『加藤博 北朝鮮難民救援基金事務局長の講演』再生できない場合、ダウンロードは🎵
こちら北朝鮮救援難民基金の事務局長をしている加藤博です。
本日、救う会神奈川の川添さんのご厚意によってここにこれましたことを、深く感謝したいと思います。
それから、みなさんにお会いできたことに感謝します。
と言いますと、私たちは、北朝鮮から食べられなくて出てくる人や、どうしても北朝鮮では命を長らえることのできない、そういう人たちを助けています。この行為に対して、北朝鮮は非常に快く思っていない訳ですね。
快く思っていないどころか、みなさんもご存じのように、今年の3月27日に、朝鮮民主主義人民共和国、人民ん保安省というところから、逮捕令状を発行して、私達の身柄を、北朝鮮に戻せとそう言う要求を日本政府にしました。私だけではありません。私の団体におる、野口貴之という国際担当をしているものに対しても、行われました。それから、『北朝鮮帰国者の命と人権を守る会』の山田文明代表に対しても同じようなこともありました。それから、RENKの李 英和代表に対しても、ありました。こういう行為を私達が、黙って、見過ごすならば、これは私達4人に対して行われた事だけでなくて、他の人にも、起こることだと私は考えています。
私は、身柄の請求があったと言って、日本政府がそれに応じるなどと言う事は思っていませんし、日本政府はこの問題に対して『とんでもない話、問題外』と言う態度を取っておりますので、私はそんなことは、心配していません、
しかし、今まで話題になっているように、日本からは多くの方が拉致されていっているんですね。
誰もその人達が、北朝鮮に対して目障りなことをしたわけでも、北朝鮮に、妨害工作をしたわけでもないんです、。
その人達が拉致されていっているんですね。
ところが、私たちは北朝鮮から来た人たちを助けた。それが罪だ。食えない人を助けることが罪だし、病気で死にそうな人を助けることが罪だと。そして、これが国家転覆罪であると言う風に言って、指名手配するわけです。
ですから私は、自分でこれから自分の身に何が起こるかわからないとそういうふうに感じています。
これだけではありません。私は2002年に中国大連で、中国の安全局というところから、拘束を受けました。北朝鮮から逃れて中国にいる人たちに、冬服を配給するために行ったときに拘束されたんです。
このときに、私がこの事件の後に、私が幸いにも日本に帰ってくるときに、聴いた話によると、<私は密かに、北朝鮮に身柄を渡されるはずであった。> 北朝鮮の国籍を持った人間が中国にたくさん住んでいます。それから私達の活動を支援する人たちがいます。それから、私達の活動に理解を示す中国の公安局の人間もいます。そういう人たちから聴いた話によると、私が、2000年に北朝鮮からお尋ね者になった。
その時は今回のように、明確に身柄を引き渡せだとか、逮捕状を発行したとか。そう言うことではなかったんですね。
これは密かに、中国にいる北朝鮮の意を受けて動く、それは、私の身柄を生死に関わらずに北朝鮮に持ってくれば、35万元、(これは日本のお金にすると今525万円ぐらいですけれど)それとベンツ一台を渡す。そういうふうに懸賞金をかけてやるんですね。彼らは、公然ともするけれども、密かにもやるんです。
ですけれども、幸いにも、私の場合には『人道支援家が中国で行方不明になった』ということで、記者会見を開いてくれて日本のメディアが取り上げてくれて、世界のメディアも報道してくれた。そのおかげで私は、北朝鮮に持って行かれないですんだんですね。
もし、あの時に誰も興味を示してくれなかったら、私は今日みなさんの前に立つこともなかったかもしれない。
ですから、そう言う意味では、北朝鮮の人権問題対して、みなさんとここで共に考え、共に語り合える、そう言う場を持ち得たことは、私にとっては、大変嬉しいことです。
もう二度と会えなくなるかもしれないと思ったけれども、再びあうことができた。
そう言う意味では、私が感じた事をみなさんにお伝えすることが私の役割だと思っております。
ですから私の経験から、北朝鮮という国はどういう国なのか、それを少し話したいと思います。
