2006年05月11日

06.4.21 荒木和博氏その2 戦略情報研究所講演会(2)

『荒木和博氏の講演 その2』



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じゃぁ、どういう風にしていくのかと言うことなんですが、まずですね、やらなければいけない国内の捜査なんですが、実行犯らの検挙をする、それから北朝鮮系組織の違法行為の摘発をする、そこから今までもやってきてることを更に強くやってもらうということ。これは、当然警察の仕事と言うことになります。ただ、鳴り物入りでやった、原さんの拉致に関わる大阪の商工会、あのラーメン屋のがさ入れも、結局あれだけで、誰も捕まえることができない。

こんなことを言うと誤解を招くかもしれませんが、がさ入れをやる、礼状を持ってがさ入れをやると言うことは当然犯人を検挙できると思ってやるはずなんですね。がさ入れだけやって、検挙しないと言うことは、ある意味人権侵害なんじゃないかと思うんですが、なんで向こうは言わないだろうとすら、思う次第です。

すでに原さんが拉致をされてから、26年たっているわけで、26年たってから、ラーメン屋をがさ入れしても、おそらくラーメンの汁ぐらいしか残っていないわけでして、何もわかるはずがない。

そう言うことでは困る。実際に救出に近づけるための、捜査をしてもらわなければならない。そして、それ以上に必要なのは、北朝鮮側の情報の収集でございまして、これは拉致被害者の状況、北朝鮮の内部情報等についてですね、収集して分析をするという努力が必要でございます。

こないだ内閣府の制度幹事会の中に【特命チーム】というのを作りまして、やっと今から始めたんですが、しかし、この特命チームの中から防衛庁ははずされていると言うことでありまして、普通だったら考えられない話しなんですけれども、現実にはそう言うことになっている。

で、まぁ、人のことばっかり言ってもしょうがないので、調査会では、これを今できるだけ進めていこうとをしております。惠谷さんに調査会の常務理事になっていただいたのも、ここの部分をですね、何とか強化をしたいという事でお願いをしたわけであります。

それから、『国際的包囲網』、これは普遍的な人権問題としての圧力、それから同じ拉致被害者を抱える関係国と連携ということで、すでに、この月末に横田早紀江さんたちが(アメリカに)行かれて、アメリカの議会で証言をされる。それにあわせて、(4月)22日にはホワイトハウスの前でデモンストレーションをやるというようなことが決まっておりまして、まぁ、そう言うものはだんだんと着実に進んでいる。

それから、こないだのDNA(鑑定の)問題などで、この韓国との連携も更に強化されるであろうと、想定されます。

そういう事の中で、やらなければいけないのは、経済制裁のような、このような圧力、そして圧力をバックにした交渉ですね。これはもう、外務省、それから警察庁等の関係省庁の連携、対応、それをやるときに国民が支持するということが当然必要であります。

それから、【北朝鮮の威嚇に屈しない国民の姿勢と政府の対応】、まぁこれは国民保護と言うことで、北朝鮮が、場合によっては特殊部隊を入れるとか、あるいはですね、ミサイルですね、こういうことを言い出してくる可能性がある。
その時に、これがやはり気持ちの問題なんですが、『そんな怖いことになるんだったら、拉致問題、あんまり騒ぐの止めようよ』と言う風に世論がなってしまう可能性がある。それは、十分にあります。

『どうせなんだかんだ言ったて、家族の問題じゃないか。かわいそうな家族かもしれないけれども、それを守るために、我々まで被害に遭うことはないでしょう』と言う風に世論がなっていく可能性はこれは、十分にあります。
そこを、世論=国民がですね、<そんなものには屈しない、我々、戦うんだ>という姿勢を見せることによって、それが北朝鮮に対する圧力になると言うことなんですね。それがどうしても必要である。

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それから、これは主に自衛隊の範囲ですが、【体制崩壊に伴う邦人の保護】を行う。つまり体制崩壊になった場合にですね、どこで、どういう風に助けるかと言うこと、これは、我々やっております<しおかぜ>でもやるつもりにしておりますけれども、そして、一方でですね、たとえば、・・ですとか、清津とかに、護衛艦が行ってそして救出をしてくる。これはこの3月8日に、参議院の予算委員会で、民主党の山根隆二議員が質問をいたしまして、額賀防衛庁長官が、拉致被害者の救出という意味では初めての答弁をしてくれたんですが、生ぬるい答弁ではありましたけれど、『外務省の要請があれば行きます』と言う風に言っておりました。ただ、言わなくても良いおまけにですね、『安全が保障されるのであれば』という余計なことがついていたわけですが、安全が保障されるなら別に自衛隊がいく必要などないわけでございまして、そういうことは取っ払っても言ってもらうしかない。

