2006年10月26日

06.10.7 森木エリ子・劇団てんびん座代表 第15回藤沢集会(12)藤沢産業センターにて

『森木エリ子 劇団てんびん座代表の挨拶』

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皆さんこんにちは。(拍手)
ただいまご紹介を頂きました、私、鎌倉の劇団てんびん座の代表の森木と申します。

去年の8月ですか。
まだこの事件が解決していないと言うのをいつも繰り返し繰り返し新聞で読んでいたんですけれども、また秋になって冬になって今年も暮れてしまう、と思ったときに何して良いんだろう?
その時新聞を読んで一喜一憂して、全く関係ない私はメッセンジャーにもなれないという思いがして、とってもジレンマに陥っていたんですね。
でも皆それぞれのやり方で表現が出来るんじゃないか?
例えば歌が歌える人は歌を歌えばいいし、井戸端会議でも良いんじゃないか?
このことに関心を寄せ続ける事が大事なんだなぁと思ったので、私が出来る事はなんだろう?と思ったらお芝居しかなかったのでお芝居をやりました。

その時にたくさんの方が観にいらしてくださったんですけど、とっても嬉しかった事はアンケートに「私の出来る事はなんでしょう?」と書いてあるんですね。
あぁこれなんだなっていうふうに思いまして、そのまんま8月の公演、再演しました。
突然でいろんな条件も違っていてとっても大変だったんですけれども、本当にそれこそそのときは劇団員一同で、何もかも投げ捨てて一生懸命やったんですけれども。
そのときはお盆で、しかも急に6倍の広さの劇場しか借りられなかったので大変に苦しい経営となりましたが、やはりいらしてくださった方々がたくさんいらっしゃってね。
こんな事を仰いましたね。
後からメールとか手紙で一杯来るんですけれども。

「初めね、私は拉致の事は知っていると思いました。
ニュースなんかで見て嫌だった。
私だって苦労してるのよ。
夫と辛い思いをしたり、子供はグレちゃったり、明日の事を考えたり、立身出世や家を建てる事を考えたり、私は私なりに必死になって今日まで一生懸命生きて来て、なんでここで人の苦しみまで知らなければならないんですか?
私はざっと知っているから、それは大変ですね、と思ってます。
でもこれ以上知るのは辛い」というような事で、「知りたくないのよ。どうして勧めるの?」

と言う言葉を公演前にもだいぶ聞いたんですね。
特に今度の公演はロビーでやりましたので、そのロビーが広かったので、いろんな展示販売が出来ますので、そこで地域授産所の展示販売をしました。
私たちはいつもそうやって障害を持った方々が、そこで何か作ったものの売ったりする場所を提供してね。
やって頂いているんですけども、そのお母さん方が喜んでロビーで展示販売をしてくださったにも関わらず、お芝居にはタッチしたくないと仰るんですよ。

その言葉に驚いて、人間ってこういうもんだなって。
いつもね、うちの子供は障害を持っていてこんなに辛い思いをしている。
それをこの場でね、ロビーを貸してくださってありがとう。
別に売り上げの幾らを下さいって言うんじゃない。
一切無しで貸してくださってありがとう、てんびん座さん感謝しますと言って下さっているにも拘らず、いざ自分がこういう問題にタッチする事は嫌なんです。
皆自分の身に降りかかった事を助けてもらえればありがとうであって、人の身に降りかかった事はちょっと辛いって、私本当にその時しみじみ感じて、あぁ中々世の中進まないんだなって実感しました。

そして例えばこの席にですね。
いろんな拉致の被害者の家族の方々が大勢集まって、新聞に例えば大きく報道されれば人々はもっと集まります。
何倍も何十倍も集まりますね。
横田早紀江ご夫妻が参りますとか、そうすると新聞社の方々も来るんですよ。
それで、大きな集会になるわけです。
それがひっそりとコマーシャルするだけだとこのくらいの人数しか集まらないわけですね。

そうやって人の意識が遠のくと、また新聞社の方でも取材する方でも、あぁこれだけ人の意識が遠のいているならば取材しなくてもいいかなって。
視聴率下がるんだったらばという事で、内容で取材するんじゃなくて、視聴率とかみんなの関心度で新聞記者たちが動きます。
だから私たちはちょっとの事でもきっかけを作って、今皆これだけ関心を持っているんだという事をアピールするしかない、と思うんです。
そうするとまた、総理大臣も放っておけないと思って立ち上がりますね。

安倍総理、絶賛されていたようですけど、ちょっと私個人的には不安なものがありまして絶賛しきれないんですけれども、これはその後の問題という事で期待するしかないと思います。
あの安倍総理のね。
それこそ穴をひっぱたいてですね。
するようになるには、まず新聞記者がばんばん騒がなくちゃならないし、新聞記者がばんばん騒ぐには私たちがもっとこのことに関心を持って一人ひとりの出来る形で声を上げるしかない、と思います。
以上です。(拍手)

・・・集会終了・・・
posted by ぴろん at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 集会テキスト(藤沢集会) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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