私の逮捕状の件ですが、これは今年の3月に、辛光洙という北朝鮮の工作員他二名を日本政府が、国際刑事警察機構に、指名手配した。そして朝鮮総連傘下の大阪府商工会、これに 警視庁が家宅捜索にはいった。こういう流れの中で起きた事件ですね。、北朝鮮が、この行為に対して、朝鮮総連への弾圧だといってその報復として、私達の、先ほど紹介した4名の逮捕状が出てきたんですね。
私たちはさきほども言いましたように、北朝鮮から食うに食われず、暮らすに暮らせずに、やむを得ず出てきた人たちを、助けている団体です。
そして、北朝鮮が、今私達に逮捕状を発行して身柄を要求しているのに、彼らが罪もない人間を他国に持って行って、それと同等だと考えているんですね。
ですからこんな事は問題外なんですけれども、これは、北朝鮮にとっては常識かもしれない。世界の常識ではないけれども、北朝鮮では常識。北朝鮮の常識は世界の非常識。
これは今まで起きたいろいろな事件からも、それは、言えると思うんです。
日本の新聞も<突拍子もない要求>ということで、これは問題にしませんでしたけれども。私は、このような北朝鮮の要求に事を構えるよりは、実際に日本の中から、甘言を弄し、あるいは暴力的に連れ去った、そこに協力した人間を次々に摘発するべきだというふうに思います。(長い拍手)
その意味から言えば、あまりにも遅い、私は、そう思います。
横田めぐみさんのご両親、あるいは他の、拉致被害者の家族のみなさんが、家族会を作って活動したときから、私は、知っております。あのころはまだ、メディアも多く取り上げてくれず、そして、議員さんの間でも、議連というものが、できてもいなかったし、日本国民の認識も低かった。しかし、家族会の人たちが、寒い冬の日も夏の日も一生懸命やって、ようやくここまで来たんですね。
そして、ひとつひとつの家族会の動きが、国会を動かし、政府の役人を動かすまでになったんです。
でも、しかしこれでも私は十分ではないと思うんですね。
何故かというと、政府が、本当に真剣になってやってくれているのかという事を、時々疑問に思うんです。(拍手)
開場、そうだ!
私達が、何故それを感じるかと言うとですね、特に外務省の高級官僚はこの問題について、本当に自らの問題として解決しようとしない、国民の痛みをわかっていないという風に思うからなんです。
日朝協議の時に、その名簿を渡されたときの対応をみなさん思い出すでしょうか?
政府の安全確認のいいかげんさ、これで事を済まそうとした。このような、行為。人の命を軽んずる、あるいはそれを無視するような、そういう人権感覚の官僚が多いと言うことです。
私は全ての人がそうだとは、言わないけれど、その姿勢を正すのは誰かと言いますと、和tしたち一人一人がそれを正すんですね。(拍手)
これを、家族会に任せっきりとかね、それから救う会に任せっきりだとかね、そういうことではダメなんだと思います。(拍手)
そして、私達は、この問題に対して毅然と対処すべきと言います。
しかしみなさんよく考えてください。
毅然と対処すると言うことはどういう事ですか?
口を厳しく、相手を非難することですか?
そうではありません。、私たちが覚悟を求められていると言うことなんです。
どんな覚悟でしょうか?
北朝鮮は、自分たちで拉致したと言うことを認めても、返さない。
もうおわったことだ、そういう風にしてうやむやにする。
また、こんどのように、DNA鑑定によって、横田めぐみさんの夫が、金英男氏であると言うようなことがわかったとしても、彼らはこの問題に対して、関心を示すことをしない。
ちょうど同じ時期に、金桂寛という外務次官が来ていました。彼は六者協議の再開のためにアメリカの代表と会うために、来たようですが、それができなくなると『それはそれで結構だ』と。で、『我々はその時間に核開発をする時間がある』と、そう言うような事を、捨て台詞を残して帰って行きました。
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こちらこれだけじゃありませんですね。
南北首脳会談の事務局の会議の中でも、『我々の言うことを聞かなければ、ソウルを火の海にすることができる』、こういう脅しをかけてきますね。
つまり、北朝鮮はミサイルによって、今開発しているミサイルによって、『日本を撃つ事だってできるんだぞ』と、そう言うことを言われたときですね、日本の政治家はね、これに対してどういう風に対応できますか?
