入力に対する姿勢
今回の一連の報告記では、先述のように発言者の口調や集会の雰囲気をできるだけ忠実に再現するため、発言部分は、極力オリジナルのままのいわゆる丸起こしとし、補注が必要な部分は( )で補う形をとってきました。
しかし、今回の質疑応答では、講演者の発言中に質問者が割り込んで発言して交錯し、わかりにくいので一部再構成しました。
また仲條富夫氏の発言には、「○○ので、△△まして」と繋がり続けて、文として長くなりすぎる部分があるので、最小限の範囲で「ます。ました」に替えて句点を付け、文末としている部分があります。やや不自然な点もありますが、ご諒承ください。
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質疑応答
Q1.会場参加者(仮称Q氏)― ブッシュ・姜哲煥会談の意義 ―
あ、一つ伺いたい。(真鍋氏:どうぞ)先程ですね、アメリカが本気になるかもしれない、と言っておられましたけど、つい最近、ブッシュ大統領が姜哲煥(カン・チョルファン)さんとお会いになりました(真鍋氏:そうですね)けど、そのことをどう思いますか?人道的観点から・・・。
A1.真鍋理事の回答 ― 北朝鮮への強力なメッセージ ―
よくご存知のとおりですね。なぜ姜哲煥に会ったかということですね。今、6カ国協議が始まるか、始まらないかの時に、脱北者のシンボルにですね、わざわざブッシュ大統領が30分くらいですね。
(Q氏:40分です。盧武鉉と45分の会見なので、それとほぼ同じ時間なんです)
40分ですか。だから異例なんですね。
これは、もう北朝鮮に対する非常に強いメッセージだというふうに認識してます。
(Q氏:はい、わかりました)
ご質問ありがとうございました。最初の口火で、他に、もしよろしかったらご質問、この際ですから、何でもよろしいですから。
Q2.原 良一(投稿入力者) ― 帰国した拉致被害者との信頼関係の構築は? ―
先程ですね、戻ってきた家族との関係がなかなか上手くいってないって話が出てて、私は「奪還2」(新潮社)を読んでるんですね、蓮池透さんの…。それで、その中で明らかに調査会に不信感を滲ませた記述があるわけなんですよ。
そして逆に、安明進さんの本(「新証言・拉致」廣済堂出版)も読んだんですけど、そちらでも蓮池さんが本当のことを話していない、と…。で、実際に安さんと蓮池薫さんが電話で話したことを、後で透さんが伏せてくれと言ってきた。
結局それは、ある程度安さんの怒りもあって、本の中で暴露しちゃってるわけなんですけど、ま、暴露するってことも、逆にいえば蓮池家にとっては、感情を悪くする危険が高いと思うんですけど、そういう中で、拉致被害者とは、どうやって信頼関係を作ってるんでしょうか?
A2.真鍋氏 ― 多すぎる「門番」、聞こえない本音 ―
あの〜ですね、基本的に5人の本音が聞けないんですね。というのは、5人には「門番」がたくさんいましてね(会場から失笑)。まあマスコミの注目度も非常に高いので、どうしても門番が囲ってしまうという状況があって、その門番を通じてでしか5人の発言が聞こえてこないわけですね。
じゃあ門番は誰か? 蓮池薫さんにとっての門番は透さんですよね、それからまあお母ちゃん(ハツイ氏、不敬発言ご容赦)ですよね。それと(内閣の)支援室ですね。
どうもそこらへんを通して、いろいろ行ったり来たりをするもんですから、ほんとに蓮池薫さんが何を思ってるのか? 何を言いたいのか? 言いたくないのか? がはっきり伝わってこない。我々も想像するしかない。これは非常に悪い状況ですね。
だから拓也君(横田拓也氏、家族会事務局次長)なんかはですね、前から5人がすべて自分の口で言わなきゃいけない、と。自分の口で明らかにしないといけないと…。よく言われるのは、やはり情報ってのは、スクリーンを通ったり、本人以外の別の口を通ったりするとですね、捻じ曲げられちゃうじゃないですか。本人の意思と違うことになっちゃうじゃないですか。おそらくあの5人にとっても、決して良くないことだ、と私たちは思っています。
が、が、これが地村の親父さんがよく言うように、あの5人が自らすべてを証言したら、あの5人殺されてしまう、と当然…。日本には300人から400人の北朝鮮の工作員が、まだいるわけですから…。喋ったら、ただじゃ置かないぞ、ってことになってるわけですから…。
もしあの5人が喋ったり、誰かが喋ったら、当然狙われる、ということになってますから、それを敢えて強調してですね、我々が喋れというのは、貴方の命を守るから喋ってくださいということでしょ。
じゃあ我々が、彼らの生命を24時間守ってあげられるかどうか? そんな無責任なことは言えないし、やれないわけですね。だとすると、やはり彼らの口から直接言えないけれども、彼らが言った内容を、きちっと説明できる、あるいは説明すべき責任は、誰にあるかというと、日本政府ですね。日本政府は、その辺をきちっと責任を持って情報を開示する。5人の生命は責任を持って守るということがない限り、あの5人も安心して語れることはないんじゃないでしょうかね。
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