2006年10月23日

06.10.7 山田文明氏2 第15回藤沢集会(8)藤沢産業センターにて

『山田文明 北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会代表の講演 その2』



更にそこに加えましてですね。
少なくない人々がそれ以上の課題を抱えている。
それは北で、大変な目に遭って来ているという事です。
想像出来ないような目に遭って来ています。
また、中国へ出てからもいろんな目に遭って来ているという事です。

それは何度も売られたと言う経験のある方もあれば、「自分が売られたのは自分の両親が逃げるお金欲しさに自分を売ったんだ」というふうな思い込みをしてですね。
家族に対する激しい恨みの心を持ったままの人たちもいるのです。
現実にそうなんです。
で、親御さんはですね。
自分の子供を助けてやれなかったと言う罪の意識を持っています。

そして、いろんな拷問を受けた人も少なくありません。
その拷問の恐怖がときに甦るんです。
そして極端なうつ状態になります。
向こうではいろんな事を言う、言った事が罪に問われたりいろんな事になりますね?
ですから物凄く神経を使うんですね。
日本に来てですね。
思っている事をどんどん言っても構わないという、この事さえ理解してもらうのに1年くらいかかったりするんですよ。
ですから日本に入られてから、一応安定した精神状態で日本社会での生き方について安心感を持ってもらう。
これに数ヶ月から1年かかるという事ですね。
どんな目にこれまで遭って来られたかによって個人差があったりしますけれどね。

その間においてはですね。
予想外の事が起こったりします。
考えられない行動をされたりする場合もある。
しかし、1年ほど経てばですね。
日本の中での暮らしと言うものが理解でき、少なくとも自分が突然理由も無く捕らえられるとかですね。
収容所に放り込まれるとか、そんな事は無いんだと言う安心感を持ってこられます。
そうするとずいぶん落ち着いてこられる。
ですからそういう期間をですね。
考えてあげて欲しいと言う事なんですね。

もう日本に来てですね。
非常に一生懸命仕事をして自立されている方も多数あります。
若い人たちの場合ですと、本当に性格も素直な良い子が少なくありません。
一生懸命頑張ってくれます。
ですから日本に受け入れて、決してそれがですね。
日本の社会のお荷物になるとか、そんな見方をする必要は全く無いと私はこれまでの経験から考えています。
最初のケアがいる。

特に日本に到着されるまでのときは、やはり多くの大変な経験の中でそこから逃れてしっかり生きていくんだと、その為にはどんな事でもする。
その途中命がけで来たんだと言う決意があります。
その時にその決意の時にしっかりまず日本語に取り組んでもらい、職業に就くという練習をしていただくと言ますか、そういう機会が必要だと。

韓国の制度を悪く言うつもりは全くありませんが、韓国は非常に手厚く脱北者を保護しています。
国内に入った場合、3年間は簡単に言えば働かなくても生活できる状況を作ってくれます。
住宅も用意してくれます。
そうすると3年経った後、みんな自立をして仕事をしてくれるのか?と言うと上手くいってないのです。
それはやはり3年間、安心しきっちゃう。
仕事をしなくても暮らせる状況が続いちゃうという事ですね。
そして職業経験の無い人がそういう状況になるために、3年経ってから仕事をしろ言われても、定着出来ないですよ、仕事にね、入れない。

だから、もっと仕組みは考える必要がある。
私は日本でそういう手厚さはいらない。
むしろ最初の期間だけ支えてあげる。
そして仕事がどういうものかを経験していただく場所をたくさん作って欲しい。
これは企業にお願いするしかないと思います。

その時、雇ってですね。
全部そこで仕事をしてもらうと言う考えじゃなくして、1週間で辞めちゃうかもしれない。
それでいいんだというつもりです。
会社に役立つ仕事をして貰えないです。
そこを耐えて欲しいと思っているんですね。
ですからむしろ、補助するのはご本人じゃなくて雇ってくれた企業に給与保障をして欲しいと思っています。

そして日本での会社の仕事はこんなふうなんだと言うのを1週間で辞めてもいいから、いろんな所でとりあえず経験してみる。
そんな中から職業経験というものを少しでも持ってもらう。
職業意識をしっかり持ってもらって本当に勤めるところを、健康になれば気持ちも安定すれば勤めていって貰うという事ですね。
そういう仕組みがあればですね、良いのではないか?
例えば、そんな事を考えております。

現在、その他の方では日本から北に行った在日のコリアンの方の娘さんが一人、それから娘さんとそのお兄さん、兄妹ですね。
兄と妹さん、この二組が今直接私どもの関係で助けて欲しいんだ、日本に行きたいんだと言う連絡が来てます。
日本国籍者でもないし、元日本に住んでいた人でもない。
そのご家族だという事で、どう出来るか?
政府にも今お願いをしているところです。

だた、この事例で私たち初めて経験したと言える事がある。
それはこの二組のご親族です。
お兄さんと妹さんのご親族は、「ともかく日本に来れるようにしてやって欲しい。日本に来れば私たちが全部後はやります、親族で」
こういう、これは当たり前だと思われるかもしれませんが、そんな事例は無いのです。

もう一人のお嬢さん、娘さんについて連絡を取っているのはおじさんに当たる方ですが、当初少し戸惑われました。
何とかしてやりたい、いう事でありましたが親族ともいろいろ相談したけれども皆いろんな事情がある。
すぐに皆意見はまとまらないというような事でありました。
しかしその後また経過が来て電話を頂きました。
「自分たちの方で引き取る。そして自分たちの方でも相談して、住む所やいろんなことも準備できた。日本人のあなたがこういう問題でやってくれるなら、私たちもやります」
と言って下さいました。
それに加えてですね。
「他に4〜5人なら自分たちの方で引き受けて、住む所も用意出来るようになりましたから」
こんな事まで言って下さった。
私たち初めてなんですね、こういう経験はね。

