2005年07月09日

特定失踪者加瀬テル子を支援する千葉集会(2)05.7.3 千葉市民会館にて

  真鍋貞樹特定失踪者問題調査会専務理事の講演 ‐2

  ― なぜ、加瀬さんが拉致されたのか ―

 えーと、今何分喋りましたか? あと20分くらいでまとめないといけないわけですね。ということでですね、まだまだわからないのは、何故加瀬テル子さんなのか? という肝腎の部分ですけれども、なぜ拉致されたのか? その必要性は何なのかということなんですけど、まだこれは、解明されてません。

 古川さんの場合は、考えられるのは拉致された日本人男性の奥さんということになるわけでしょうし、どうも加瀬さんのケースの場合も、ご存知の通り、加瀬さんの夫の存在が重要なわけですね。

 えーと、(ホワイトボードに加瀬さんの夫の似顔絵を描きながら)ここにこの男性がですね、加瀬さんの夫とされる男性なんですけれども、この写真については、我々としては、公開をしていきたいと思っているのですが、マスコミの所有の物なので、なかなか出せないんですけど、この人も、拉致された日本人であって、日本の国立大学の理工系を卒業したエリートだそうだというんですね。で、この人と加瀬さんが夫婦であると、そしてこの男性が、拉致された日本人を管理している責任者で、そういう役回りをさせられている、ということなんですね。

 で、そう考えると、やはりこれはわからないです。どちらが先に拉致されたのかということはわからないんですけど、こちらのデータがないもんですからね。ま、そうだとすると、加瀬さんもお嫁さんという形で選定されていたと考えられるわけであります。

 4.千葉県のおける特定失踪者の状況

そしてですね、加瀬さんについてはこれくらいにしまして、加瀬さんを中心に千葉ということなんですけれども、大町ルートについては、ちょっと置いておきまして、この場所なんですけど、さっき中村さんの方からお話ありましたけど、この院内という所、この栄町と院内という場所ですね、ここは要町というんですか? この会館そのものは?(仲條氏より「そうですね」の答えに)はい。
ところが私、来る前にその辺ちょっと見てきたんですけど、とんでもない(ソープなど風俗産業が多い)場所ですね。え〜実はということで、さっきお名前が出ましたけど、関谷俊子さんですね。この間記者会見をして発表した女性が、関谷俊子さんプラス女性プラス男性(ホワイトボードに名前を書いている)。この3人が〜ここの場所で失踪してるんですね。

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 <参考資料>
[特定失踪者問題調査会NEWS 264](17.6.27)着信分から抜粋

関谷 俊子(せきや としこ)(当時17歳)

生年月日  ・昭和32(1957)年5月19日
失踪年月日 ・昭和49(1974)年7月11日
性別 女
当時の身分 ・千葉市内の薬品会社に勤務 定時制高校在学中
当時の居住 ・千葉県市原市
失踪場所  ・千葉港付近
失踪当時の状況 ・親類の男性と幼馴染の同級生(女性)と千葉市内の飲食店で飲食後、親類の男性が「車で二人を家まで送ってくる」と店の従業員に言い残して出たまま3人一緒に行方不明となった。店の従業員は男性の兄と妹。男性の乗っていた車も発見されていない。関谷俊子さんは古川了子さんと同じ高校で3学年下。古川事件の1年後の失踪で同じ7月である。
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 地名を具体的にいうと院内です。院内のスナックからこの3人で一緒に、この男性の妹さんとお兄さんが働いていた院内のスナックで、食事をした後、この男性が車で関谷俊子さんと女性を家まで送っていくと言い残して家を出たまま失踪と…。(会場より「何年と?」に)古川了子さんの事件のちょうど1年後です。

 この関谷さんとこの女性は、小学校からの幼なじみで、古川了子さんと同じ千葉商業高校ということです。で、千葉商業高校はすぐそこにありまして、院内と栄町に非常に近い。関係者のお話によると、当時朝鮮高校の人たちと(笑いをこらえながら)相当ケンカをしていたと言うようなことで、どうも古川了子さんも千葉商、この二人の女性も千葉商、そういう形でしかもこの3人は千葉駅の周辺の院内ですし、古川了子さんも千葉駅ということですから同じような場所、それからこの女性が働いていたのは、古川了子さんが会社に通う途中の八幡宿(やわたじゅく)のルート上で働いていました。

