『西岡力 救う会副会長のお話 その2』

今の金英男さんの会見についてですけど、安明進さんも言いましたけど実は韓国には、さっき安明進さんはビデオ係りだと言いましたけど、金英男さんが拉致被害者だと認定されたのは今回のDNA鑑定の結果では無いんですね。
この新聞記事があるんですけども、これは1971年の11月27日の韓国の東亜日報という新聞の記事ですが、ここで「高永復教授36年間韓国でスパイだった」
ソウル大学の教授が36年間スパイだった。
その人に会うために夫婦のスパイがソウルに派遣されてきたんです。
で、奥さんが自殺をしてそして男の方、これが教授でその下この人がスパイなんです。
・・・資料より一部引用開始・・・
崔正男 19期生
連絡部工作員
1996年、夫婦で韓国に侵入し工作活動中に逮捕
金正男ら韓国人拉致被害者から韓国人化教育を受ける。安明進が金正日政治軍事大学で目撃した日本人教官を目撃している可能性有り
・・・引用終了・・・
崔正男、安さんの先輩で政治軍事大学の分校にある以南化環境館というところで韓国人化教育を受けて、そして3人の高校生が失踪した高校生が実は自分の先生だったと自白したと、いうふうに韓国政府が発表したと。
韓国政府の発表と違う事を、ここに金英男さん出てるわけですね。
英男さんが違う事を言わされていたことについて、韓国政府が反論しなければ誰が反論するのか?というふうに崔祐英さんや李美一さんがソウルで記者会見をして言っていました。
それはこの事なんです。
で、ここを見ますとですね。
金正日がこう言ったと。
「朝鮮戦争で北に来た人間たちは歳が多くなったので南朝鮮の人間を拉致して対南工作に利用しようと命令をして、それに従って拉致が行われた物である」と言うふうに崔正男が自白したと。
韓国政府の発表文なんです。
日本人拉致も「1976年の金正日の命令によって行われた」と安明進さんが言ってるわけですけど、それと同じ事を崔正男氏が取調べで言ったと、いうふうに91年の11月に韓国政府が発表しているわけです。
拉致の首謀者は金正日である、と言う事がここでも明らかになってるわけです。
そして今日お配りした資料はですね。
実は今名前が公開されている韓国にいる元工作員の名簿をお配りしました。
この人たちは捕まったりですね。
あるいは安さんのように自分で亡命したりして1度以上記者会見をしている人たちです。
それ以外に非公開の人たちが何人かいるようですが、金正日政治軍事大学、昔は朝鮮労働党中央委員会直属政治学校と言ったんですが、そこの出身者たちです。
韓国政府の発表でもですね。
崔正男さんが19期生でいますけどその上に金東植さんという人がいてですね。
この人も金英男さんを見ている。
言うふうにこのときの発表で書いている。
・・・資料より一部引用開始・・・
金東植 19期生、1962年9月28日生
1980年8月、社会文化部(現在の対外連絡部)工作員に選抜
1995年10月24日、韓国内で工作活動中に扶余で逮捕
金英男ら韓国人拉致被害者から韓国人化教育を受ける。安明進が金正日政治軍事大学で目撃した日本人教官を目撃している可能性有り。
・・・引用終了・・・
私もこの中の何人かの人に会いに行ってるんですが、韓国政府がこの人たちに対して強い圧力をかけて拉致問題の真実を言わないようにさせている、というふうに複数の関係者から私は聞いています。
しかし、崔正男さんと金東植さんの証言によって5人の高校生の拉致が明らかになってるわけですし、その下の21期生車成根、車と書く人ですね。
・・・資料より一部引用開始・・・
車成根 21期生
1996年、ザンビアで空手教師として勤務中に亡命
1996年5月9日毎日新聞で日本人拉致について証言
安明進が金正日政治軍事大学で目撃した日本人教官を目撃している可能性有り
・・・引用終了・・・
この人が毎日新聞の96年に日本人の拉致に対して証言していまして、その記事を持ってきていますけど、自分がやったと言うわけじゃないんですけども、自分の指導員から1980年代初めに日本海の海岸近くの公園を散歩していた20歳くらいの男を拉致してきたと、作戦を実行した指導員本人から聞いた。
日本人拉致は作戦部では常識だと。
ドル偽造の事も聞いていると。
ザンビア派遣での作戦で貰った1万ドルが偽札でなかった証拠は無いが、常識的には偽札は持たせないだろう。
