2005年08月05日

「なぜ救出できないのか」〜町田シンポジウム(1) 05.7.18 町田市民ホールにて

★パネリスト

横田 滋・早紀江 夫妻 北朝鮮による拉致被害者家族連絡会代表
安倍 晋三 自由民主党衆議院議員・幹事長代理・自民党拉致対策本部長
水野 賢一 自由民主党衆議院議員
原口 一博 民主党衆議院議員
森本 敏 拓殖大学海外事情研究所所長
西岡 力 東京基督教大学教授
重村 智計 早稲田大学国際教養学部教授
荒木 和博 拓殖大学海外事情研究所教授

※司会 … 宮崎 緑 千葉商科大学政策情報学部助教授

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「冒頭北朝鮮状況分析 現在の北朝鮮の状況について」

★荒木和博氏(拓殖大学海外事情研究所教授)
今の朝鮮半島の状況というのは、(95年前に日韓併合となって、100年前は・・)100年前の状況と、それから50年ちょっと前、朝鮮戦争が始まる前の状況が一緒にきている。
100年前と違うのは、100年前の主役は『日本とロシア』でしたが、それが『中国とアメリカ』に変わっているということでございます。
50年ちょっと前と非常によく似ているのは、南の中に北朝鮮のスパイのようなものが、相当の根を張って、そして、実際に表に出て行動していたという状況。
こういった2つの状況が一緒に来た形ではないかと思っています。

北朝鮮の中は今、西岡さんがお話をなされた状況な訳ですが、今、中国はアメリカに取られないようにということで、相当の手を突っ込んでいるといった状況のように見受けられます。
金正日は『中国よりアメリカの方が好きですから、アメリカになびきたい。
しかしアメリカが非常につれない』ということで、一生懸命自分の値段を上げようとしていると言うことでございまして、まぁ、昔100年ちょっと前も、朝鮮の王様がロシア大使館に1年以上逃げ込んでいたと言うことがございましたが、こんなことがやがて起きないとも限らない。
ある意味でかなり切迫した状況ではないかと思います。
韓国の中も、ある意味では韓国の方が先に崩壊するのではという状況ですが、北朝鮮の状況も単に経済だけでなく、政治の体制自体が相当のガタがきているというような状況ではないかと思います。

※司会 宮崎緑さん
わかりました。
原口さんいかがでしょう?

★原口一博氏
今日の会、本当にありがとうございます。
私は2002年の7月1日に金正日が出した、いわゆる経済改善処置、これに着目しております。
その直後に小泉首相が平壌を訪れられました。

つまり数々の飢饉、経済節制、多くの国民の餓死と言うものを経て、改革開放、そちらにに舵をとろうとした。
ところが、それは何を意味するかと言いますと、党主導で行われたと言われますが、それは軍にとっては非常におもしろくない。
一方で、私達は今年の初めの最高人民会議、(これが一党独裁の国の最高意思決定機関、だけど実質的には金正日総書記の意思を確認するだけの機関だと言われていますが)これが延期をされました。これに着目しました。

もし金正日体制が専軍政治の中で核開発をし、ミサイル開発をし、そして世界から瀬戸際外交、孤立をしようとすれば、軍の方の予算に力を入れるはずです。
「そうでなはない」と、いわゆる経済改革を協調の中でやるとすれば、そうじゃない予算がでるとはずだということで着目していました。

それが延期をされました。
この延期の意味というのは何なのか?
只今両先生がおっしゃいましたとおり、北朝鮮の体制の中で、縮小する経済、縮小する利権の中で、様々なせめぎ合いがあるのかなと思っています。
それは西岡先生が最初おっしゃった、厳しい情報統制、洗脳教育といったものが逆に厳しくなってきているのではないかとと(いうことです。)

ここに朝鮮労働党出版社がだした、2005年の『異色的な生活風潮を流布させる敵どもの策動を徹底的に打ち破ることについて』(という資料があります。)
つまり国内の情報が統制できなくなって、様々な風俗やあるいは習慣や、あるいはお金に対するモジベーションがでてきて、それを抑えられなくなっているので、如何に異色的な生活風潮を抑え、髪型もきちんとし、労働党、つまり、一党独裁政治に、従順な人になるかということがここに書かれているわけでございます。

