のセンセェが頭に血を昇らせて、そういう形で食ってかかるわけでありまして、大変難儀で、なぜか私がそれを弁明しなければならない立場に韓国で追い込まれまして、大変難儀だなあと。

 その時私が言いましたのは、「貴方方がマスコミレベルの情報だけでね、判断できるつもりになってはいけないよ」と。「どれだけ多くの人たちが表に出ない形で、北朝鮮の人たちの苦しみに思いを寄せて、汗を流しているか知らないだろう、君たちは。その知らないということに対する自覚さえ持てないね。それを何というか言うと、独善っていうんだ」そういう言い方までしたんです、わたくしね。韓国人は独善に陥りがちであると言いましたら、まあ判ったのか、判からないのか、まあそんな感じでした。

 それから後ちょっとありまして、今年5月でしたか、アメリカに行きました。行ったきっかけというのが、申東赫(シン・ドンヒョク)という(北朝鮮の政治犯強制)収容所で生まれ育った人間で、日本で本も出版(「収容所に生まれた僕は愛を知らない」ベストセラーズ)されましたけど、アメリカのリンクという在米コリアン中心にやっている団体が彼を招きまして、彼(申氏)は、知らない所へ行くのは心もとないから一緒に行ってくれと言いまして、私もお金もないし、ニューヨークなど全米の主要な都市を回る日程だったんですよ。それを全部回る時間も(金銭的)余裕もないからニューヨークだけご一緒しましょうということで行きました。

 向こうの団体の人たちといろいろ話しました。在米コリアンで、海外で一世たちが苦労して教育つけて、ガリ勉してるのが多くて、それなりに優秀なルートを歩んでいるのが多くて…。彼らと話しても、何か若干の壁というか、何かあるんです。何でかというと、日本から来た人間で日本の団体である、と。何故なんだと聞いたら、率直に言って「日本の人は、拉致問題しか関心ないんですよね」こういう言い方をポロっとするんです、しばらくするとね。

(宋氏は答えて)「そうじゃんないんだと、申東赫に聞いてみろ」と。彼がこの間何回日本に行って、多くの人たちと話してきたかと、多くの人たちが涙を流しながら、彼の話しを聞いているのかと。しかも韓国語の翻訳書籍が日本で一番最初に出てきて、1万部も出てるんだと。韓国で印刷されたのは3000部で、実際に売れたのは…、まあわずかなもんです、1000も出てないと思いますけど(500部程度らしい)。日本じゃ1万部出版社が刷りましてね。

 これで私が思ったのは、アメリカの連中もやっぱりわからないんだなと思いましたね。アメリカの人たちが言うのは何かというと、彼らと一緒に活動で回ったんですけど、彼らがもっぱらどこを回ったかというと、国連、ニューヨークにあります国連本部と、あとその周囲にあります在外公館、ヨーロッパ諸国の、そこを回って申東赫を連れて話しをして、ビデオを見せて活動しているんです。

 アメリカの国内でもっとやる所あるんじゃない? と言ったら、彼らが何を言うかというと、「いやあ、アメリカがイラクでああいう戦争を起こした」と。「ある意味で大義名分のない戦争を起こして、アメリカの信用は非常に傷ついている。そのアメリカが北朝鮮の問題で突出して動くと、また何を動機にしてるんだ? という疑いの目を向けられがちである」と。「だからヨーロッパの国にもっと動いていただきたいんだ」と、こういうことを言ってるんですね。

 私は驚きまして、予算規模を聞きましたら専従が10人くらいいて、私たちの団体からすると羨ましい限りなんですね、予算規模が二桁くらい違いましてね。その連中でさえこの程度かと、ちょっとラフな言い方になりますけど、後で編集してください、出すときは(笑)。や〜、これは難儀だなあと思ってまた(日本に)戻ってきました。

 今回日本で私たち、先ほど来話しが出ている国際会議やったんですよ。そこにアムネスティ・インターナショナルロンドン本部の東アジア担当のディレクター(調査員)、ラジブ・ナラヤンというインド人を招きました。今彼は、サバットといって1年間休職をして韓国の大学で教授をしています。これが終わったら、また来年2月、ロンドン本部に戻ってまたアムネスティの東アジア担当者として活動するそうです。