イラクの派遣の時に、小泉首相は、イラクの特措法で、『自衛隊は安全なところに行くことになっている。だから、自衛隊が行くところは安全なんだ』という非常に素晴らしい論理を使って、イラクを解放したわけでありまして、この論理を使えば、何でもで、おそらくできるだろうと、いうことですね。


それから、【救出作戦】ということで。これは自衛隊を使って、救出をすると。そのために、向こうにいる拉致被害者と何らかの形で、アクセスができて、そして、本人が『危険を犯してでも帰りたい』と意志がはっきりした場合に、何らかの手段を使ってやるということですが、これはやるとなっても、ぎりぎりまで極秘の状態でやらざるを得ません。しかし、そう言うことをやった場合に、やはり国民の支持が当然必要だと思います。

そういうことをやると言うことは、つまり<日本人の拉致被害者の救出>を突破口にして、全ての拉致被害者の救出して、そして、北朝鮮の国民の人権を回復すると言うことであります。それはつまり金正日体制を崩壊させること。それによって、東アジアの安定と日本の安全を図る。まぁ、当然、北朝鮮の向こうにもうちょっとやっかいなのがいますけれど、金正日体制の崩壊というのをですね、日本が主導してやっていく事によって、中国に対しても、カードを持つことができると言うことだろうと思います。

ちなみに、おととい(19日)法律家の会の総会がありまして、そのあと講演会にですね、ジンネットの高世仁さんが、講演をされました。そこで高世さんが本に書いたものを資料として持ってこられたんですが、高世さんの論文のタイトルがですね、『金正日体制を平和的に打倒するということについて』という論文なんですね。こういうことを説明しながら話をしてくれたんですが、だんだん話しているうちにですね、じゃぁ具体的にどうするかという話になったときにですね、『結局、暗殺するのが一番早い』という話になって、全然平和的でも何でもないんですが。(荒木さん、会場とも、笑い)結局、とどのつまりはそこに行ってしまうと言うことなんだろうと思います。

そう言う中で、自衛隊が何をしなければいけないかということなるわけなんですが、これは先ほど言ったことと重なりますが、情報の収集、拉致被害者の状況の特定他ですね。幸か不幸か特命チームの中に、自衛隊が入っていませんから、だったら勝手にやればいいということになります。

ここらへんのことは、もう今でも進められる事ですね。

それから、先ほどの額賀長官の答弁と関係しますが、【体制崩壊時の拉致被害者の安全確保】
これは、体制崩壊の時に、殺されるとか言う危険は当然あるわけでございまして、その時に安全をどうやって確保するかということが一番問題だと言うことであります。

これは朝鮮戦争の時でも北朝鮮軍というのは、攻められて逃げていくときにかなり虐殺をやっています。ですから、刑務所なんかに入れてあった政治犯などはみんな殺して北に逃げていますので、そういう可能性はですね、我々としては考えておく必要があるという事になります。

で、もちろん【救出作戦】ということですね。そして更に、北朝鮮のテロとか、ミサイル等への対処をする。これは、国民保護の観点から、必要です。そのためには、今の<専守防衛>と言うことでは、絶対限界があるんです。これはもう、この国の状況を見ていて、これだけ海が広い国でですね、入口に来たところを、蠅たたきみたいに追っかけるなんて事は、絶対にできるはずがありません。
だから、これを我々国民が自分たちの安全を守るのならば、専守防衛ではなくてですね、実際にこれに対応していかなければいけないと言うことです。

いずれにしても、これらのことは、準備が整いきれない状態で見切り発車になることは間違い有りません。
しかし、<そうは言っても、準備ができていません>などと言って、それを理由にして躊躇するなどということは絶対許されないと言うことでございます。

もうこういう危ないときにはですね、軍隊がいくしかない。そのために我々、何兆円も税金払っているんでして、その時になって、「あれもできません」、「これもできません」と言うのでは困るわけです。

ところが、・・・残念ながら、自衛隊得体の中では、何かというとですね、この法律ができてないから、憲法がひっかるとかですね、マスコミが悪いから、そういう泣き言ばかり言う人が、結構少なくない。それは非常に問題です。

