


母が亡き特攻の大叔父の供養のために永代献灯をしてから、毎年みたま祭りに出かけています。
今年は母が直前に白内障の手術を受けたため、行けるかどうか危ぶまれたのですが、お医者様から外出をしても差し支えなし、とのお答えを頂きまして、家族そろって出掛けてきました。
普通、神社仏閣に詣でたら、いろいろと願い事をするものだと思います。
健康とか商売繁盛とか学業成就とか・・・
でも、そういう世俗的な願い事をするには、ためらいのある寺社が私には二つあります。
ひとつは伊勢の神宮。
もうひとつは、この靖国神社です。
拝殿の前に進み出たら、心の中で願うことはひとつだけ。
ただ安らかに。
それ以外の言葉は、私の中には浮かびません。
国を家族を守るために命を投げ出した御霊に対し、厚かましくも世俗のお願い事をするなんて、なんだか申し訳がないような・・・
いつものように昇殿参拝を申し込み、夕闇の中ほのかな灯りにうっすらと照らされる本殿に上がらせていただきました。
夕闇の中の昇殿が出来るのも、このみたままつりの期間だけ。
昼間の参拝とは違う厳かな空気の中、静かに大叔父の御霊に頭を垂れてきました。
大叔父は、何も言わず、黙って私たちの参拝を見つめてくれた・・・
そのように感じています。
まつり期間中の靖国は本当に賑やかです。
つのだ☆ひろ氏のジャズ演奏あり、神輿振りあり、盆踊りあり。
種々多様な奉納がなされるのも、靖国のいいところではないかと思います。
御霊もさぞ、お喜びでしょう。
賑やかなことの好きだった大叔父も、きっと・・・
肉親の参拝を大叔父は本殿の奥で喜んでくれたでしょうか?
ともに祀られている戦友たちと「おお、今日は俺の姪家族が来てくれたぞ!」と語り合ってくれたら、それが何よりうれしいです。
本殿参拝の後夜店をひやかし、帰宅の途についたのは9時近く。
来年も家族そろっての参拝が出来ることを願って、靖国を後にしました。
大叔父さん、どうか安らかにお休みください、と願いつつ。