 その彼と話していまして私がぶつけたのは、「アムネスティというと、90年代半ばに北朝鮮の収容所に、平壌の郊外に勝湖里(スンホリ)という1級の政治犯を入れる収容所がありまして、その(収容者の)名簿をアムネスティが入手したんですよ。これを全世界に発信したんですね。そしたらもう北朝鮮が慌てふためいてしまって、慌ててその収容所を閉鎖して、その建物を一般の刑務所であるかのようにしつらえて、アムネスティの視察を入れるという、そういう実績のある団体でもあるんです。

 その団体が、私の目で見ると2000年以降どうも北朝鮮問題で消極的なように見えるんだが、どうなんだ? という話しをしたんです。で、その隣に日本のアムネスティの副理事長を長年なさっていた日本の女性もいらっしゃっていて、その方は、私たちの国際会議を日本のアムネスティの会員からのFaxで知ったんですね。そのFaxの文面を見せていただいたんです。

(文面は)こういう北朝鮮の収容所問題に焦点を当てた国際会議があるから、ぜひ行って欲しい。それに加えて日本のアムネスティは、何で北朝鮮の人権問題でもっとやらないのかと。日本のアムネスティの会員として非常にジレンマがある、じれったい。どうなってるんですか? という文面だったんです。

 私が、その方の問題意識と一致したもんですから、ロンドン本部から来た人に話しを聞いたんですよ。そうしたら言ったことはこうです。国際的には、北朝鮮の問題に関して人権上のトピックになってるのは、日本人の拉致問題だと。今国際社会では、日本人拉致問題でのイメージが大きくなっていて、しかも日本が過去の慰安婦ですとかその他諸々の強制問題に対して、そうしたことはなかったという否定するような動きを取り、そして北朝鮮内の人道支援に消極的である。

 そういうあり方に対して、アムネスティの各国ヨーロッパを含めた各支部において疑問を持つ一定の認識があって、それを収斂した結果、アムネスティとしては北朝鮮の人権問題間に関しては慎重にアプローチすべきであるという判断が立ち、それを日本のアムネスティも支持したんだ、と。

 私は、これは大変な話しだと思いまして、雑な言い方になりますが、無知もありますし、無理解もありますし、一体その程度の判断でそういう態度をとるのはどうなんだ? という一点でそれはそれとしてあります。
 非常にびっくりして、「あなた今言ったこと公に喋ってていいか?」と聞きました。(話しをした)その時は、国際会議の懇親の場でしたから、今各国からも、アメリカからも人が来ているよ、と。この場でアムネスティが、そのような認識で北朝鮮の人権問題に消極的であった、というあなたの言葉をそのまま伝えていいか?」と言いましたら「いい」と言いました。で、伝えました。今の私の伝え方でミスリーディングなところはないか? 誤解を招くところはないか? と確認して「OKである。その通りである」ということでした。

 そのインド人ナラヤンという人が私に言いましたのは「どうかこうした(北朝鮮の)収容所の問題、脱北者の問題で、日本がもっと国際社会でプレゼンス(存在感)を持って欲しい」と。「そして私がこういう国際会議に参加して、各国アムネスティから上がってきた意見に誤解がある、認識の過ちがあることは認識したから、それを持ち帰って来年2月からロンドンに戻った時に、北朝鮮の問題を積極的にやろうと思う」と。

「それにつけても日本からはもっと国際社会に日本国民が本当に北朝鮮の人権問題に憂慮し、その改善のために努力しようとしているあり方を、意図的にプレゼンスして欲しい」ということを重ねて言って、彼は帰っていったわけです。

 私は、韓国、中国がそういう意味である種日本に対するレッテル貼りをして見ているのはわかるという話しもあるし、何とか誤解を解かないといけないと思っておりましたが、アメリカ、ヨーロッパでもそうかということを知って、これはちょっとあまり無頓着に放っておいてはいけないなということを思いましたね。

 それにさらに追い撃ちをかけるように、最近イギリスの下院の外交委員会が、何か報告書をまとめたということを電脳補完録で上げていまして(http://nyt.trycomp.com/modules/news/article.php?storyid=7770
)、その内容を見ると、重点は何があるかというと、「日本と朝鮮半島」というテーマなんですね。

 要するに日本と朝鮮半島は、日本と韓国がしっくりいってないが故に、北朝鮮問題でアジアの大きな民主主義国、自由主義国としては双璧であるところの日本と韓国が、共同歩調を必ずしもしっかり取れていないが故に、北朝鮮の問題を進展させるのにマイナスになっている、と、何とかならないか、という趣旨なんです。それなんか見ても、やっぱりそういう図式で描いているわけです。