これまでの多くは、「あなたのご親族と言う方が北から出て来ていらっしゃるが?」と連絡をしてもですね。
多くの場合は北に行くときにね。
「あれだけ反対したのに勝手に行ったじゃないか。そりゃ北に行って苦労したかもしれないが、日本で残った自分たちも大変な苦労をしてようやく今まで来ているんだ」と。
「今になって助けてくれ言われたって、そんなことは出来ない」言うふうな事や、日本人妻でもですね。
そのご親族は、こういう経験がありました。
電話をすればね。
「そういう親族がいる事を夫にも言っていない。二度とそんな電話してくれるな」
つまりもういない事にされているんですよ。
そういう場合が多い。

また実際に特に在日コリアンの方の生活を私どもの関係で見てますと、この長期不況の中でですね。
経済的には大変上手く行かなかった方々が多いし、また高齢にもなられています。
そんな関係でですね。
支援したくても出来ないという方も多い。
ですから親族だけの力に頼る事も出来ない、と考えております。
そんな中でこの8月に出会ったご親族の対応は本当に勇気付けられるものであったし、こういう方々がもっと増えてくればですね。
もっともっと脱北者に対する対応も変えられるなと思っております。

今後、脱北者の方々が、まだまだいろいろ出てくると思います。
その方々を日本の関係者であるならば、少なくとも日本国籍者であったりですね。
あるいは日本で定住している人・永住している人の親族であるならば、日本は救うよというくらいの姿勢を日本政府・日本社会は示して良いのではないか?
そして中国へ脱出すれば、そこで新たにまた被害を受けることなく救って貰えるんだという状況が北の中に伝わればですね。
いろんな良い効果も出てくるだろう、そういう希望が北の中に伝わる事が大事だと思ってます。

北の中にですね。
中国に出れば、後は何とか世界のいろんな国が助けてくれると言う、この事実をどんどん伝える事が大事だと私は思っているんです。
孤立はしていないんだという事です。
北の人々もこれまでの話にありましたように、金正日政権の被害者である事は間違いない。
あの政権を支持しているなんてとんでもない、そんな事はもう今では無いです。
ですからその人たちに孤立していない、その事を伝える事、これが大事だろうと思っています。

北の核問題もありますけど、その中での今日の産経新聞にこんな事が出ていました。
北の方の内容のいろんな所からの情報として伝えられる話ですね。
「北の住民の一部では密かに『早く米国との戦争になればいい』との声が高まっている。米国が北朝鮮を開放すると言う意味だ」
もう戦争になってもいいと。
こんないつまで生きていられるかという状況が続くよりも、早く戦争になっても構わないと。
それは決して日本を恨んでや韓国を恨んでや反米からではありません。
この状態を逃れたいということなんですね。
そういう人々に世界から孤立していないと言う事実を縷々伝える。
これは必ず北の中でいろんな変化を生み出すだろうと思っております。

私たちの方は今後出来るだけ早い時期に、再び朝鮮総連を訴える裁判を起こすつもりでおります。
これは9万3千人、帰国事業で北に送っていた、このときの言葉が「地上の楽園」なんです。
本当にそう言ったんですよ?
徹底的にそういう教育をまたしたんです。
・・・(聞き取れず)を見せたり、いろんなものを見せたりね。
北に帰る人たちに何の準備も要らないと、裸で行ったら良いんだと、全部準備されているんだからというね。
そういう説明をしてたんですよ。
これはね、明らかに虚偽の宣伝であってね、虚偽の説明で人生を誤らせた。
これはもう犯罪だという事ですよ。
この点を裁判でですね。
法的にも判断してもらおうと考えております。

かつて一度やりました、私たち。
キム・ヘイルさんという脱北者で、ただこの人が脱北したのが早過ぎたといいますか、1964年に脱北してたんですね。
で、時効でですね。
最高裁まで行きましたけど、時効だけで終った。
内容の判断をしなかった。
今回は最近脱北して来た日本人妻やその他の人何人かを考えて準備しております。
親族がまだ北にいる人たちなんですよ?
私はそれを心配しているんですが、その人たちがね。
ある日本人妻の方がこう言いました。

日本に来て少し、もう2〜3年経つんですよ。
それでも対北の関係で何の進展も無い。
自分の知っている日本人妻やそういう人たちもいるんです。
自分だけひとり助かっているわけには行かない。
自分の子供たちもまだいるけれど、自分は黙っているわけには行かない。

そういうふうに言ってくれました。
そういう、北に残った人たちのためにやるんだという、そういう脱北者や日本人妻の人たちが徐々に出て来ています。
そういう人たちの力で裁判を起こして行きたい。
朝鮮総連の犯罪性をハッキリさせてやる。
同時にそうであるならば、その人たちが日本に来るための対応をするのも、一つの被害者救済として法的にも成り立つのではないのか?という事であります。

そんな形で北に対する人権上の運動が広がっていく事が、大きなやがては流れを作り出すものだと考えております。
そういう点で皆さんも脱北者の人たちに対するご理解を持っていただきたいと思います。
どうかよろしくお願いします。(拍手)


posted by ぴろん at 13:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 集会テキスト(藤沢集会) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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