 どうも古川了子さんと二人の女性というのは、非常に近い関係にあるというのは不思議でなりません。で、関谷さんとこの女性も市原の生まれ育ちということです。非常にこの3人の失踪というのは、関心をもって調査しているというわけです。

 ただやはりですね、ただ一般的な失踪もそうですけど、どうしても千葉でいうとこの院内、栄町という歓楽街といいますかね、そこを中心として事件が起こると、例えばですけれども、札幌でいうと、所謂ススキノという場所で関係した失踪が非常に多いのですね。
やはり、そういう歓楽街というのは多国籍ですから、いろんな国の国籍の人が活動してる、どうしてもそこに失踪というか拉致とかいうものとの繋がりがあるんじゃないかな…。ご存知のように田口八重子さんは、池袋の駅前の、ほんとに歓楽街のど真ん中だったわけですから、どうもこういう拉致、失踪、それからそういう地域というのは結びつくなおもっています。

 5.何もしない日本政府

 で、そういう状況なんですけれども、あと10分くらいにしますね。今後の対応なんですけれども、なぜ加瀬テル子さんこういう状況になっても政府は何もしないのか? ですね。なぜ拉致認定しないのかという以前になぜ何もしないのかです。認定以前の問題なんですね、もう(吐き捨てるような口調)。

 警察、千葉県警の方では、捜査をしているようですけども、事件はもう40年も前の事件ですから、やりようがないというようなことをどうも言っているようですが、こういう写真が出てきても、なお依然としてこれは千葉県警の責任じゃないと思うんですけど、もっと上のレベルの話しだと思うんですけど…。

 拉致認定をしない理由は、この間もちょっとお話ししましたけれど、加瀬テル子さんが日本から出た証拠がない、(吹き出しながら)これは私が聞いたんですけど…。どう考えたって、加瀬テル子さんと同一人物が、北朝鮮から脱北した人間が持ってきた事実と、それからハングルで書かれた刻印が捺されているということであれば、日本以外であるという明確な証拠であるにも関わらず、加瀬テル子さんが日本国外に出たという証拠がないから拉致認定しませんという…。

 これはもう、拉致認定したくないということを言ってるようなもんですね。で、なぜ拉致認定したくないのかということなんですが、この間の古川さんもまったく同じだし、松本京子さんも同じだし、これはもう戦線拡大をしたくないから、ま、これ以上、言葉は悪いけど煩わしいことはやめたい、ということの現われだろうと思われます。要は一言でいえばですね。

 これは警察というよりも、日本の政府の中枢の判断だというふうに思ってます。警察は、政府中枢の命令があれば、指令があれば、ぱっと動くわけですね。現場の警察官の皆さんは、もう忸怩たる思いをいっぱいしているわけですね。工作員を捕まえてもすぐに逃がしたり、拉致の犯人を捕まえてもすぐに逃がしたり、立件する寸前になったのに、政治的圧力がかかって「もう止めろ」と言われたり、その苦渋を嘗めてきて日本の警察も学習してますから、下手に動くと内閣の中枢から圧力がかかってくるというのは重々承知してますから、警察がこういう判断をしているとは思っていません。かなり権力の中枢が、この特定失踪者の問題を触れるなと、やるなという判断がされているからに他ならないと思っています。

 ― 何故拉致認定しないのか ―

 ま、それが何故なのか? ということですね。要するに小泉さんが、何故そういうふうに経済制裁はともかくとして、特定失踪者の問題に非常に消極的な姿勢を取っているかということは、これはもう小泉さん自ら語っていませんのでね、我々の類推するところ二つ考えられます。

 一つは中国への遠慮、もう一つは、これはわからないんですけどアメリカからの圧力です。このアメリカからの圧力というのは、二通りの意味がありまして、今米朝関係、いろいろゴチャゴチャやってますね、その動きというものを待ってた、というようなことですね。アメリカとしても、人権問題について関心があるけれども、あまり北朝鮮を刺激したくないという配慮も当然あるだろうと思います。