私は、今、大きな岐路に立っているだろうなという風に思います。
金正日総書記にとっては、二つのシナリオがあると思います。このまんま専軍政治(専軍政治の中で軍をきっちり掌握しているかと言うことについて、あとで他の先生にお聞きしたいと思いますが)専軍政治を続けて、そして国際社会から孤立を深め、国民を飢えさせるのか、それとも拉致の問題に誠実に対応して、核を放棄して経済改革をする、そのそのどっちかと思います。
後ろのシナリオをとったときに、金正日政権にとって危険なことは何か?それは軍によるクーデターです。

今年の初めに官僚機構である内閣が、たしか外貨の中から20%を農業改革に入れるんだと言う話をしました。
これで又、複雑になっているのは、外貨というのは今まで党と軍が持っていた大きな利権です。
その利権に官僚機構がくちばしを入れるようになった。これでまた余計複雑な様相を呈している。
もし平和解決、拉致問題解決のシナリオを取ろうとするなら、一時的に金正日総書記は、軍によるクーデターの危険を排除できなくなります。

しかし、是非冷静に考えてみて欲しい。
アメリカの軍や、多くの国際社会の軍事行動を彼が何処までコントロールできるのか。
それよりもむしろ、自分の国内のクーデターと反乱をコントロールするほうが容易ではないか。
そういう理性的な立場に立った時には、選択肢は自ずと決まっている。拉致問題を解決する。

最後にただ何故、ここまで疲弊をした、インフラもほとんど統一化されていない、スクラップ化している、農業生産も厳しい。
しかし、何故のびているのか?中韓の援助ですか?私はそれだけではないと思います。
こないだ松原議員が、国会で『日本からの送金はいくらか』ということを聞きました。
答弁は『3億円から4億円』と言う話でした。

冗談じゃありません。
一兆4000億も、北朝鮮系の金融機関に私達は国民の税金を入れています。
そのうちの一兆円が返ってきません。
私も国会で取り上げましたけれども、莫大な債権放棄をして、そこに国民の税金を入れて、国民の税金で拉致の工作員を雇い、国民の税金でミサイルを作り核を開発させているのだとしたら、こんな愚かな話はない。

私は公安の諸君、日本政府、重要な立場にある人は、このことを知っている(と思っています)。
知っていて何故それを追求しないのか?
知っていて何故それを止めないのか。ここに大きな問題があると思っています。

※司会 宮崎緑さん
今、あやうい綱渡りをしている体制を支えているかもしれないという、その構図についてご指摘があったわけですが、その構図について水野さんはどう考えますか?

★水野賢一氏(自由民主党・衆議院議員)
水野ですけれども。
まず、北朝鮮の現状と言えば、実はよく判らないことが当然あるわけなんですね。
日本とか先進国ではたとえばGDPの統計など、様々な経済的な統計が公開されているわけですが、そう言う意味では(北朝鮮は)もっとも不透明であり、最も情報が届かない国な訳ですから、よくわからないことがあるわけなんですが、しかしながら、そうした中でも、非常に困窮した、疲弊をしている状況であるというのは、容易に想像がつくわけであります。

普通は、自国の中が飢餓に苦しんでいるとか、そういうことは隠すのものですが、北朝鮮もだからこそ、かつてはそうしたことは『デマ宣伝』だとか『謀略』だとか言っていた訳ですね。
そして自分の国は「地上の楽園」だなんて言うことをいっていたわけですけれど。

それがむしろ90年代ぐらいから方針が変わってきて、彼ら自身もそう言うことを隠し切れなくなったというのが一方ではあるでしょうし、一方には、そのことを訴えてでも他国からの支援を引き出さなければいけないという、たとえば、電力とか原油だとかそう言うようなものを、引き出そう引き出そうと、カードとしても要求をしてくるぐらい、彼らの困窮がそれだけ極まってきたのかなというふうに思うわけでございます。

