『西岡力 救う会副会長の講演 その1』
〜〜正念場を迎えた拉致問題〜〜
西岡でございます。
川口市には、実は家内の妹が住んでいまして、何回か来た事があるんです。
埼玉県内では活動が盛んで今もいろいろな会があって、そして川口は人口は20万ぐらいですか?
20万くらい署名をされていて、二人に一人は署名されていると、大変・・・・・・・・・・・(聞き取れず)非常にありがたいと思っています。
4時までくらいの時間でということなので、途中・・・(会場より「マイクが入って無い」の声)
マイク入って無いですか?
持って喋った方が良いかな?
(司会者「先生、こちらのを使ってください」の声)大丈夫です、持って喋りますので。
途中で知事と市長がいらっしゃるというので、その時はすぐにぱっと代わりますので。(笑い声)
上田知事は元々拉致議連の副会長をして下さってまして、今年訪米したんですけど、その前に2001年に訪米したときは一緒に行って下さいまして・・・・・・・・・・(聞き取れず)人でいらっしゃいます。
今年、主題は「正念場を迎えた拉致問題」というのですが。
去年ですね。
表面上は余り動きがなかったんですね。
一昨年5人の家族が帰ってきて、その後ジェンキンスさんが帰ってきて、その後3回実務協議があって、めぐみさんの遺骨と称するものがあって、あるいは田口さんの交通事故調査書だとか、一昨年は少しそういう動きがあったわけですが。
しかしその全てが、遺骨と称する物もあるいは田口さんの交通事故調査書という物も全て信じるに足りないと。
と言うふうに、これは我々が言ったんではなくて日本政府が言ったんです。
全て信じるに足りないと。
北朝鮮は8人死亡としているけれども、8人死亡を裏付ける証拠は現時点では何も無いと。
いうふうに日本政府が結論付けたのが、一昨年の12月です。
そしてその事を踏まえて、北朝鮮が迅速で誠実な態度を取らなければ厳しい対応を取る。
当時の官房長官の細田さんが言ったのが12月の24日、だったようです。
ところがその後北朝鮮は、日本の方が遺骨の鑑定をでっち上げていると。
本物を出したのに偽物だと言っていると言ってですね。
拉致問題は全て解決済みと開き直ったんですね。
ですから誠実な対応をしていないわけですね。
じゃあ、迅速なのはいつまでなのか?と、いう問題があるわけです。
6ヶ月経っても日本政府が何もしなかったもんですから、去年の6月の24日、全部で3日間ですね。
国会前で座り込みをしました。
その頃、そしてその後もですね。
マスコミの報道やあるいはこういう所での質問などでですね。
拉致問題はこう着状態である、いう表現がたくさん出たんですね。
それに対して私は「こう着状態ではない」と、「嵐の前の静けさだ」と、言うふうに言ってきました。
必ず嵐が来るんです。
2002年の9月17日、10月15日に吹いたのよりももっと大きな嵐が来る。
言うふうに言っていました。
その根拠はですね。
端的に言うと米朝関係です。
アメリカのブッシュ政権と金正日政権の間で絶対に解消出来ない矛盾がある。
対決があるわけです。
アメリカのブッシュ政権は今テロとの戦争を戦っている。
戦時です。
そしてそのテロとの戦争を目標を二つ掲げているんです。
第一はテロリストを捕まえて正義の裁きを下し、そしてテロリストの基地を叩き潰すことです。
アフガニスタンで行われた戦争は、その第一の目標だったわけですね。
アルカイダも協力してたわけです。
それだけがテロとの戦争の目標ではない。
もう一つあるんです。
もう一つはテロ国家が大量破壊兵器を持ってアメリカやアメリカの同盟国を脅かしたり、その大量破壊兵器をテロリストに渡したりさせないという事です。