 もう一つ考えられるのは、アメリカが本気になるかもしれないということですね。で、あまりこの問題で、これは矛盾するんですけれども、アメリカが本気になってイラクとかアフガンの問題が落ち着いたとするならば、本気になるかもしれない。そういうところまで待て、というようなことがあるのかもしれません。

 だから、二通りの矛盾した想定が成り立つんです。我々としては、どっちでもいいから早く救出してくれということなんですけれども、もう少し時期を待てということになっているのかもしれません。

 とはいっても、ご家族の思いというものは、一刻も早くということですから、我々としてはそういう悠長なことは言っていられませんから、次なるステップを踏んでいかなければいけない。これがまあ古川さんの拉致認定訴訟ということになりますね。

 我々としては、古川さんが一つの代表選手という位置付けにしてはいるわけですけれども、場合によってはですね、古川さんの事件と連合裁判というんですかね、ちょっと法律用語はわかりませんけれども、二つ、三つの事件を一緒になって拉致認定を求めていく、というようなことも考えています。

 これは様子を見ながら、古川裁判の様子を見ながら、複数の、多くの事件で認定訴訟を求めたほうが、古川事件を含めて有利に働くのかどうかを見極めた上で、もし場合によっては、次なる認定訴訟を考えてみたいというふうに思っています。

 裁判は勝ち負けの世界ですから、勝てるというふうな見込みに立った上での戦術を取っていきたい。その中で当然、加瀬テル子さんということも考えられるし、松本京子さんということも考えられるということです。

 6.帰国した拉致被害者による情報の扱い

 それから、中村さんもちょっと触れてますけど、帰国された5人と我々との接触ですね。帰ってこられた5人は情報の宝庫です。もしかしたら古川さんを見てるかもしれない、加瀬さんを見てるかもしれない。少なくともこの情報が本当だったらこの男性(加瀬さんの夫で、日本人拉致被害者の管理役とされる男性)は知ってるはずです。

 この5人が、この男性を見たといった段階で、もう間違いなく加瀬さんは認定せざるを得なくなるわけですね。(会場から「その写真の方は、日本人ということで確認をされているわけですか? 調べられているんですか?」)その男性が誰かということは、我々のデータにはまだないんです、残念ながら。私もその男性を探してるんですけど、日本国内にいる失踪者の内の誰かと思うんですけどまだわからない。で、ついでにこの間もお話ししましたけれども、国井さんですね。

 この国井えり子さんという札幌、あ、ごめんなさい網走で失踪した方と同じ場所で写った写真、そしてこの男性と加瀬テル子さんは夫婦である。それでKなる人物は、加瀬さんと藤田進さん(の二人を運んだとされている)、(ホワイトボードに相関関係を書きながら)そういう関係からすると、あの(帰国した)5人の内誰かでも、どなたでもいいからこの人物を見たとなったら、ワン、ツー、スリー、フォー(関連図を順に指して)という形で、もう間違いなく拉致認定しなきゃいけない存在になるわけであります。

 で、我々としては、(帰国した)5人の方々に証言してくださいというお願いを再三しています。再三していますし、向こうからそれとなく意向が伝えられたことがありましたけれども、ちょっと我々としては、この問題は慎重にしなければいけないと思っています。

 信頼しないということではないんですけれども、あの5人の立場ということからすると、彼らの本心なり、本音なり、彼らの持ってる本当の情報が、隠蔽したり、曲げられたりして我々の所に来る可能性があると思っています。最悪の情報は「他に誰の日本人も見ていません」という情報がもたらされてしまったら、もうそれっきりになる。そういうことにならないように、注意していかなきゃならないと思っております。

 で、これは地村の親父さん(原発言のママ、地村保氏のこと)が再三、再四言うんですけども「保志は、すべての情報を日本政府に語っている」と。「だから日本政府が責任をもって情報を開示すべきなんや」と地村の親父さんは再三、再四言っておられますね。

 我々としてもその通りだと思ってます。我々として5人を責めるんじゃなくって、5人がけしからんって間違っても言うんじゃなくって、5人の方々はすべて情報を提供しているわけです。だったとしたら、日本政府はその情報を握り潰してる、隠蔽してるんですね。何の理由かわからないけれど。