そういうことからも、彼らを支えているということになると、外国からの支援、中国、韓国、そして今原口先生がおっしゃられたように、日本からも様々な形、合法、非合法の形があってですね、様々な資金援助等々がある。やはり『ここを止める』ということが、大きいカードになりうるのではないかという風に考えているわけであります。

困窮しているからこそ、(そこが単なる生命線になっているわけですから)そこに対して、切り込んでいくという事が我々にとっては『外交のカード』になりえるのではないかと。
それで問題は(ここは経済制裁の話に繋がってくるわけですが)今までは政府は『対話と圧力』と言いながら、実は『圧力』というのはかける術さえ持っていなかったのですね。これも大きい問題なんでして。

昨年すでに、法律を2つ改正致しまして、特定船舶入港禁止法と改正外為法、これは原口さんの民主党と自民党が、党派を超えて、これを成立をさせたんですけれども。
圧力を従来かけようと思ってもかけられなかった。
なぜなら、法律がなかったから。
法律がないのであればこれを立法府の一員として、法律に不備があるのならば、法律を作る必要がある、そういう思いの中で、新しい法律を作ったわけですが。

ですから今は、「圧力カード」をかけようとすればかけることができるんですね。
ただ政府はかけようとしていないというだけのことで、そのカードを切ろうとしていないというのが現状でございます。
ですから私も、党派を越えて、今やろうとすれば出来る状態にあるのですから、このことを行う時期が、もう来たのではないかと、そう言う風に思っているところでございます。

※司会 宮崎緑さん
はい。
経済制裁については、これはしっかりと議論していかなければならないと思いますが、その前提になる、今のお話しの中にも出てきましたが、チョット確認も込めまして、是非森本さんにお伺いしたいのですが、金正日体制が軍をどのくらい掌握しているのかどうかという話ですね。
これは核の開発などにも関連してくると思いますが、先ほどの原口さんのシナリオでは、もし経済政策をとった場合には、クーデターで結局倒されるんだと言うことが考えられるという話がありましたけど、内部の状況をどのように捉えていらっしゃいますか?

★森本 敏氏(拓殖大学海外事情研究所所長 )
北朝鮮の支配力というのは結局は金日成の時代から、国家主席、北朝鮮労働党の総書記、並びに国防委員会の委員長=軍の最高指導者、この3つの帽子を一人でかぶっていた。
そのうちの軍の指揮官としての地位だけを存命中に現在の金正日に渡している。
それは渡しても安全だと思ったから。
もちろん、自分がいなくなったあと軍の支援と協力を基盤にして権力構造を維持することが一番確実だから、おそらく存命中から息子にその地位を譲ったのだろう。

だからこそ、今、依然として金正日は国防委員会の委員長という、軍事参謀委員会の委員長のような肩書きで、国家主席も、北朝鮮労働党の総書記としての身分も維持しないで、軍の最高指揮官として実体上は最高権力を握っていると言うことではないかと思います。

ところが、軍も彼に表面上忠誠を誓うということが便利であり、特権も享受でき、予算も貰い、軍人の身分もきちっと保証でき、彼らにその他の人々よりむしろ優遇された恩恵が与えられるという関係にあって、今日、権力構造が軍に支えられた、金正日体制と言うことになっているのだと思います。

本当に軍人が何処まで忠誠心を持っているかどうかというと私は疑問だと思います。
というのは彼は「軍人としての実績」、「指揮官としての資質」というものを兼ね備えているとは思えない。
が、しかし、彼が軍に必要な協力を求め、支援を求め、予算を落とし、地位もどんどん、軍人が何百人という人が処遇され、そう言うことによって軍は一番心地よい指導者が自分たちの上にいるということで、いわば申し上げたとおり、持ちつ持たれつという状況にあるのだと思います。

結局の所、この国は非常に特異な体制で、私は3つ問題があって、一つは後継者が組織的に育てられていない。
彼は正に父親からある種組織的に後継者として育成され、ある年代に、地位も与えられ権限も与えられたが、そのようなことは彼は、息子の誰にもやっていない。
つまり正当な後継者の育成を組織としてやっていない。従って何かあったときに、この国がかなりの大きな混乱を招くというのは大いに考えられる。この問題がひとつ。