テロ国家が大量破壊兵器を持ってアメリカやアメリカの同盟国を脅かしたり、その大量破壊兵器をテロリストに渡したりさせないことです。
言う事をテロとの戦争の二つ目のゴールだと言うふうに、ブッシュ大統領は2002年の1月に演説しているわけです。
その演説の中でテロ国家の代表として、イラクとイランと合わせて北朝鮮を名指しで「悪の枢軸」と言ったんです。
つまり北朝鮮が核・ミサイルを持っている事を許さない。
北朝鮮から核・ミサイルを取り上げると言う事を戦争のもう一つの目標だと、ハッキリ言ったわけです。
しかしその後北朝鮮は何をしたか?と言うと、核開発・ミサイル開発を今も進めているわけです。
2002年の1月に比べて北朝鮮の持っている核兵器の数は少なくとも10発増えました。
2002年の1月の段階で1個持っていた事は、いろんな説があるんですが、私は5発くらいあったんじゃないか?と言う説。
日本の政府や韓国軍やアメリカの情報機関は少なく見積もっても1〜2発と言ってた、2002年の1月に。
その後ですね。
2003年になってアメリカが北朝鮮は濃縮ウラニウムの、つまり広島型の核開発をしていると。
止めろといったのに対して北朝鮮は「アメリカの言う事は言いがかりだ」と言って、それまで凍結していたプルトニウムを原料とする長崎型の核開発を2003年1月に再開したわけです。
そして今も続けています。
8000本の燃料棒が、94年に国際機関のIAEAに監視されていたんですが、そのIAEAを追い出して、8000本の使用済み燃料棒の中に入っているプルトニウムを取り出す作業を彼らはやって完成したと。
8000本の使用済み燃料棒からは少なくとも、まぁいろいろな計算の仕方があるんですが、5発分くらいの核爆弾の燃料になるということです。
そして2003年の1月に、その8000本というのは94年に取り出していて、94年から燃料を入れていなかった5000キロワットの原子炉に8000本の燃料を勝手に詰めたんです。
そして去年の5月にそれを動かして燃料棒を抜いたら、また新しく8000本の使用済み燃料棒が出来たわけです。
そこからも5発分のプルトニウムが出た。
多分去年中に再処理が終わって5発増えた。
そしてまた新しく8000本の燃料が去年の5月に入れられて、今も稼動する。
もう一方でパキスタンから濃縮ウラニウムを作る技術を秘密で入手して、濃縮ウラニウムを作っているか作ろうとしているかなんです。
濃縮ウラニウム工場が完成しているかどうか?と言う情報がありましたが、アメリカはまだ完成していないと言っているようですが、正確な事は分からない。
しかし作ろうとしている事だけは間違いが無い。
そちらの方が完成すれば年間2発か3発、広島型の爆弾が作れる。
それだけではなくて、5000キロワットの原子炉が今稼動しているんですが、その横に実は5万キロワットの原子炉を今建設中で、その工事を中断していたんですけどそれが再開されたんです。
それから、今の5000キロワットと5万キロワットのあるところからもう少し北方の泰川(テチョン)というところには20万キロワットの原子炉の建設が進んでいたんですが、それも凍結されていたのがまた再開されている。
その原子炉が出来れば単純な計算ですが、出来ないと思うんですが、5000キロワットで年間2.5発出来るとすると5万キロワットだったら年間25発出来ると、いう事になるわけです。
その核開発を大々的に今進めているわけです。
そして今回ミサイルを撃ったんですね。
核兵器と言うのは爆弾があって、その運搬手段がなければいけない。
ミサイルは運搬手段です。
じゃあ、問題はその爆弾がミサイルに積める様に小型化出来ているかどうか?