国民の安全を守らなければならない国会議員は、こういう事を聞くべきだ。(拍手)
それに断固として反撃すべきか、これは国政を預かる議員のみなさんは、非常に頭を悩ますところだと思います。
しかし、これは、私が【覚悟】と言ったのは、そう言うことなんです。
彼らは、政府のトップが自分たちで拉致と言うことを認めてたとしても、返さない、そう言う人たちです。
余りうるさいことを言えば、『ミサイルを発射するぞ』という脅しをかける、そういう人たちです。
そうした時に、私達は、『ちょっと待て、ちょっと待って、私達は、お米を何十万トンやるから、ちょっと待て』『肥料を何十万トンやるから、待て』と言いますか?
それとも、この問題に真正面から立ち向かう覚悟がありますか?
この問題は、そういう問題としてみなさんが受け止めなくてはならない。
私たち一人一人が、受け止めなくてはならない、そう言う問題だと思います。
そう言う気概、そういう気持ちが自分たちにないと、残念ながら、今、北朝鮮閉じこめられている、拉致被害者を取り戻すことは、私はできないと、そう思います。
こういう断固とした、毅然とした姿勢があってこそ、私達は、この問題を正当に、人権問題は、まんべんなく誰にでも保障される、そういうものだと、知らしめることができると思っています。
ですから、今回の私達の逮捕請求などというのは、小さな、こんな小さなNGOを取引の材料に仕様としているんですね。
こんな小さなNGOを取引の材料にしなければならないほど、北朝鮮は今、追い詰められている。
2004年にはアメリカの上下両院で人権法が成立しました。
そして人権大使も任命されました。
それから、ジュネーブの国連人権委員会では、2003年2、004年、2005年、三度にわたって北朝鮮二対する決議案が出されています。
そして、昨年の12月には、ついに、これは、国連総会で北朝鮮人権問題に対する決議案が、可決されています。
これは、北朝鮮がいかに孤立しているのかと言うことを、示しています。
で、これで終わりではありません。
先ほど、紹介があったように、ちょうど今ご紹介しましたように、アメリカが香港にある、バンコ・デル。アジアという銀行の口座を凍結しました。この銀行は、北朝鮮で作った偽札をマネーロンダリングする銀行ですね。
dすから、これによって止められ、そこと取引をする銀行も次々アメリカによって、制裁を受けています。
北朝鮮はそれによって非常に打撃を受けていますね。
今年の金正日の誕生日に例年ならば、自分の部下達に、下賜品を与えるんですが、それは外貨で買うものです。
その下賜品を与える外貨でさえ不足するようになった。これは非常な、北朝鮮にとっては打撃です。
これは、いいことですね。
何故かと言いいますとね、彼が買えなかったから小気味が良いとか、そう言うことではないんです。
彼が今まで、それができていたのに、できなくなったと言うことは、彼の権力維持基盤にひびをいれることなんですね。ですから、その意味では、この人権問題を解決するためにはですね、プラスの要素なんです。
救う会が、経済制裁をすべきだと言っていますが、私は経済制裁はすべきだと思いますけれども、ま、アメリカの金融制裁ほどではありませんね。
でも、この<アサリを買うなと言う運動>でも、これは非常に有効です。
何故ならば、彼らが持っている、漁業権というのは、北朝鮮の軍の重要な資金源になっている。これは、保衛部であるとか(保衛部は秘密警察ですね)、あるいは、軍団とか、公安部とか、そういうところの、資金源になっている。
ですから、そのはまぐりなり、あさりなりを売る権利が、日本政府の経済制裁によって止まってしまうとですね、売れなくなりますから、持っていれば持っているほど、赤字になりますから、それをできるだけ早く売りたいと。その権力を持っている同士の間で、売り買い。それから、オレの方が多く売りたいと、軍団同士の争いが起こるわけですね。これも、権力基盤にひびをいらせる。
つまり、拉致を認めても拉致問題を解決しようとしない、北朝鮮の人民が2000万人も、餓死しても何とも思わない、我々権力支配層が、200万人いれば、この北朝鮮はそれでいいと考えている人たちに、打撃を与えるためには、そして、人権問題が解決できないと言うことは、自分たちの政権が維持できないと言うことを知らしめるためには、有効な手段です。
私達が、経済制裁をすると戦争になるとか、そう言うことを言う人がいますけれど、これは、そんなような考えをすれば、これは、北朝鮮の思う壺です。