 で、日本人にとって拉致問題が感情的な問題であるということは、国際社会において理解されるべきである」と言うんだよね。感情的な問題なんでしょうか? 単に、そうじゃないですよね、単なる感情的な問題じゃありません。しかもそれがメインじゃないんですね。メインとして扱われているのは何かというと、この従軍慰安婦問題というのが、国際社会においてなかんずく朝鮮半島において、非常に、未だに大変センシティブで感情的な問題であるということを、日本を含め国際社会が認識すべきである。こういうことなんです。

 先ほど来言っているような国際社会のある種レッテル貼りというのを、イギリスという下院の外交委員会という公的な人たちの報告書で、そういう位置づけをしてるわけなんですね。あ、これはますますいかんね、と思いますね。

 今、外の見かたの話しをしました。で、今度は、日本国内ではどうだったかというここ1、2ヶ月月の経験を話したいです。(人権団体の)ヒューマンライツウォッチの土井香苗さんという弁護士さんがいらっしゃいます。この方が、11初の初旬でしたかね、申東赫(シン・ドンヒョク)を日本の弁護士協会が招きまして、講演をしたんですね、弁護士会館で。

 で、日程が空いているのでもったいないので、ヒューマンライツウォッチ代表の土井さんがアレンジをしまして、外務省の複数の部署とあとはどこでしたかねぇ、麻布高校ですね、麻布高校で、本来は彼女単独で講演をする機会があったんですけど、せっかく収容所の体験者が来たというので、話しをしました。

 外務省の複数の内、一つは北東アジア課で、もう一つは別の部署です。別の部署というのが、11月の下旬に国連の人権理事会で北朝鮮人権状況決議が可決されましたけれども、その人権決議を通すために、日本政府を代表してロビーをやる、だから日本政府の実務的には最高の責任者、課長さんなんです。それがニューヨークに出張する忙しい合間を縫って、収容所の体験者が来たということで、直々に話しをしてくれたんです、忙しい合間を縫って。

 その方の話しを聞いて、私は驚いたんです。「いや、こういう収容所体験者の手記が、日本で出版されていることを、私、知りませんでした。土井香苗さんが、面談の直前に送っていたものだから読んでビックリして、今課内で回しています」って言うんです。局内で回してます、と。それはまあ新刊です。

 ところが、日本では既に10数年前、1990年代半ば以降、姜哲煥(カン・チョルファン)、安赫(アン・ヒョク)の「北朝鮮脱出」(文春文庫上・下巻)ですとか、あるいは収容所の警備兵をやっていた安明哲(アン・ミョンチョル)の「北朝鮮絶望収容所」(ベストセラーズ、ワニ文庫もあり)とかそういう本が90年代にいっぱい出ているんですね。そういう物が出ていることも知りませんとおっしゃいました。

 その(収容所の)中に日本から渡っていった人間がどんどん入れられていて、こういう類の扱い(虐待)をされてどんどん死んでますよ、という具体的な個人名がいっぱい載っているとう事実も知りませんとおっしゃいました。

 私はそれを聞いて、これはしまったなと思ったんです。私こういうものに関わっていますから、どうしてもテレビも盛んにやった、特に2002年以降集中豪雨的にやりましたんで、もうとっくにそういうことは知られていて、まして優秀な外務省の官僚の方々ですから、もう組織的に基礎的な情報というのは消化した前提の上に立って、国連などでどういう活動をするかという組み立てをなさっていると思ったところが、その基礎の部分が必ずしも共有されていない、組織として…。

 これと外の見かたというのが、ある意味で噛み合った所があったんです。拉致しか言わない。そうじゃないですね実態は。実態はそうじゃない。日本側が拉致問題に力を注いだ結果として、横田めぐみさんの夫であられる金英男(キム・ヨンナム)、彼のDNA鑑定なんかも、日本の動きがきっかけになって明らかになって、韓国内でその時大変韓国政府に対して批判しました。

 日本がわずか拉致問題で何年動いただけでこれだけ情報が出てきて、事実が判明したじゃないか、韓国政府は一体何をやってるんだと。何十年韓国人拉致被害者を抱えている問題を知っていながら、何もしないという意味で、韓国内でも自国政府に対して批判があって、その間で日本政府の仕事というのも大きかったわけですけれども、国際社会においては、必ずしもそういう認識は得られてない。

 日本の国際社会のプレゼンスというのは、非常に粗雑なまとめ方をすると、自国民の拉致問題しか関心がなくて騒ぎ立て、自分たちの過去の問題には頬かむりし、北朝鮮人民の窮状については基本的には関心がない。こういう事実とはかけ離れたレッテル貼りがされ、それがあたかも事実であるが如く一人歩きし、それが一定の効果を現に現れていたということなんですね。