偽旅券は私も使いシンガポール人になりすました。
アヘン密売の話を聞いた事もある。
96年の段階で言ってるわけです。
韓国には実は情報が一杯ありまして、韓国が左翼政権になるまでは我々を助けてくれたのは韓国なんです。
めぐみさんの拉致も韓国の助けによって。
日本の警察に最初情報が来た時は日本の警察は無視をして明らかにならなかったわけですけども、韓国の意図的な情報リークがあり分かったわけです。
金賢姫の事も辛光洙の事もみんな韓国からの情報提供があったわけです。
今逆の状況になってるわけですけど、情報自体は韓国にたくさんあるわけです。
そして一部ですね。
金英男さんの後妻の方が出てきたので、とにかくめぐみさんはあの家族から離されているんじゃないか?と。
だから、もしかしたらば亡くなっている事も有り得るんじゃないか?と言う質問を、地方に行ったとき全然別の所の二人から聞いたんですが。
これは救う会は2004年に発表しているんですが、これも韓国にあると思われるある事が、私たちが確認している情報なんですが、めぐみさんは金正日の息子の内の一人の日本語の家庭教師をさせられていると。
95年前後の2年間だという情報が私たちに分かった、韓国にそういう情報がある。
その事を知っている金正日書記室の副部長クラスの人間が韓国にそういう話をしているという情報について発表したんですが、週刊文春の7月13日号で全く同じ情報の話が出ていまして、出所が護衛司令部第9部の人間が韓国に来て話をしたという事になっているんですが。
出所が違うんですが、中身が全く同じ話がここに出ています。
私はもう一つ全然別の西側の情報関係の人からも同じ話を聞いています。
安さんから前にちょっと聞いた事があるんですが、金正日の家族の所に連れて行く場合は、いくら小さい子供がいても無理矢理引き裂いて連れて行くだろう。
5歳の子供と会えなくなるとなれば、精神的におかしくなっても、また一時的におかしくなっても帰りたいという状況になってもおかしくない、いうふうに思います。
とにかくあの一家とは離された。
蓮池さんたちも94年4月以降は全然全く消息が分からない。
死んだという事も知らない。
葬式にも出ていない、同じ所に住んでいて葬式にも出ないなんておかしいんです。
しかし今まで使っていた病院でいろいろ聞いてみても分からないということは、別の所に連れて行かれた。
三号庁舎よりもっと秘密の所があるとすれば、金正日ファミリー以外は有り得ない。
三号庁舎の病院と金正日ファミリーの病院とはまた違う。
言う事ではないかな?と。
まだ真実は明らかになっていませんけども少しづつ見えてきていて。
最後にミサイルの話をして今日の集会を終わりたいと思いますけど。
今回の金英男さんの会見も、つまり日本の怒りが解けないから。
日本は去年の11月以降、実は法律を厳しく適用すると言う事実上の制裁をやってるんです。
これ、かなり効いています。
朝鮮総連が潰れるかもしれない。
朝鮮総連に対して今600億円の損害賠償の訴訟を日本政府が起しているんです。
朝鮮総連の財産はいろんな試算がありますけども、200億円を越えないだろうと。
この裁判で勝てば、朝鮮総連の財産を全て没収される、と言う裁判を日本政府が起している。
科学技術者協会という朝鮮総連の下部機関が、不法に日本からミサイルや核に関する技術などを北にどんどん送ってきた事についても捜査が進んでいます。
税金の問題も大変不明朗な点があったという事についても、かなり厳しく法律が適用されて来ています。
それで民潭を使って総連を守ろうとしたんですが、それも失敗した。
日本の怒りを解かなければ駄目だし、今度はDNA鑑定までされてしまって韓国も日本の怒りに合流しそうだと。
崔桂月さんはあのまま行けば国民大集会に来て「金正日けしからん」と、横田さんと一緒にこぶしを上げていたわけです。
この事が無ければ。
それは絶対に阻止しなくてはいけない。
13歳と16歳、両方シンボルが二人出てしまって、両方が北の政権けしからんと言って制裁せよと言うと。
それにアメリカがブッシュ大統領が早紀江さんに会ってくれて、後押しをしてくれる状況になりそうになる。
それで北朝鮮には大変危険な、韓国人拉致被害者で尚且つ三号庁舎の中にいた人間を出すと言う賭けに出てきた。