経済制裁が及ぼす効果というのは、何であるのかということを、私は、今一度よく考ええるべきです。
でも、その扱い方には注意が必要です。
私はそのことを、みなさんに申し上げておきたいと思います。
それから、この拉致問題を解決するためにはですね、今、国際的な動きが非常に大きくなって、包囲網ができています。しかし、中国や、韓国というやっかいな問題があります。
中国は、北朝鮮に対して、今、膨大なインフラの投資を始めています。
ムサンと言うところが、中国と北朝鮮の国境に、鉱山が、鉄鉱山があります。ここに、50年間の租借権を得て、中国は今、膨大な投資を始めている。だから、これを失わないために、また、外貨を獲得するために、平壌のデパートを買収しました。このように、中国は自分たちの経済権益を、北朝鮮国内に、今獲得しています。
ということは、北朝鮮の権力基盤を持つ人間が、北朝鮮国民の利益になるような、権益を外国に売り渡しているということなんですね。
ですから、中国の援助なしに、北朝鮮の経済は成り立たない。
そういう状況があると言うことを、私達は理解しなければならない。
それから韓国。韓国は、自国に500人近い拉致者を抱えていても、あの問題は、真剣に解決しようとしない。
朝鮮戦争の時に、捕虜になった人たちを帰せとは言わない。離散家族だと。こういう政府ですね。
そして、できるだけ多く援助する、融和的な態度をする。そうすれば、北朝鮮は平和的になる。
朝鮮戦争のようなことをおこしてはならないという、そういう口実を元に、非常に融和的態度をとる。
ですから、これを変えなくてはならない。
もう一度、みなさんに思い起こしてほしいんですが、横田めぐみさんを返せ、他の拉致被害者を返せと言って、運動を始めたときの、家族のみなさんが、どれだけ大変だったか。
今、韓国の人たちは、それとおなじだけ大変な時期を、今味わっていると思うんですね。
しかし、日本は幸いにして、皆さんの大きな支持と、大きな応援で、ここまでやってこれた。
ですから、私達がそういう経験を韓国のNGOと、韓国の拉致被害者ご家族会とも協力する必要が有るんではないでしょうか?
私たちから頻繁に出かける、交流する、そう言うことが必用だと思います。
政府は、その時々に出された条件によって、政策や、方針がぶれます。その<ぶれ>を止めるのは、私達一人一人なんですね。ぶれたら、『おかしい』とはっきり言う。
そういう声の固まりを、たくさん作っていく。
このような、集会を全国でおこす、それがこの拉致問題を解決する大きなうねりにして、韓国と共に、解決していく、唯一の保障だと思います。
ですから私は、みなさんに、訴えたいですね。そのために、私達の情報発信能力を高めよう。
私達は、積極的にいろいろなところに出かけていって、人権問題、拉致問題について発言し、お互いに交流し励まし合う、そう言うことが必要でしょう。
北朝鮮難民や、人権の問題に関する国際会議が有れば、そこに出て行って、自分の意見を言うことが必用でしょう。
そこに来ている国際機関の人間や、政府の人間に対して語りかけることも必要でしょう。
それから、直接私達の声を届ける放送も必用です。
しおかぜという放送について出てきましたけれど、韓国には、北韓自由放送というキム・ソンミンと言う方が、脱北者の方が必死になってやっている、そういう放送局もあります。
そういう放送を通じて、私達のメッセージをどんどん、伝えていく。それがどうしても必用です。
そのためには、政府にその応援を頼っていてはダメなんですね。
私達自身が、この放送を支える。この放送が最も最も効果的な武器になるように、人権問題を解決する、大きな武器になるように、育てていかなければならない。
これは、荒木さんのところでやっている、<しおかぜ>ですけれども、これがみんなの<しおかぜ>にならなくてはならない。
みんながこの<しおかぜ>を最も有効な武器に育て上げなくては、ならない。
私は、このようにして、他の放送局も、他のメディアも人権と拉致の問題を解決するように力を尽くしていただきたい。
そのために、財力もみなさんの手で集めていただいて、そして、みなさんの自分ができる場で、応援団になってもらいたいと思います。
ありがとうございました。(拍手)
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このエントリーのテキストは
金木犀様の手によるものです。