おそらくここに来られる方は、やはり自衛隊と言うものに対してですね、好意的な方が多いと思いますけれども、残念ながら、今の現状はそんな簡単なものではないということも理解をしておいて頂く必要がある。

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それはこの【課題】と言うこと何ですが、自衛隊を出すときにはですね、法的な根拠などと言い始めたらですね、とても間に合いません。これはもう基本的に政治判断に委ねなければいけないということです。

憲法を直してですね、自衛隊法を直して、あれも直して、これも直してなんて話をしてたらですね、そんなことやっていたらみんな死んでしまいます。死んでしまっても良いのか?<それでも法律を守る>という人はたいしたもんですけれども、しかしそう言うことは許されないと思います。

これはですね、基本的には個別自衛権の行使だということです。憲法上の問題があるという人が当然これは、出てくると思うんですけれども、そんなこといってたらですね、自衛隊というものがそもそも憲法違反の存在でありまして、予備自衛官であるわたしだってそうですが、憲法上、あってはいけない軍隊が存在しているわけでございます。
別に、イージス艦とか、F15とか、・・・式戦車を持ったこの集団がですね、消防署とか八百屋さんと同じと見る人はいないわけでして、間違いなく軍隊を持っているわけですが、その軍隊を持っていても−−憲法上問題があると言うことはどういう事かというと、逆に言うと、憲法の方が間違っているということですね。

だからこの状態で、もうきちゃっているから、それならば、護憲派の人たちは憲法、直しちゃいけないと言っているわけで、そう言うことであれば、憲法がどんどん形骸化していくということで、まぁ、逆に言えば、形骸化していると言うことは(とっくに形骸化しているんですけれども)それがわかったのであれば、もうですね、逆に言えば、もう自由にできるはずである。それは、国民の意思を受けて、国会が構成され政府ができているわけですから、その判断を持ってやるということが、当然の責務であろうというふうに思っております。

自衛隊以外に助けることができないと言うときにですね、拉致をされて、そして憲法はどうかというならば、基本的人権をきわめて長期的にわたり蹂躙されている我が国民を救うためにですね、これを使えないというのであれば、それは税金泥棒であって、年間何兆円もですね、税金を削る必要は私はないと思っている。

そしてさっき言った話なんですが、しかし、実現のために必要なのはですね、国民による支援と同時にですね。自衛官のほうの意識改革も、これは絶対に必要である。

拉致問題というのは主権を侵害されているわけですから、当然ですね、軍人からすれば、自分たちの縄張りを荒らされていると言うことになります。絶対に、正義的に許しておけないというふうに怒ってもらわなければ困るんですね。ところが、あんまり怒っている人がいない。我々・・・と思っている人が多いんです。

私は、この6年ぐらい、航空自衛隊の幹部学校で一番上のクラスの教育にですね、ちょっと関わっていたいたことがあるんですが、何年間もやってですね、非常に不思議な違和感を感じています。それはどういう事かと言いますと、なんだかわかんなかったですね。一昨年ぐらいから、ぱっと気がついた。私はこの北朝鮮問題、拉致の問題なんかについて、年間に二日間ばかりですが、話をしたんですが、その時の反応がですね、なんかその、軍人の反応っていうんじゃなくて、国際関係やってる大学院生と話しているような感覚なんですね。

みなさん非常にまじめな人達なんですね。一佐とかですね、二佐クラスですから、基地の司令部とかそれくらいのクラスのかなり上の人ですけれども、それであるにも関わらず、なんか非常に他人事みたいに聞いている。その緊張感が足りないという感じがしました。こういう拉致の問題なんかについて、軍人としての怒りを感じてもらわなければしかたない。

私自身が予備自衛官でも、実際に招集されたときには、一般の自衛官と同じ扱いになり、一般の自衛官であれば、自衛官の宣誓ということでですね、任務遂行に当たっては、身の危険を顧みずと言うことを、宣誓しなければいけないわけでありまして、これはつまり、<いつでも死ぬかもしれないよ>と言うことが一応前提になっている訳であります。その緊張感を持ってもらわなければないけない。これはですね、正直言って、これから先非常に大きな問題にやはり、なってくるだろうと言う風に思います。