第二番目に、軍人、兵隊がロイヤルだとは言いながら、実際に彼らが不満を持っていないのかというと、さきほど西岡先生がおっしゃったように、だんだん配給制度などの体質が壊れてくると、特典、恩恵を享受できた兵隊、兵士というものが必ずしも特権階級ではおれなくなって、彼らに不満がたまり、訓練にも事欠く燃料の状態がおき、戦闘機もほとんど飛べない、戦車も動かないような状況だと、結局彼らはドンドンと不満がたまってくる。
それは今、申し上げたとおり持ちつ持たれつの関係でよいですけれども、何かあったときに本当に彼に対して忠誠心を持てるかというと私は非常に疑問に思っているということなんです。

裏返して言うと、第三に、したがってこの国はある種、外から圧力をぐっとかけたときに、どういう状態が起こるかというと、命令によって軍隊が動くが、しかし<継戦能力>つまり、長く軍隊を維持するのに必要な最低限の武器弾薬を、中国に依存する以外、外貨で買ったりすると言うことが十分出来ない限り、結局長く100万以上の軍隊を維持することが出来ない。
つまり張り子の虎のごとく、兵力はものすごいようですが、すごい勢いで内部崩壊していく可能性が常にあって、むしろこういう状態が我々にとって危険なのです。

危険というのはその兵士が、自らの、国家とか体制を捨てて、武器を持って日本海を渡って日本の方に逃げてくる。
ある種の武器を持った難民、つまり我々の言葉で言うと『武装難民』というのがすごい勢いで日本に近寄ってくる。
これは統制のとれない不安定要因が我々の前にある。
これについてどうやって、防ぐかについて、日本政府は組織的なきちんとした対応処置を持っていないと言うことだと思うのです。
だから、北朝鮮の軍隊というのは実は非常に、表面上防衛白書などに書いてある数字だとか実態と内情とはかなり大きな格差があるんではないかとの印象を持っています。

※司会 宮崎緑さん
体制をですね、危険な崩壊をさせないで、しかしながら国際社会の中で対応できるようなかたちで解決していくような道を探ると言うことはできるのでしょうか?
いかがでしょうか?西岡さん。

★西岡力氏(東京基督教大学教授)
その議論をするときに前提になるのは原口先生が提起された問題だと思います
金正日の前に、今、二つの選択肢があるのかどうかという事なんですけれども、私は実はそれは『そうではない』と思っている。94年の段階であった。
金正日が選んだのは、人民を飢えさせて、核ミサイルを開発し、そして政治警察を維持するという道なのです。
そして軍におべっかを使って、待遇をあげる、階級をあげる、軍だけは待遇を良くすると言う道を選んだんです。

※司会 宮崎緑さん
そうすると先ほど原口さんがおっしゃった第二のシナリオ、『経済政策をとっていく』ということは、もうその段階で捨てていると言うことですか?

★西岡力氏
金正日は捨てている。
第二のシナリオは、捨てている。
2002年の7月はそんな大きな意味はなく、闇市がどんどん出てきてしまったので、それを追認するような形になったと言うのが私の見方です。

だからどういう事であるかと言いますと、つまり、国家としては原口さんのおっしゃる選択はあり得る。金正日にはもうない。
だとすると、ぼくは逆で、軍によるクーデターが起こるとすると、金正日が過激な方向に行くときにそれを止めさせるような方向で(起こる。)
金正日が国家を犠牲にして、アメリカとのチキンレースに向かっているわけです。
今はどちらがブレーキかけるかという状況になっているわけで。
これを望んでいるのは金正日と韓国の盧武鉉政権及び過激な左派だけですね。

北朝鮮の人民も、中国も、韓国一般の人たちも、日本もアメリカも全部望んでいない方向に核を持って、軍隊を握って、ひた走っているわけですね。
そしてそれは金正日にとって、彼らの落としどころは、もう一つあって、3つ目があって、韓国に大変『反米』が高まっている。
このままいけば韓国の国民の半分が自分のものになっていると見えている。
−私はそんなことはないと思っていますけれども−政権の中枢にもかなり彼ら(北朝鮮)の言うことを聞く人たちがいると彼らは思っている。
ですから、米軍を撤退させて、国家体制や連邦制度を作って、最終的に北朝鮮主導の統一が出来るかもしれないと思っている間は、苦しい<改革開放>などの道などには向かわない。