 ― たとえパンドラの箱であろうとも ―

 知ってるんですね、知っているのに何も言わない(怒りのこもった口調)。ご家族にも何も伝えてこない。加瀬さんの所にも、古川さんの所にも、特定失踪者のご家族の所にも何にも言ってこない。

 で、これは私の憶測なんですけれども、拉致被害者の5人の方は、もっと、もっと多くのことを知っているはずです。知り得る立場にあったと思います。それが日本政府は知っていながら、いまだに情報を何も開示していないというのは、一体どういうことか? それはもう、また戻りますけれども、特定失踪者の問題をこれ以上大きくしていきたくないということなのか、もしかしたら、とんでもないパンドラの箱になってしまうのかもしれません。

 我々としては、パンドラの蛇が出てくるのか、何が出てくるのかわからなくても、すべてを開示してほしいと思ってるんですけど、それにご家族が耐えられるかどうか? という問題もあるんですね。だから善意に解釈すれば、日本政府としてもその辺を慮っての行動なのかどうかはわかりませんけれども…。

 ただやはり私たちは、ご家族とお話し合いをした時は、必ず結論的にはどんな情報でもいいから、とにかく覚悟しておられるということですから、そういうご家族の思いを踏みにじってはいけない、というふうに思ってますから、我々としてはこれから強くですね、日本政府にこの5人が語った情報を開示せよ、という形でですね求めていきたいと思っております。

 7.加瀬テル子さん救出運動のあり方

 えー、それではですね、そろそろお時間ですのでまとめたいと思いますけれども、大きな話しは中村さんがなされましたので、今後の加瀬さんの運動のあり方なんですけれども、まあ一つには、今日古川さんのお姉さんご夫婦が来られてますので、それから関谷さんというまだまだわからないけどご家族が出ましたから、やっぱり千葉のご家族で、できる限り連携した動きで、進めて行っていきたいなというふうに思っております。

 やはり、お一人、お一人のご家族だとしんどい場面もあると思いますので、できれば横の連絡をしてまとまって何かを進めていかれるというのが…、まとまるとまた難しいこともあるんですけれども、こういう集会という時には、やはりまとまっていかれる方が、より効果的になるかもしれません。

 加瀬さんの場合には、単独でやられる場合は地元という感じで、それも百人とか二百人というイメージは、捨てられた方がいいと思います。10人、20人という小さな集会をもういくつも、丹念に、丹念にやっていくというイメージからスタートされた方がよろしいかな、と思っております。

 その中で、まずはご家族が団結される、ご家族が団結しない限り、この運動は絶対に進まない。これはもう拉致問題の宿命みたいなもんです。いい例が石岡さんね、それから福留貴美子さん、ご家族にいろいろな事情があって、ご家族が表に出られない。結局運動も進まない、という状況があるのは、これは共通してますので、仲條さんの方にお願いするのは、やはりご家族でまとまって、できればこういう集会をやる時には、おばさんが交代、交代で訴えられるという状況を作っていただきたい。

 そういうことを積み重ねていく内に、地元ですとか、友人、知人という方たちが入ってきて、そこを我々第三者というか、支援する皆さんにお手伝いいただくというイメージで、ぜひ進めていっていただければなあ、と思っています。

 で、最初に戻りますけれども、こういう活動は、どんなに問題が大きくても最初は一人から、やっぱり数人からという宿命もあると思います。ただやっている内に、理解が深まるし、支援してくださる方も増えてくると思いますので、今日をスタートという形ですね、また一緒に皆さんと共にですね、この問題の解決に私も努力していきたいと思いますので、本当にご家族の皆さん大変でしょうけども、ご努力をお願いしたい。

 それからスタッフの皆さんにも、今日おいでになった皆さんにも、今日は最後になりましたけれども、亜細亜人権協議会の皆さんにご尽力いただいたことを、心からお礼を申し上げまして、お話しを終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)

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このエントリーのテキストは原良一氏の手によるものです。
原氏のご好意により当Blogに掲載させて頂いております。


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