そして何とか韓国の世論を拉致の怒りを解こうとしたけど、失敗したと。
もう一方、アメリカの金融制裁も物凄く効いているんです。
最近聞いた話ではですね。
ゴムを輸入できなくて、靴が作れなくてですね。
豚の皮で靴を作っている。
外貨が無いわけです。
有るお金も動かせないわけです。
今、マカオの銀行をやりましたけど、それ以外に実は中国銀行の香港支店に280万ドルの偽札が預金されたと。
預けた人間を確認する為に13万ドルだけ下ろさせたら、その結果北朝鮮が預けた事が確認されたと。
残り260万ドルが偽札だと、いう事が明らかになってきまして、中国銀行も偽札に加担しているという情報をアメリカは持ち始めている。
それに対して制裁をかけるかどうか?という事になっている。
またスイスの銀行に北朝鮮は秘密資金があるんですが、実は北朝鮮が何かの商取引で未払いが出て告訴した。
その告訴状に自分の銀行の口座名を書いてしまって(笑い声)、スイス当局が北朝鮮の口座を一部発見した。
それは犯罪資金として凍結されている。
アメリカは北朝鮮に対して偽札をやっていたと認めろと、そうすれば金融制裁を解いてやると。
で、偽札の版を出しなさいと。
版は15枚あるんです。
アメリカが確認している。
段々発達していくわけですね。
偽札の技術が(笑い声)、だから版があるんです。
出さない限りまたするかもしれないから、だから口で言っても駄目だと。
出したら、お前本当にやっていたな?と。(笑い声)
現金と食料と燃料が無いという状況で、今年の正月や2月や4月の、彼らの礼節というんですけどね。
金正日の誕生日や金日成の誕生日に贈り物が満足に出来ないような状況だと、いうことです。
それで金正日には道が二つあるわけです。
拉致を認めてめぐみさんたちを返し、核・ミサイル開発を止める。
そうすれば国際社会は彼との共存を選ぶことになる。
もちろん北朝鮮の中の人権問題があります。
しかし、彼はそれが出来ないわけです。
拉致の命令者は金正日だから。
三号庁舎に拉致解決の案を出せと言った時に、金正日に責任が被るような案は出せないんです。
そんな物を作ったら、隣の日から刑務所へ行かなければならない。
と、限界があるわけです。
お母さんの前で嘘を言わせるような案しか出来ないんです。
生きた人を死んだといわせるような案しか作れないんです。
核・ミサイル開発も、金日成が死んだのは94年ですよね?
金正日が全権を握った後、300万人の餓死者を出しながらも彼は核・ミサイル開発を続けてきたんです。
それだけの事をやった者を今、金融制裁がされたからと言って放棄出来ない。
止まらない列車に乗っているわけです。
で、どうするか?と言うと、今みたいな金英男さんを出して嘘をつかせたりして日本を鎮めようとして失敗したと。
ミサイルを撃っても、ミサイルを撃って彼らの手法で緊張を高めるわけです。
高めた緊張を交渉材料にして、もう撃たないから何かをやってくれ、と。
もう撃たないから金融制裁を止めてくれ。
金融制裁は偽ドルについてかかっているのに、ミサイルを撃たないから金融制裁を解いてくれと。
理屈に合って無いんですけども、今までは、つまりアメリカのクリントン政権の時は、「北朝鮮は変りつつある。我々の政策は成功しつつある」と国内に説明しちゃったもんですから、変わって無い事をやられると困るんで悪い事をしそうになったら、悪い事をしたらば褒美をやって止めさせる。
言う政策を執ってたわけです。
変わりつつある、と言ってしまった方が負けなんです。
しかしブッシュ政権は悪い事をした人間には褒美をやらないと、言う事を決めたわけです。
今回彼らが緊張を高めたらば、その責任は国連の非難決議になったんです。
少なくとも中国も非難決議までは合意しているんです。
これは日本外交でかつて無かったことです。
非常任理事国の日本が国連の安保理事会を引っ張って、そして反対していた中国が議長声明じゃなくて非難決議まで中国に出させる所に持ってきた。
今は日本と中国の間で文案の折衝をしているわけです。
彼は拒否権を持つ、こちらは無いのに、日本が毅然とした態度を取って国際社会を味方につければ、北朝鮮の悪事は孤立するんです。
でも彼らはまだ懲りないでしょうから、金正日の責任を認める。
核を止める事も拉致を認める事も金正日の責任と直結しますから、まだ出来ないでしょうから、もう一回緊張を高める事はやってくる。