だから3つの選択肢があって。
しかし、国際社会はこれを許しませんから。
金正日の核武装というのは、つまりアメリカや日本が、韓国が赤化するようなときに『介入するな』と。
介入したらば、アメリカや日本に『攻撃する能力もっているぞ』と言うことを言える。
一発も落としませんからね。
『アメリカ日本を犠牲にして韓国を守るんですか』ということを言えると。
つまりベトナムのごときですね。軍事では負けるです。しかし犠牲者を出すことは出来る。『ベトナムのために犠牲者を出し続けるのですか?』という風にアメリカ社会に向かって。
ワシントンへ攻撃する時間や能力はない。
そのことを狙って核作ってる。
しかし、それは国際社会が絶対許さない。

ですから、原口先生が最初におっしゃったように、金正日に対する軍の忠誠心はないですから、圧力をかける。
そして金正日が飛ばされる。金正日を除去されるというのが、これが実は平和的な軟着陸としてある。
一番良いのは金正日が北朝鮮の人民、あるいは軍と手によって除去されるということではないかと、私は思っている。

※司会 宮崎緑さん
はい。
ありがとうございました。
原口さんご意見もあると思いますが、今はですね、核を本当に持っているのか、核開発の目的をどのように見たらいいのかについてチョット確認しておきたいんですが、これは荒木さんにお話しを頂いてから、今のシナリオについて原口さんにお話を伺うという順序でいいですか?それではお願いします。

★荒木和博氏
核の問題については私より詳しい先生方がおられるので、おおざっぱな話ですが、北朝鮮が核を持っているか、そしてそれがどの程度の状況にあるか進行具合かどうかというのは、実はそれほど重要な問題ではないと私は思っています。
それよりも忘れてはならない事は、少なくとも「北朝鮮が核を手放そうということにはならない」ということですね。北朝鮮から核を取り除いてしまえば、唯の『貧乏な独裁国家』になってしまいます。
そんなことは絶対に出来ません。
金正日が「核を手放します」などと言ったら、その場で金正日の命はないでしょうし、又、そんなことを軍が許すわけもなく。

意思があればどういう風にするかと。
みなさん、アルカイダがどんな武器を持っているかという事はみんなあんまり関心は持っていないわけであります。
何に関心があるかというと、『アルカイダがどんな意思を持っているかと』いうことに関心があるわけで、北朝鮮も同様でありまして、彼らが核を絶対に手放さないという前提で考えると、もしたとえば、あと一年で核開発ができるという状況だった場合に、もしそれをどっかから持ってくれば、3ヶ月でできるということであれば、当然そう言うことにしてしまうだろうと思います。

もちろん現状でどのくらい危険かという問題もあるわけですが、やはりその『意思』はあの体制が存在する限りは絶対に潰れていかない。
場合によっては、爆弾をミサイルに積めなければ飛行機に積んでくる、あるいは船に積む、そして持ってくるということだけでも効果はあるわけですから、その使い方等々を考えれば様々なことが考えられるのではないかと。そこが私自身が一番重要なポイントではないだろうかと。

★原口一博氏
西岡さんのおっしゃるところは95年に専軍政治を宣言していますから、二つのシナリオの中の専軍政治というシナリオを取ったというのはその通りです。その中で揺れていると言うことは確かです。本来、社会主義国ではあらゆる分野で党が主導的地位を占めて、軍や行政機関を徹底的に監視する役目を党直属の秘密機関がもつ。

ところが軍を監視すべき。。先ほど森本先生がさっきおっしゃったように、金正日は後継指名を受けたときに軍の最高機関、最高指導者になるわけですけれども、そこで彼の後継者だった人は急死していますね、95年以降に。そこで彼自体の足場というのは、非常に弱くなっているという見方ができる。
ただ、二つのシナリオを敢えて言っているのは、これは政治的なメッセージであって、実質的な事ではありません。私は金正日が目の前にいると思って言ってますから。