私も半分足をつっこんでいるわけなんで、それをこれから先も、内部でも言い、そして外からも言おうと思っているんです。だからみなさんも、もし周りに自衛官や自衛官の知り合いとか、あるいは部隊に行ったりとか、そう言う機会があったら、「何故自衛隊は拉致問題に動かないんだ」と言うことをやはり是非言ってもらいたいと思います。

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そして更に進んでですけれど、この拉致問題が・・前提で、我々、覚悟しておかなければならない事はですね、これは私も今まで感じていたことですが、今まではこういう講演の場で言ったことは一度もありません。今日こういう場でこれから言っておかなければいけない。

寺越昭次さん寺越事件の一番上おじさんですが、この方は、拉致をされた時にですね、その場で殺されて、錘をつけて海に沈められたと言われております。これはおそらく間違いないと思うんですが、これに当たる人は、他にも間違いなく存在をします。

安明進も、連れてくる途中に衰弱して亡くなった人とか、あるいは北朝鮮まで連れてきて数日で亡くなった人と言う話をですね、−−まぁ、これは本人が見たわけではありませんけれども−−、そう言う話を聴いたということは言っておりますので、必ずあるなと。

私達は、そう言う意味で言うと、今想像もしていないような現実に、間違いなく直面する時がきます。我々も名前を知っている人−−今のところ、幸いにして私は誰がなくなっているとか言う情報を、受けてはおりませんけれども、特定失踪者、あるいは、それ以外の人も含めてですね、そう言う状況になった人が、一定数いると言うことは覚悟しておかなければいけない。

逆に言うと、その数は今でも増えている可能性があると言うことです。
だからこそ、のんびりと待っていることはできないということになります。

それから、拉致被害者の救出に自衛隊を使った場合、戦死者が出るという可能性を考える必要がある。
これは救出作戦の場合は、より可能性が高くなりますが、そうでなくてもですね、北朝鮮には実際には腹が減って動けないとは言いながら100万人以上の軍隊があり、そして、そこに武器が行き渡っているわけですね。混乱状態の中で、何が起こるかわからない。そう言うことになると、戦死という人が出るという可能性も覚悟しておく必要があると言うことです。

ところがこれも問題なんですけれども、自衛官の中で、自分が戦死すると思っている人があまりいないですね。
自衛隊にいれば安全だと思っている人も意外に多い。最近若い、若くして入っている人はですね、逆に北朝鮮の驚異だとか、あるいは海外派遣だという話を、若い人は知っていますから、逆に若い人の方がしっかりしているんですが、私と同じくらいの年とかですね、そう言う中には、そうでもない人が結構いる。しかし、実際には、こういう事ですね、説明すると言うことも、考えておく必要があると言うことですね。

それから、北朝鮮が報復して特殊部隊でテロを行ったり、あるいはミサイルを撃つという可能性もですね、全くゼロと言えないわけですね。その時に場合によっては、一定数の民間人の被害も覚悟せざるを得ない。そう言うことがあるのであれば、「拉致被害者救出なんか止めましょう」という風になってしまう可能性が、半ば有ると言うことですが、それを我々は絶対に乗り越えなくてはならないと言うことです。

そして更にみんな取り返せばそれでハッピーエンドになるかというと、そうではありません。
生存している拉致被害者が全部帰還が実現しても、被害者の状況はおそらく千差万別です。対応には、これに対応するためには、これ、どのくらいいるかわかりませんが、たとえ、100人であっても、人的、物的資源の導入が相当必要になる。ハッピーエンドには絶対終わりません。

それから全部の拉致被害者の救出が成功するというのは、おそらく、外国の拉致被害者も還る。それから、在日朝鮮人に帰国者及び、日本人妻等もかえれるであろうと思うんです。
そうすると、拉致被害者とそうやって在日の帰国者の中にはある程度騙されて行った言える人もいるわけでして、そこを一体どうやって区分けをするのか。そしてその人達にですね、どういう教育をし、あるいはどういうリハビリテーションをしなければいけないのかということを考えると、やらなければいけない事というのは、ものすごくたくさんあり、そして、それもしっかりした基本方針を持ってやらないと、大後悔に陥ると言うことであります。

その覚悟の上で、なんとか我々は決断をして、行動しなければいけない。

今まで、私自身も、正直意図的に余り言っておりませんでした。しかしもう、これ我々は考えておく必要が絶対にあると言うことであります。

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このエントリーのテキストは、金木犀様の手によるものです。


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