07.5.25 UIゼンセン会館2階会議室にて
テーマ 拉致問題解決に何が必要か、何が足りないのか
-----基本的枠組みの提言-----
『真鍋貞樹 調査会専務理事講演の資料』
拉致問題解決への立法・行政組織の限界とその克服 2007.5.25
真鍋貞樹
1.拉致問題解決への根源的な課題
・拉致問題は、金正日政権が転換しない限り、全面的な解決はない。
=>意識のベースでは、おおかたの「合意」が存在
・日本も関係国も、金正日独裁体制の転換に関する戦略を持ち合わせていない。
=>戦略ベースでは、内外ともに「合意」が存在しない
2.立法・行政組織による拉致問題解決の限界
・立法レベルでの、体制転換を前提とした対北朝鮮戦略が存在しない。
立法レベルで、戦後、他国の体制転換についてコミットした経過泣ない。
・行政組織レベルでは、法制度上、北朝鮮の体制転換の戦略は 「想定外」であ、る。
日本の情報機関の伝統的な問題
knowledge 知識(蓄積されるもの)の蓄積はあり
infomation 情報(相互に伝達されるもの)の拡大が不十分
intelligence 戦略(動きを伴ぅもの)の決定がなし
縦割り組織、縄張り意識、前例主義、民間の排除 (官僚主義)、情報独占
3.立法・行政組織レベルの限界を超え、拉致問題解決のために想定すべきものとは何か
(1)立法機能において、拉致問題解決に不可欠なもの
・立法機関の責務として、北朝鮮人権法、被害者支援法、各経済制裁法の個別的な
政策を、トータルな戦略をベースにした法体系を整備する事が不可欠である。
・立法機関ならではの、調査機関を設置していくことが不可欠である。
※ 現行の国会の拉致問題対策特別委員会は、官僚や関係者からの聴取と、現地
視察で終っている。民間に調査委員を委嘱し、実質的な実態調査昨日を
持たせることが不可欠である。(実態は、衆議院調査室が報告書を書いて終わり)
(2)行政組織の、情報収集能力と救出能力の実効性を高めるために不可欠なもの
内閣機能 ・・・NSCによる戦略の企画・立案が不可欠
拉致対策本部情報室の格上げ、機能強化が不可欠
警察庁 ・・・FBIのような、横断的組織が不可欠
外務省 ・・・海外情報収集機能の拡大が不可欠
公安調査庁 ・・・国内外の情報収集と分析を行なう情報相的組織に転換が不可欠
防衛省 ・・・北朝鮮での有事における邦人保護体制の構築は不可欠
4.まとめ
果たして、上記のような、拉致問題の解決に「不可欠なるもの」が、日本の国会・行政機構、
あるいは法制度、法文化で可能か?何よりも『間に合うのか』?
(1)結論は見えているが、「不可欠なるもの」の実現を目指した世論や運動が「不可欠」
(2)国民と政府が「協働」することが「不可欠」である。民間排除はマイナスである。
(3)民間でできるものは何かを考え、実行する事が「不可欠」
情報収集・・・北朝鮮からの情報の収集
体制転換・・・北朝鮮への情報の注入、脱北者支援、亡命政権支援
「自国の体制転換は、自国民が行う」のが鉄則
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この講演会のテキスト化及び音声のネット上への公開については、調査会代表の荒木氏の了解を頂いております。