目の前にいるんだったら、「こうやってやってくれ」と。アメリカ軍の圧殺を貴方は止めることはできない。だけれども自分のところだったらコントロール出来るでしょう。世界の世論を貴方が核でコントロールできないけれども、拉致問題を解決して、私達の協力を引き出すことはできるでしょう。さっき言ったのは金正日あてのメッセージであって、中身としては西岡先生の言ってらっしゃることが正しい。ただ、私はこれ以上北朝鮮に時間を与えることがいけないと言うことを申し上げたい。

94年の枠組み合意で、−私も去年ニューヨークでKEDOの○○さん(不明)と議論しましたけれど−「結局この10年間は何だったのだろう」と。「彼らに核開発のモジベーションを高め、そして彼らにその時間を与えただけ」だと。

今何が起こっているのかと。私は核を持っていると思います。そして、核を持っているからには次は何をやるかというと、保有宣言したら、次は核実験ですよ。実験をしなければ、自分たちの持っている核の信頼性を世間にアピールすることが出来ない。結果としてテロリストに売り渡したり、自分のところで使うにしろ、自分の所の地位を低めてしまうことは絶対にやらない。

私はこの拉致の問題、2003年、2004年中韓を訪問したとき、彼らが何と言ったか。「これは重大な人権侵害であり、重大な国家主権の侵害であるから、自分たちも全力でやります」ということを、私達の外交ミッションで言っているのです。今どうですか?逆じゃないですか?

本来、拉致家族の皆さんや、私達が主張していたとおり、経済制裁をもうやっていれば、結果最後の領収書は私達日本にくるわけですから。六カ国協議で拉致の問題を議題にしないなどということ言えるわけがない。
そのカードをどうして私達は使わないのかというのが最大の問題であって。

私は国内がどんなに分裂していて、その分裂している良いわけを彼らに与えるために言っているわけではありません。金正日総書記に目の前にいるんだったら、「こっちの選択を今すぐ取るように」ということを申し上げているんで、その辺は誤解の無きようよろしくお願いします。

★西岡力氏
これは金正日総書記に対するメッセージであると共に、金正日総書記を除去できる力を持っている軍の幹部にも、十分メッセージになっていると思います。

※司会 宮崎緑さん
そのメッセージを実行する勢力が日本にないのが、私達から見るととても歯がゆいのですが、水野さんいかがでしょう。

★水野賢一氏
日本としては当然目指さなければいけないのは、朝鮮半島の非核化する。
(核兵器持っているのかいないのかというのは、ああいう国だからよくわからないけれども、彼らが保有宣言を今年の2月にしたわけですから、持っているという風に考えたほうがいいでしょうし、やはり政治に於いては最悪のことを想定する必要がありますから、根拠なき楽観をしてもしょうがないですから)まず核というものを持っていると想定しながら様々な戦略等を組み立てていかなければならないと言うのは当然あるわけですね。
そこには当然ミサイル防衛をどうするとか、そう言うことにも関係してくるわけですけれども。

一方で国際社会の中で、訴えていくときに核問題は当然大切なのですが。
拉致問題と核問題と両方あるわけですが、拉致問題を訴えて行かなくてはならないし、拉致問題が核の陰に隠れてしまってはいけないと言うのも当然であります。これは両輪であって、核の問題は、一億二千万の生命の問題ですからきわめて大切であるし、拉致問題は、重大な主権侵害の問題であるし、人権侵害だから、これも訴えて行かなくてはならない。

実はですね、拉致問題というのは国際社会で、訴えていけば行くほど、必ず理解される問題だと考えています。
確かに、韓国、中国は拉致問題は六者協議の中でテーマにすべきじゃないという立場であるんですが、私は、外務政務次官を務めていますが、拉致問題を他の国のかたに訴えるのですが、非常に誰がどう考えても、非道なことなんですね。
世界の何処の国の人が聞いてもですね。
この問題は、ねばり強く訴えれば訴えるほど国際的必ず共感を得られるテーマでもありますし、六カ国協議でも、決して諦めることなく、テーマにすべきではないなどと言うのは、論外であって、このことを真正面から取り上げていく必要がある。核と並ぶ主要テーマとして訴えていくべきだと