 私が、話しが長くなってあれですから申し上げたいのは、やっぱりね、急ぎます。基礎的な作業を。もう既に本で出版されてるくらいの、全部集めて収容所の体験者の手記というのは、4〜5冊ですから全部まとめても5000円にもならない話しですよ。これをできるならオバマ政権が正式に発足する前までに、在外公館に勤務している人々すべて含めて全外務省職員は読むべきである。それをしっかり自分に消化して、落とし込んで、その憤りも併せて海外でロビーなり、働きかけをすべきである、と。

 あと、先ほど政治家の議員の方がごあいさつしていただきましたけど、日本の議員さんは全部合わせても千人ならないですよね、衆参合わせて八百数十人ですから、この方々にも漏れなく読んでいただきたいんです、なるべく速やかに。一人当たり5000円くらいですからお役人さんからすると、深夜のタクシーでの帰宅を一回止めれば、浮くくらいの、たいした額じゃないですよね。

 せめて日本語で出版されている本は読んで、その上で、今海外で、英語で出版されているのはどれかといったら、姜哲煥の「平壌の水槽」(ポプラ社)一冊くらいなんです。それ以外は女子刑務所の体験者の手記で李順玉(イ・スンオク、「北朝鮮泣いている女たち」ベストセラーズ、ワニ文庫もありの著者)さんの「ジ・アイ・オブ・テイルレス・アニマルズ」といって尻尾のない獣のような手記、せいぜいこの二冊ですから、この二冊を漏れなく携えて働きかけをしていただきたい、と。

 まあ、あまりまとまらない話しをして、あともう一つは、先ほど外の世界の見かたに誤解や独善があるという話をしましたけど、そこにもう一つ、もう一つ厳しさがあるなと感じてて、それは何かというと、一つにはそれはキリスト教なんです、キリスト教。世界の中でこういう問題に関心を持って活動する人たちというのは基本的にキリスト教徒なんです、クリスチャンの人たち、キリスト教ベースで動いている。

 その人たちは、一定のマナーというのを身に付けてますから、不躾に他の文明圏、日本国民、日本人と接した時に、敢えて宗教レベルの話しは持ち出さないんです。ただ持ち出さないが故にある意味彼らがある種独善に陥ってるところもあって、結局、信仰とか本質的なところでは、日本の人たちはわからないかもしれないな、わからないから自国民の拉致問題には関心を持つかもしれないけども、その枠を超えたところでは意識が行かないかもしれないという、大変な誤解というか錯覚というか、それを持っていながら、それを言わずに自分たちの内で抱え込んでいると、こういう実情があるのです。

 これは欧米圏だけでなく韓国もそうです。こういう問題で活動する多くの人たちがキリスト教徒であって、キリスト教団体ですから。そういう人たちとしばらく一緒にいて話すと、そういう話しがポツポツ出てくるんです。日本はあれだけ人口がいるのに、先進国なのにクリスチャンの人口比は、0点0何%らしいね、そう言うんです。そういうところがあるんです。

 その意味で、横田めぐみさんのお母さん、横田早紀江さんがよくご自分の信仰ということを土台にして、拉致問題だけではない、北朝鮮の苦しんでいる人たちにも目を向けて、もっとその問題についての意見発信をしたいということを様々な折にお話しになさっているのを承知しています。これは欧米の人たちに理解を増す上で、大変大きな切り口なんですよ。

 ですから今後私が考えますのは、こうした物をどんどんYouTube等に翻訳を付けまして載せてって、日本人は自国民のことしか関心のないエゴイズムの人たちじゃないんだ、と。本当に心の底から苦しんでいる北朝鮮人のありかたに胸を痛めて、何とかしたい、と心の底から願って多くの人たちが汗を流してんるだと、このプレゼンスを意図的に国際社会に発信していきたいということなんです。

 その意味で、この場に座られた非常に貴重な方々です。皆さんはそういう視点を一つ置いて、能動的に海外に向けて情報を発信されますことを祈念しまして、私の話しとさせていただきます。(拍手)

 以 上、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

※このテキストの音声ファイルはこちらから http://www.netlive.ne.jp/archive/event/081214.html
※北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会 http://hrnk.trycomp.net/
※NO FENCE http://nofence.netlive.ne.jp/

※このエントリーのテキストは原良一さんの手によるものです。


posted by ぴろん at 21:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 拉致問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。