UIゼンセン会館2階会議室にて
『木村洋二さん(特定失踪者・木村かほるさんの弟 関西大学教授)の声』

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★司会:真鍋さん
木村かをるさんの弟さんの木村先生、わざわざ遠いところからお越しいただいていますので、初めてのかたも多いと思いますので、ひとことお願いします。
★木村洋二さん
木村かおるの兄ではなく弟でございます。(真鍋さんから、「失礼しました」)
今むこうで、もし息をしているとすると、70ぐらいにになります。
私自身は小学校5年だったときにいなくなったものですから、ずっと諦めていてあまりよくわからないんですけど、実際自分が若干全共闘世代で学生運動にコミットしていたりしたこともありますので、三分の一ぐらい本人は、−−ちょうど1960年ぐらいでしたから−−運動の渦中に、周辺にいたのではないかという疑念がありまして、特定失踪者問題調査会も、救う会も、もしかしたら、よど号乗っ取って自分も赤軍の中で、一生懸命拉致していたんではないかという思いが左の方にあります。
みなさんのいろんな大変な、活動をちょっと遠くから応援させていただいてきたような次第です。
あと、一、二分よろしいですか?(真鍋さんから「どうぞ」)
僕は、拉致された日本人というのは−−まぁ、うちの姉もたぶん最後はそういう直接的に連れて行かれたと考えていますけれど−−その後のめぐみちゃんを代表にして、一人一人の被害者だけではなくて、日本人の心が拉致されたんだと。
めぐみちゃんのことを誰も思わず、そして家族の皆さんのことを我々も忘れてきたと言うのは、結局、
我々の人としての心、日本人としての心、隣人として暮らしている仲間への心を実は拉致されて失ってきた。
そのことを美智子皇后も、ああいうことばで話されたんじゃないかと思うんです。
ちなみにある時ラーメン屋で朝日新聞を読んでましたら−−もう名前のも忘れてしまいましたが−−「哲学者」と書いてありました。女性でした。
『拉致されたご家族には、<本当に申し訳ない、大変でしたね>と声をかけたい。でもそれは、隣のおうちが交通事故で大変な状態になったのと同じような感情しか私は感じない』 と。
これこそが、一番大切なところをさらわれてしまったと。
ある歌に、二、三年前に読んで何か不思議な力を感じたんですけれど。、
灯火を消せば、暗闇深く祖国ありて 御母のごとく泣きいいたまひし
(ひを) (くに) (おんはは)
浜田 到 さん(判明)の歌がありまして。
我々も実は政府に訴え、政府に抗議し、『国が崩壊しているんだ』と。
実は我々の国は、かっこだけなのかと。
そういう意味で、当事者なんですけれども、ちょっと第三者的な視点を一言述べさせていただたいと思うんですが。
何よりも『家族を取り返す』、それが原点ですね。それともうひとつ、『国を立て直す』という事が荒木さんの非常に大きなビジョンと言いますか、原理、筋目だと思うんですね。
それともうひとつ、できればですね、『未来を展望して、隣国との関係を再構築する』。その時に妥協と隠蔽と・・それによってやるのか、それとも原理原則、お互いの信頼、互いになるほどと言って尊敬できるような関係で次の50年、100年を展望するような展開に導くのか。
この3つの要素がどうも壊れた状態にあるということと、私達の家族を取り返す、それから、未来をしっかり展望して、できれば流血の少ない、核もテロも、細菌兵器も爆発しないような対応も、やはり政府=為政者としてはある程度考えるのがやはり論理的だと。
唯、その場合に、家族の立場ですね、それから日本の失われた我々の背骨と心とを、これをどう次の世代に向かって繋いでいくのか。
いつも、荒木さんのメールを時々拝見しながらですね、『本当のことを言っている男は日本中でこの人だけだ』 と感じながらですね、隅っこで何もせずにいるような状態で、今日はとても自分がことばを発せられる場ではないのですけれども、ご指名がありましたので、一言お話しさせていただきました。
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このエントリーのテキストはblue-jewelさんの手によるものです。