※司会 宮崎緑さん
先日外務大臣もこれは取り上げたいと発言していますね。
実際にそう言う風にはこぶかということですね。

★水野賢一氏
六者協議においてですね、中国、韓国はどちらかというと「六カ国協議は非核化がテーマだから、拉致問題は日朝二カ国の話だけでやってくれ」と言う傾向があるのは事実ですけれども、日本政府としては、与党も一体として当然この問題は、核と並んで最大テーマとして取り上げていくべきだと(一部不明)

※宮崎緑さん
経済制裁の話はもう待てないので話をどんどん進めていきたいと思いますが、原口さんがさっきおっしゃいました、結局<支える形になってしまっている>という事、矛盾と言いますかね、これを何とか断ち切って行かなくてはいけないというところに、有効な手立てとして、(一部不明)これをちょっとご説明いただきたいのですが、原口さんよろしいでしょうか?


★原口一博氏
先ほど私が申し上げたのは国民の税金を入れてる、いわゆる不良債権処理の所ですね。
不良債権処理のところは、厳しいモニターがあるはずなんです。
国民の税金ですから。
ところが、拉致の問題時もそうでしたけれど、一緒に議論している中に、よそと繋がってる人間がいたり。
今回の不良債権処理の問題についても、実際に事実がわかっていて、私が国会で取り上げたものは、5000万しか不動産の価値がないところに、17億、お金をつぎ込んでいる、朝銀。
朝銀はそのお金を借りた人に、債権放棄してる。つまり「お金返さなくて良いですよ」と言っている。

私はその借りた人を調べてみました。
調べてみたら当然債権放棄=お金を返してくれなくて良いよといってるんだから、潰れているんだと思った。
冗談じゃない。
むちゃくちゃ元気で、経済活動、やってるわけです。
こんなこと一つを取ってみても、金融庁の調査能力をすれば、(金融庁に頼まなくたってそうですね、金融の世界にいる人だったら当たり前)これは不正融資だって判る。
じゃぁ17億の国民のお金は何処に行っているのか。
もう結論は明らかじゃないでしょうか?

RCCという整理回収機構(実名前挙げて申し訳ないが)、国策会社がありますが、それの管理会社、是非拉致議連でも調査したいと思っていますが、管理会社の人たち、社長の国籍、どこですか?
日本でしょうか?
私が調べた人は、住所が公園だったんですよ。
公園に住む人は闇じゃないですか?(笑い)
公園に住所持っている方がこの中にいたら、今すぐ出て行って頂きたいんですけれども。
そういう会社を不良債権の管理会社にしているという事実、疑い、これに対して、何も答えられない。

水野さんは私達、経済制裁プロジェクトチームのトップとして、ものすごく働いて頂いたので、水野さんをを責めるつもりはない。
むしろ、大変な同志だと思っている。
しかし知っていて知らんふりをする。
知っているんです。
調査じゃないんです、宮崎さん。
知っているんです。
止めなければいけないんです。
逆に、止めなければいけないと言ってる勢力を、その力を、削いでいるのが、「誰か」と言うことを、私達は突き止めなくてはならない。

※司会 宮崎緑さん
誰なんですか?
(会場笑いと拍手)

★原口一博氏
これは、あとで安部幹事長代理がお見えなって、重村先生もお見えになる。
(会場から「野中広務」という声、拍手)

そう言う人もいたでしょうね。
ただ、その人は今官邸にはいないわけです。
だからこの先は敢えて言いません。
しかしそれは事実として、私達が党派を超えて追及していくテーマである。
ここに拉致問題の本質があるんだと思います。(大きな拍手)

※司会 宮崎緑さん
はい。
安倍幹事長代理はあと15分位で到着する予定だそうです。
いらっしゃったら、早速聞いてみたいともいますが。(会場拍手)
それについて、森本さん、ちょっとどうでしょうか?
そういうことなんでしょうか?