日本政府の公式見解は、まだ小型化できていないと。
しかしそれについても専門家の間では意見が分かれています。
というより、私は少数説なんですが、出来ていると言う危険性があると思う。
なぜならパキスタンはすでに小型化の技術を持っているんです。
北朝鮮は先ほど言いましたようにパキスタンから濃縮ウラニウムを作る技術を貰ったんです。
その見返りにノドンミサイルを出したんです。
パキスタンはミサイルを持ってません。
だからインドは安心していた。
パキスタンは爆弾は持っていてもミサイルはない。
それでインドは核実験を止めていた。
ところが1998年にパキスタンはミサイルの発射実験に成功してしまった。
それは実はノドンだと。
それでインドが慌てて核実験をしたんです。
そしてその次の次にパキスタンが核実験をしたんです。
そのノドンの部品は日本製のものがかなり多いという。
韓国に亡命しました黄長ヨプ(火へんに華)さんという人がいます。
あの人と一緒に亡命したキム・ドクホンさんという彼の秘書みたいな人がいるわけです。
その人が北京で、外貨儲けをするために貿易をやっていた。
そしたら軍の商社が日本から精密部品をたくさん買っている。
それをみて「お前何をしているんだ?」と聞いたら「これはパキスタンに持っていく」と。
おかしいと思って黄長ヨプに報告したと。
黄長ヨプがチョン・ビョンホと言う軍事産業担当の書記に「何をやっているんだ?」と聞いたと。
そしたら「ノドンをパキスタンに出すんだ」と、こう言ったと。
その見返りに濃縮ウラニウムを貰う。
と言うのがアエラと言う週刊誌と産経新聞に1998年に出たんです。
キム・ドクホンという人にインタビューして、聞いているわけです。
ですからノドンと濃縮ウラニウムはマークだと言う事をやってたわけです。
じゃあパキスタンが持っている核爆弾の小型化技術を北朝鮮に提供していないか?
分からないわけです。
少なくともパキスタンは北朝鮮から貰ったノドンに爆弾を載せているんです。
じゃあそのノドン(の見返り)が今度逆に北朝鮮に行って無いか?というと分からない。
分からなければ、私は疑って備えよと。
安全保障というのは命がかかっているわけですから、疑うしか無いだろう。
まぁこれ以上入ると安全保障問題の話になってしまうので、日本の核政策と安全保障問題についてもいろいろあるんですが、ここまでにしておきますけども。
つまり、アメリカのブッシュ政権は金正日から核・ミサイルを取り上げると言う事を戦争の目標にした。
ところが金正日政権は今も核・ミサイル開発を進めているんです。
その事をアメリカは良く知っているんです。
アメリカとパキスタンは今軍事同盟を結んでいる。
パキスタンの中に米軍基地があるんです。
テロとの戦争やアフガニスタンとの戦争のときに、パキスタンはアメリカとくっついたんです。
パキスタンの軍が自分達の持っている核技術を誰に出したのか?というのを全部アメリカに話しているわけです。
アメリカは北朝鮮の核開発の水準について知っているんです。
パキスタンにあるノドンミサイルを見る事が出来るんです。
そして北朝鮮は悪の枢軸だと言ったんです。
2002年の9月はそういう背景から起きたわけです。
金正日からすると、アメリカに完全にばれてしまったと。
核開発を止めているといって、アメリカから年間50万トンの重油をタダで貰っていたんです。
ブッシュ政権も2002年まで金正日にタダで重油を出していたんです。
それは核開発を止めると約束したから。
止めるといって援助を貰いながら実は裏で続けていた。
その決定的証拠をブッシュに握られたんです。
そのブッシュは戦争をやるんです。
何をするか分からないと金正日は思ったわけです。
それで小泉さんに泣きついたわけです。
東アジアにおけるアメリカの同盟国の日本と韓国をアメリカから引き離さなければ、自分の身が危ないと。
田中均という局長が裏交渉で小泉訪朝をアレンジしたと言っていますけども、田中さんはいつから北朝鮮と交渉を始めたか?
ミスターX との交渉をいつから始めたのか?
2001年の秋だと言っています。
丁度アフガニスタンの戦争でパキスタンとアメリカが同盟を結んだ時です。
そこが危ないという事です
それで、その時にですね。
家族会が出来て97年から2002年まで5年運動して、日本中で横田めぐみさんという名前を知らない人がいなくなったと。
北朝鮮と交渉するのであればその人の、当時日本政府が当時認定していた11人について、何らかの証拠を出さなければ世論が納得しないと言う雰囲気を作ることに成功している。
そこで水面下の交渉で、日本の世論を納得させる為に拉致問題について証拠を出せと。
そうすれば国交正常化に入って国交正常化を早期にして、多額のお金を出すと、言う話が進んでいたんです。
・・・その2に続く・・・