2006年12月18日

06.11.19 佐藤勝巳氏2 第4回埼玉県民の集い(8)埼玉会館小ホールにて

第4回 拉致問題を考える埼玉県民の集い
06.11.19 埼玉会館小ホールにて

『佐藤勝巳 救う会会長の講演 その2』



〜〜正念場を迎えた拉致問題〜〜

アメリカの対北朝鮮政策は失敗とまでは行かないけども、核を放棄させるのとは正反対の核実験が出来る能力を金正日政権に与えたんです。
ということが、日本や韓国や台湾に考え方が生まれてくると、認識が発生してくると本当にアメリカの対北朝鮮政策を信用していいのかどうか?という極めて難しい問題が発生して来た訳です。
その表れの一つが中川昭一さんの「核議論はあっても良い」と言う問題提起です。
私は、後で北京の話をしますけど、あのアメリカ政府の動きを見ておって、初めてアメリカが北朝鮮の核問題に本気になったなと。
それまでは率直に申し上げますけど、ちゃらんぽらんといい加減なものです。
いや、そういう言い方をすると誤解を受けるから正確な言い方をしますが、アメリカはアメリカの国益に基づいて世界政策をやっているんです。

アメリカの国益、アメリカの認識と言うのは中東です。
だからアフガニスタンに、イラクに、そして今はイランに、という事です。
これはアメリカの世界戦略・国益から考えて、そうなっているのは当たり前のことです。
北朝鮮の金正日なんていうのは、人口高々2200万。
そんなものが少々核なんか持ったってたいした事は出来ない。
第一アメリカに届くミサイルは無いんです。
アラスカに届くミサイルも無いんです。
せいぜい届くのは1300キロですから、4000とか7000とか言うふうに飛ぶミサイルは無い。
アメリカの安全保障にとって北の核開発はそれほど怖いことでは無いんです。
ですから適当に付き合っていた。

もう一つ、中国です。
中国はアメリカの政権よりもさらにいい加減な付き合い方を北とやって来た訳です。
あるいは北の核を利用して、自分がアジアにおける覇権を握りたいという態度を一貫して取り続けてきました。
ところが7月、北がミサイル実験をやる。
明らかになったわけです。
これは、誰かは分かりませんよ?
誰か分かりませんけど、多分私の推定では唐家センだろうと推測しているんですが、表面に出ない北と中国とのやり取りで「ミサイル実験は止めたほうがいい」
これは北朝鮮の方は、「我が方の自主権に基づく軍事演習である。中国からあれこれ言われる筋合いのものではない」
「そうか、やれるものならやってみろ!」
こういう会話が交わされた。
結果、7月5日、どか〜んと7発やったわけです。

で、次は核実験だ。
中国側は「やめろ」と、「そんなことをしたら大変なことになる」と、再三再四、公式非公式に北朝鮮に圧力をかけた。
全部蹴飛ばして核実験をやったんです。
いや、具体的に申しますと7月の5日にミサイルを発射して、中国は何をやったか?と言うと7月末には瀋陽軍区。
これ、30万の軍隊を持っているんです。
中国東北の瀋陽に本部を置く。
これの主力精鋭部隊と北京軍区の主力精鋭部隊の合同で北朝鮮国境で大規模な軍事演習を始めたんです。
その中身はミサイル部隊と戦車部隊です。
これが大々的に動き出した。
7月末です。

いつもの日本の新聞では、それが北朝鮮からの脱北者を阻止するための演習という形で報道をされております。
そうではないんです。
今度は済南軍区。
山東半島の鼻先と平壌と言うのは、あれは200キロを切るんです。
間に海はありますけども、その山東半島の鼻先で済南軍部が大規模な軍事演習を始めた。
と言うようなことで具体的には圧力をかけているわけです。
にも拘らず核実験が強行された。

で、大変面白い紹介記事がありますので紹介しておきます。
産経新聞11月4日付、ここに次のようなやり取りが紹介されています。
唐家センが二人の外務次官を引き連れて平壌に乗り込んだのは10月の19日です。
このときのやり取りです。
唐家センは厳しい口調で「国際社会の反発は絶大だ、我々も同様だ、いかなる理由でも核実験は正当化できない、再度実験したらどのような結果を招くか考えるべきだ。」
金総書記はしばらく言葉を失った。
「現時点では再実験の予定は無いと思います。」
という会談の中身が紹介されました。

今店頭で販売されている週刊文春は、この同じやり取りを次のように紹介してます。
「国連決議によって武力制裁を含む、制裁を含む内容が決定されるような事態になったとしても、わが国には軍事的には協力できない。」
ご案内のように1961年、北朝鮮と中国の間には軍事条約が締結されています。
第2条は締約国の片方が攻撃を受けた場合には自動的に参戦する、いうのが第2条です。
この軍事同盟があるにも拘らず、国連決議で武力を含む制裁が行なわれた場合は、中国は北朝鮮に協力はできないと言う通告をした。

で、今読み上げた産経の中身でこの文春の中身と言うのは表現は違うんですが、基本的には全く同じ事を言っているんです。
なぜ中国はかくも激しく北朝鮮のミサイルと核実験に反発をしているのか?
これ軍事の面だけでは無いです。
ちょっと時間が無いものですからあまり詳しく触れる事が出来ないんですが、中国と北朝鮮の防衛の動脈は中国側は丹東、北朝鮮側は新義州です。
緑鴨江の河口ですよね。
この丹東で何が起きたか?