★森本敏氏
これは、ぼくは、原口先生の仰る事がほとんど正しい。(拍手)

日本の政治の中のある種の<恥部>で日本の政府がとっている北朝鮮政策というのは、(私は外務省にいたから少しバイヤスがかかっているかもしれないけれども)常に純粋外交ではないんです。
ほとんどは国内政治そのもので、やたらに変なところから、圧力がかかって、歪められた外交をずっとやってきている。(拍手)

僕は役人が正しいことを常にやっているとは思いませんけれども、少なくとも外交の一貫性をなんとか維持しようと思ってますが、たとえば今「対話と圧力」ということばを簡単に使いますけれども、「アメと鞭」ということがもしあるとすると、北朝鮮に対するアメというのは、食料援助、この12.5万トンの米を今凍結している。
一方鞭というのは、水野先生、原口先生が一生懸命やっている、いわゆる特定船舶入稿禁止に関連する法案と、並びに外為法。この二つ法律はちゃんと成立しているのにこのカードは使わない。

つまりアメも鞭も使わない。
でアメも鞭も使わないでそして「対話と圧力」というが、「圧力」もかけず「対話」もしていない。
日朝の国交正常化交渉はほとんど止めてしまっている。
一体何をしているのかというと、何もしていない。そして、「北朝鮮の誠意ある回答を待っている」、そんなもん、「誠意ある回答」があるならば、拉致問題なんて起きないんですよ。(大きな拍手)

ことばは言うんですけれども、実態が伴わない状態で、放置して日本政府は、要するに外交をやっているんだけど、この最大の理由は、「現在の日中関係と日韓関係が悪い」、ここにあると思います。
つまり中国と韓国というのは、北朝鮮の側に立っていて、金正日体制を何とか生存・存続させようと思って、彼らの要求をアメリカに押し付けることだけに汲々としているということです。

だから日本が拉致問題を六カ国協議で取り上げることを中国=議長国は、人権という名のもとに反対している。
韓国は南北の赤十字会談をやっているから、日本もやればいいじゃないかと言って、自分たちも拉致問題の被害者であるのだから、日本側の立場にたって当然日韓が一緒になって拉致問題を北朝鮮に追及するのが論理的なのに、絶対それをやらない。

非常に不思議な事をやって、今日まで来ているんだということです。
つまりその背後に、「そういうことやるな」という圧力が官邸にかかっている。
つまりそういう非常に歪められた政治の枠組みの中で、不法にお金が動き、外交に圧力がかけられ、役人ほど良い面の皮で、その政治的圧力の中で、行ったり来たりして、額に汗して、何とか自分たちの外交をやっているふりをして、国内に説明しているという情け無い状態がずっと続いている。
つまり、ただ、お金だけ取られて、好きなようにされているというのが日本の実態です。
(拍手)

筋の通った、北朝鮮政策を、誰かがやらなくてはならない。ぼくはあんまりこれ言いたくなかったんです。安倍さんが来るまで待ってやろうと思ってたんです。(会場笑い)

※司会 宮崎緑さん
もう一回言って頂ければ。。

★森本敏氏
いやいや。。(笑い)
結局はこれは、日本の内政と、権力構造にかかわる問題と言うこと何ではないかと、私は思っている。

※司会 宮崎緑さん
しかしあれですね。
他国の思惑でしか外交が動かないとしたら、結局なにを。

・・・続く・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このエントリーのテキストは金木犀様作成の物です。
快く掲載にご同意いただき、感謝申し上げます。
尚、金木犀様のテキストを元に当Blog管理人が一部再構成を行っております。
予めご承知おきの程、よろしくお願いいたします。


posted by ぴろん at 20:09| Comment(0) | TrackBack(1) | 集会テキスト(町田集会) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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福島七夕、新聞報道
Excerpt: 福島民友新聞8月3日(社会面) 拉致問題の解決願う −−「七夕」で被害者家族ら短冊−− 北朝鮮による拉致問題を風化させない−との願いを込め、「北朝鮮に拉致された日本人を救う会福島の会」(略称・救う会..
Weblog: Blue jewel
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