ミサイルの開発か、再発射か、あるいは核実験をやるか。
やればやるほど国際社会から孤立する。
そして中国やロシアも応援できなくなる。
韓国もさすがに応援できなくなる。
後は韓国と南北首脳会談をやって韓国を大混乱に陥れるという事をやるかもしれませんが、すでにもう韓国の世論は盧武鉉の対北政策は失敗だったと思う人が過半数を超えたと。
多数です、すみません。
成功だと思う人より失敗だと思う人が初めて多くなったんです。
嵐が吹いてきた事は間違いが無い。
去年から私はこう着状態ではないと、嵐の前の静けさだと何回もここで言いましたけど、嵐が吹いてきたと。
北朝鮮がたまらなくなって動いてきたと。
北朝鮮は時間稼ぎが出来なくなったと。
ばたばたして来て失敗しているんです。
しかし、耐えられなくなるから今までの手法で緊張を高めたり嘘を言ったりするしか無いんです。
そして失敗をする。
金英男さんも出てきたわけです。
拉致を公式に、事実上認めたわけです。
いないと言っていたのに。
韓国版9・17です。
部分的だけど認めざるを得なかった。
追い込まれたんです。
もう一歩の所までは来ているわけですけれども、後は、つまり必要条件は満たされつつある。
救出の必要条件は満たされつつある。
しかし十分条件は何か?と言うと、どこに何人いるか?ということを知るという事です。
無事助ける為にはどこに何人いるか?ということが分からなければ、助けられないんです。
もちろん日本政府は今、実は法を厳しく適用するチームと一緒に情報を検討するチームを作って、政府を挙げて、今政府が持っている情報を一元的に管理して、必死で情報分析作業をやっていると私は理解しています。
今までそれも無い事だと思います。
各省庁、各いろんな機関が持っている情報を、拉致に関する事でひとつに集まって分析されている。
そこへ、帰ってきた人たちもかなり協力をしているというふうに聞いています。
しかしそれで、一生懸命やっていると言うのが助け出すイコールではないですから、まだ十分条件にはなり得ないんです。
必要条件は満たされつつありますけども、十分では無い準備の中で全員取り戻す事をしなければならない。
しかし、彼らがばたばたして来ている事だけは間違いが無くて。
拉致はテロだと言ってきたり、何回もアメリカに行ったりヨーロッパに行ったり、日本中世論を盛り上げてきた事は間違いが無かった、というふうに思っています。
今日お配りしたミサイルが発射された時の声明の中にはですね。
一番最後に最後に金正日テロ政権は追い込まれつつあると。
国際社会が団結して強力な圧力をかけて、彼らから核とミサイルを取り上げ、全ての拉致被害者を取り戻し、北朝鮮人民を人権抑圧から解放する事が出来ると。
拉致被害者の皆さん、もう少しの辛抱です。
元気で救いの手を待っていてくださいと、言うふうに書かれてありますけども、まさにそういう状況だと思っています。
救う会では9月に幹事会を開いて、12月に北朝鮮人権法が設定する啓発週間がありますけど、そこで何をするのか?
あるいは国連の安保理事会でいよいよ拉致問題が取り上げられるようになりましたから、安保理事会に対して我々がどう働きかけをするか?ということも、9月の幹事会を目指していろんな事を考えています。
また皆さん方にお願いする事もたくさん出てくると思いますけども、いよいよ、今までですとね。
このまま行ったら負けてしまうとですね。
だから集会でも助けてくださいと言いましたけども、死んだという事も定着されると言うことも無くなりました。
それはもう、今回の事で大失敗だという事で、もう日本政府が生存を前提として交渉すると言っているわけです。
今回日本政府が日本語のパンフレットを作ってくれたんですけども、その中でも政府としては拉致被害者が全て生存しているとの前提に立ち、北朝鮮に対して被害者の即時帰国、真相究明及び拉致実行犯の引き渡しを強く要求すると共に、北朝鮮側に納得できる対応が無い場合には厳しい対応をとる方針である。
つまり今まで言ってきた事が、ちゃんと文章で書いてある。
これ6万部作ったそうです。(拍手)
もう一歩だと思ってますので、お疲れで大変だと思いますけど、そろそろ休んで頂いても良いんじゃないか?と。
元気で待って頂かなくてはならないと思っています。
宜しくお願いします。(拍手)