国連決議の3日前です。
中国には国営の4大銀行があって合弁銀行があって、5つ外為を扱っている銀行がある。
この5つの丹東にある銀行の支店がいっせいに北朝鮮の外貨の送金停止をかけた。
だから中国から今北朝鮮に外貨を送金する方法は無いんです。
中国側が国連決議の3日前、10月の13日に一斉に止めました。

それから丹東のもう少し海に近いところに東の港と書いて東港と言う港がある。
この港が実は北朝鮮と中国の密貿易の本拠地です。
密貿易をやってる船が200隻くらいあるんです。
今まではこの船に中国側は食料だとか生活必需品とかそういうものを乗っけて、北朝鮮に税関を通さないで物を売っておった。
北朝鮮はどういうものを密貿易したか?と言えば、偽ドル・偽タバコなどなどを中国側に売っておったんです。

北朝鮮貿易商社は金正日直属の39号室が持っている貿易会社。
軍が持っている貿易会社です。
ここが税関を通さないで密貿易でお金を稼いでいると。
200隻ですよ?密貿易船。
洋上で取引をする。
北朝鮮の陸地で取引をする。
それで軍と金正日の資金をまかなって来た。
それに対して中国は東港を・・・(聞き取れず)を立てて閉鎖してしまったんです。
つまり金正日と北朝鮮の軍の・・・(聞き取れず)を具体的に港の使用を禁止すると言う措置で動き出したんです。

それから今まで北の軍が金儲けするのに何をやっていたか?
中国の税関職員に賄賂を渡して、中身は金だ。
延べ棒です、金の。
なのに銅と偽る。
手数料を10分の1くらいにして中国に持ち出して、そこで売り飛ばして物凄い収入を得ておった。
中国の当局は全部それを知っていますから、国連の制裁が発動されると通常の輸出、必要な書類を提出しろ。
で、提出していく。
現物を全部チェックを始めたわけです。
今までのようなインチキは全く出来ない。
このお金も実は金正日と軍に入っていた。
全部それを止めているんです、今。

だから軍事力で圧力をかけるというだけではなくて、具体的に貿易と言う側面で。
例えば北朝鮮で必要な石油の90%は、中国が供給しているんです。
貿易統計を見ましたところ、9月、中国からの重油はゼロです。
と言う形で本格的に金正日締め上げに入った。
これはジェスチャーや伊達や酔狂で出来ることではないんです。

じゃあなぜ北京がそのように、今までと180度変えた。
つまり劇的な変化、ワシントンではこれを劇的な変化と呼んでおります。
なぜ起きたのか?いう事です。
今客観的にこういう事がおきているんですね。
つまり中川昭一発言を契機にして日本に、いや東アジアに第2の核ドミノが起きる。

第一には中国が核実験をしたのは1964年です。
その核実験を見て中国と対立しているインドが核開発に踏み切った。
ところがインドと対立しているパキスタンがそれを見てまた核開発をスタートさせた。
これがアジアにおける第一次核ドミノです。
インドとパキスタンは核拡散防止条約に加盟を致しておりませんから、全くフリーです。
今度中国が北朝鮮の核を認めたら、日本・韓国・台湾が相互抑止という事で核開発に踏み切る。
いう懸念を北京は持ったわけです。

相互抑止とはどういう事か?と申しますと、第二次世界大戦後アメリカとソ連、地球上の人類を何度も殺戮できる破壊力を所有しておった。
だから片方が使ったら片方がやられる。
従って使う事ができなかった相互抑止、恐怖の平和が第二次世界大戦後ずっと維持されて来たというのが、いわば国際政治用語では相互抑止。
それを北朝鮮と日本との間、韓国と北の間で作り出さなければ自国の平和が維持できない、と言う状況が起きてきました。

そこでそうなったらどういう事になるか?と申しますと、中国をめぐって北朝鮮・韓国・日本・台湾が核で包囲される。
こういう事が北京政府にとっては懸念をされました。
従って金正日政権を倒すか、第2の核ドミノを引き起こすのか、いう厳しい選択を迫られている。
迫られているのが今の中国です。
従ってこれからどういう形であの北の政権を縛り上げていくのか?という事が、大きな課題になってきております。

で、ここから先は私の想像です、推測です。
アメリカと中国との間では軍事境界線は動かさない。
しかし、今の金正日政権についてはどのような措置をとっても、と言う合意が成立しているのではないか?と思います。

そこで、司会の方からそろそろまとめろと言うメモが来ましたけど(笑い声)、まとめますが、冒頭申し上げたように拉致の問題、これは残念ながら独自解決と言うのは非常に難しい。
核とミサイルで全部連動している、いう事でこれからです。
アメリカ・日本・中国が北の政権に対してどういう制裁を行うか?
どういう締め上げをしてカタをつけるか?といういわば秒読み段階に入ってきている。
言うふうに私は今の情勢を捉えております。

従って拉致の救出と言う点においては好ましい状況が出現している。
しかし、お集まりの皆さん・日本の国民の皆さんが断固として日本政府に「拉致を解決しろ、北朝鮮の政府政権を追い込まなければ拉致は解決しないよ」と言う声を上げていただかなければ、安倍さんがどんなに一人で拉致を解決するなんて言ったって、国民の支持がなかったらそれは難しいです。

実際拉致の問題は多くの国民に理解をいただきましたが、しかし尚、・・・(聞き取れず)にはいりますと、本当に拉致が今私が申し上げたような拉致を含めて北朝鮮との関係が死活の問題になっている。
そういうような理解はまだまだ行き届いていないと思います。
ぜひとも皆さん方のお力で拉致の解決にご協力いただければと思います。
以上で私の話は終ります。(拍手)


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